尊厳死の料金が3500ユーロと聞くとかなり高く感じるのは、やっぱり尊厳死というものが身近に感じられていないからでしょうか。
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2010年12月5日(日)08:00
【外信コラム】イタリア便り
なにかにつけて「自由、自由」と叫ぶくせに、「安楽死」が認められていない国では人間には自殺以外に自由に死ぬ権利がない。しかも、自殺には非常な勇気が必要だし、その手段も悲惨なものが多い。
去る2月に英国の有名テレビ司会者が友人を安楽死させたことを告白した事件が起きたとき、ローマの地元紙がジュネーブの「尊厳死施設」の紹介記事を載せた。
この特殊な施設にはもちろん誰でも入所を許されるわけではなく、不治の病の患者でしかも審査委員会の審査を通過した者だけが入所できる。1998年以来、世界各国から来てこの施設で死んだ人は1千人以上でイタリア人も15人含まれるという。入所予約希望者は年々増加し、イタリアだけで現在1千人を超すらしい。
3500ユーロ(約38万5千円)の入会費その他を払い、順番が来ると片道切符でジュネーブに赴き入所する。同伴者は後で自国で「自殺幇助(ほうじょ)罪」が適用される危険があるため注意を要するとのこと。
さて、ベッドに横たわると吐き気止めの錠剤を1錠飲み、コップ1杯の水で少量の砂糖を混ぜた致死薬15グラムを服用する。数分後に安楽死し、枕元の医者が死亡を確認するという。
がん患者増加と老齢化の進む社会にとって考えさせられるシステムである。(坂本鉄男)
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病院に着いてすぐに致死薬をもらって死ぬのだとすると3500ユーロは高すぎるような気もするのですが、この辺のサービスについて調べないといけません。
ともあれ、単なる延命措置が意味のあることなのかどうか、法制化も含めて国民的議論が必要でしょう。老年を間近に控えてくると、だれもが迷惑のかからない安らかな死というものを考えるようになるはずですから。
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