納得の行く流れです。特に生き残りが厳しい中小企業において、喫煙者のわがままは許されません。
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2011年1月29日
たばこに対する目線が厳しくなる中、「喫煙者不採用」を掲げる企業が増え始めている。「社員の健康維持にマイナス」「業務効率が下がる」などが理由で、全社禁煙の動きとも呼応しているようだ。就活でも不利とあっては、喫煙者はますます肩身が狭くなる?(千葉雄高)
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「喫煙者お断り」の文字と、たばこに斜線が引かれた画像が映し出された。昨年12月下旬、東京都港区のモバイル広告会社、ライブレボリューション(社員約50人)の説明会。約70人の学生を前に、担当者が「今は吸っていても構いません。ただ、入社したら吸えません」と話した。
同社は2005年から全面禁煙に。喫煙で席を外す社員に電話が入るたび、非喫煙者がわざわざ呼びに行く姿に、増永寛之社長(36)が「これは違う」と感じた。翌年から採用条件に非喫煙者を加えた増永社長は「離席が減って業務効率が上がった」と説く。
レストランなど61店舗を経営するグローバルダイニング(同区、社員約280人)。07年からホームページで採用情報にアクセスすると、「たばこを吸いますか?」と聞かれ、「YES」を選ぶと先に進めない。担当者は「過酷なレストランビジネスに健康は不可欠」と説明する。
横浜市のシステム開発会社、エスエムジー(社員約60人)は01年、全社禁煙と同時に採用基準にも非喫煙者を加えた。たばこのヤニがコンピューター故障の原因になるほか、火災のリスクも考慮した。人事担当者は「社員の健康を守る姿勢に学生も魅力を感じてくれている」。堺市の印刷機器メーカー、ナビタス(社員約80人)も新規採用を非喫煙者に絞っている。
採用条件にまではしないが、禁煙の波は大手企業にも押し寄せる。製薬会社ファイザー(東京都渋谷区)は今年6月から、就業規則に「就業中禁煙」を加える。同社が禁煙薬を扱うことも影響した。オリックス(東京都港区)も4月から、グループ会社も含めて就業中禁煙を始める。
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喫煙習慣の有無で採用を決めるのに法的な問題はないのか。
1973年の三菱樹脂訴訟判決で、最高裁は「特定の思想、信条を持つ者の雇用を拒んでも違法とは言えない」として、企業側に広く採用の自由を認めた。労働法に詳しい岩出誠弁護士は「思想、信条さえも違法でなければ、本人の健康リスクや受動喫煙の問題もある喫煙を採用時に考慮するのは合理的」とみる。
昇格時などはどうか。「健康リスクを考えると妥当」とする意見もあるが、労使関係に詳しい松丸正弁護士は「喫煙は日常的な生活習慣として異常とはいえない。就業規則などで対応すればよく、喫煙を理由に一律に不利な扱いをするのは人事権の乱用にあたるだろう」と指摘する。
厚生労働省の研究班が昨年、企業の人事担当者にアンケートしたところ(回答者838人)、新卒採用に喫煙が影響する可能性について「影響する」「少しは影響する」が合わせて5割近くにのぼった。調査を担当した国立がん研究センターの溝田友里研究員は「企業のイメージ向上という戦略もあるだろう。採用基準に入れるのはまだ一部だが、総合的な人材評価の際に喫煙を考慮する企業は増えていくのではないか」と話す。
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日本禁煙科学会理事長の高橋裕子・奈良女子大教授の話 喫煙を始めるのは18~20歳の大学時代が多く、この世代に対して禁煙を促す取り組みは進んでいないが、喫煙が就職に不利になるとすれば、学生は無関心ではいられない。吸い始めて比較的早い時期に、喫煙習慣の継続に歯止めがかかることになり、社会全体の喫煙率を下げることにつながる。明確に掲げる企業が増えるのは歓迎すべきだ。
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共著に「禁煙ファシズムと戦う」があるジャーナリスト斎藤貴男さんの話 私は非喫煙者だが、雇用という人が生きるために避けられない領域にまでこうした差別が入り込むのは異様に感じる。次は「酒を飲む人、太った人は不採用」となりかねない。本当に害だと言うなら麻薬のように犯罪にすればいい。それをせずに排除するのは、「多数派が気に入らないものは差別してよい」という風潮を強めることになる。
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企業は、営利追及が第一目的。そのためには、酒を飲む人や太った人を不採用にすることがあっても責められません。潰れたら元も子もないのです。それを行き過ぎた資本主義ファシズムとは呼べないでしょう。
ともあれ、就職できるかどうかは別にして、喫煙習慣などないほうが絶対に楽。たばこを吸っている諸君は、さっさとたばこと縁を切る離煙生活に入るべきです。
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