イギリスの禁煙政策が、さらに厳しくなりました。立派です。
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たばこ包装にロゴ禁止、英下院で法案可決
By PETER EVANS
The Wall Street Journal 日本版 2015 年 3 月 12 日 16:12 JST
【ロンドン】英下院は11日、たばこの箱へのブランド掲示を禁止する法案を賛成367、反対113の賛成多数で可決した。これを受けて、たばこ各社は訴訟を起こす意向を示したが、欧州全土に同様の法律制定の動きが広がる可能性も出てきた。
「プレーン・パッケージング法」は2016年に施行される。これにより、たばこは特徴的なロゴや色がなく、健康に関する目立つ警告だけが表示された統一パッケージで販売されるようになる。つまり、「マルボロ」の赤地に白の山型のマークや、「ラッキーストライク」の中心部の円に書かれたロゴがなくなることになる。
世界のたばこ大手各社は直ちに提訴する意向を表明した。
250億ドル規模の英たばこ市場で合計85%のシェアを占めるJTIと英インペリアル・タバコ・グループは、訴訟の準備を進めていることを明らかにした。JTIは日本たばこ産業(JT)の海外事業を担っている。
英ブリティッシュ・アメリカン・タバコは先月、法案が可決されたら訴訟を起こす考えを示していた。世界最大手の米フィリップ・モリス・インターナショナルだけは、必ず提訴するとまでは言っていない。
JTの英国担当マネジングディレクター、ダニエル・トラス氏は「この法律は違法だと考えている」「当社が利用できる法的手段を通じて異議を唱えるつもりだ」と述べた。
たばこ会社の幹部らは今、英国をきっかけに欧州全土にプレーン・パッケージング法制定の動きが広がることを恐れている。アイルランドは今月に入り同様の法律を制定し、フランスは同様の法案を検討している。
アナリストらによると、他の欧州諸国は、来年欧州連合(EU)加盟国でたばこ製品に関する新たな規則が実施された時にプレーン・パッケージング法を検討するとみられる。
ただ、米国に飛び火する公算は小さい。米食品医薬品局(FDA)は13年、たばこの箱への画像入り警告表示を義務付けようとしたが、連邦控訴裁判所が却下したため見送った。
プレーン・パッケージング法が機能するかどうかをめぐっては、激しい議論が起きている。同様の法律がすでに施行されているのはオーストラリアだけだが、たばこ各社は同国で喫煙率が低下していないうえ、ブランド名のない包装が密輸増加を招いていると主張している。
しかし健康活動家たちは、オーストラリアで政府の「クイットライン(禁煙電話相談)」の件数が増加したことは、無地の包装が喫煙衝動を抑えている証拠だと指摘している。禁煙団体も、たばこ業界は包装の簡素化を阻止するために違法取引の影響を誇張していると訴えているが、たばこ各社はこれを否定している。
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イギリスといい、オーストラリアといい、頭が下がります。
「プレーン・パッケージ」とはいっても、無地ではありません。オーストラリアのようにかなりどぎつい禁煙メッセージと画像がつくことになるはずです。ちなみに、オーストラリアのタバコ箱につけられたメッセージを上の写真から抜き出すと、次のようになります。
Smoking causes emphysema (喫煙は、肺気腫の原因となる)
Smoking causes blindness (喫煙は、盲目の原因となる)
Smoking causes mouth cancer (喫煙は、口腔がんの原因となる)
Smoking causes lung cancer (喫煙は、肺がんの原因となる)
Quitting will improve your health (喫煙をやめれば、健康が改善される)
そのうえ、イギリスではタバコ1箱1000円もしますし、飲食店は完全禁煙です。それだけ、国民の健康を慮っている国はなかなかありません。医療費を抑えるほうが、タバコ税の売り上げよりも国家として得であるという判断でしょう。すばらしいことです。
ひるがえって、日本政府のだらしなさ。タバコが健康被害を与え、巨額な医療費を作り出し、国民皆保険制度の存続を難しくしている一因であることがわかっているのに、思い切った手を打ちません。スモーカーで、JTの権益を守ろうとする国会議員が大量にいるからです。
構造改革は、こうした政治家たちの古めかしい愚かな考えを変えるところからスタートしないといけません。
イギリスの禁煙政策の成功を切望してやみません。
吸ってないけど、もう少しフラットな目線で見るべき。お酒とか他の商材もそう見てる?飲酒運転ヤバくね?まぁそんな発想にさえならんのかな?
少なくとも税金で僕は助かってると考えるけどね。もっと統計とかちゃんと見てみ。