市川團十郎丈の死去による歌舞伎座の新開場公演の配役変更が、昨日発表されました。順当な変更ではありますが、心配事も……。
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こけら落としの配役変更発表=歌舞伎座(時事通信) - goo ニュース
2013年2月21日(木)12:05
松竹は21日、今月3日に亡くなった市川団十郎さんが4~6月に出演を予定していた東京・銀座の歌舞伎座のこけら落とし興行の配役変更を発表した。
新開場を祝う4月の「寿祝歌舞伎華彩」は代役を立てずに再構成し、「弁天娘女男白浪」の日本駄右衛門は中村吉右衛門さん。5月の「三人吉三」の和 尚吉三は松本幸四郎さん、「梶原平三誉石切」の大庭三郎景親は尾上菊五郎さんが演じる。6月の「土蜘」の源頼光は吉右衛門さん。また、「助六由縁江戸桜」 は「十二世市川団十郎に捧(ささ)ぐ」と銘打ち、長男の市川海老蔵さんが助六を、海老蔵さんが演じる予定だった福山かつぎは尾上菊之助さんが演じる。
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というわけで、團十郎丈の穴は大御所が引き受ける形になるのですが、その結果大車輪の活躍を要求されます。
一番大変なのは、4月の中村吉右衛門丈です。1部で『熊谷陣屋』の熊谷直実、2部で『弁天娘女男白浪』の日本駄右衛門、3部で『盛綱陣屋』の和田兵衛秀盛を演じることになり、休憩がほとんどなくなります。ファンとしては、不安です。
5月は、松本幸四郎丈と尾上菊五郎丈ががんばってくれます。幸四郎丈は、1部で『寺子屋』の松王丸と『三人吉三巴白浪』の和尚吉三と立て続けに登場し、2部で『伽羅先代萩』の仁木弾正を演じます。
他方、菊五郎丈は1部の『三人吉三巴白浪』のお嬢吉三でお役ご免の月だったのですが、第3部の『梶原平三誉石切』に出るために、2部が休憩時間になりますが、歌舞伎座にずっと残っておかねばなりません。
というわけで、心配なのはベテランたちの体力。不幸が相次ぐ歌舞伎界ですから、身体にだけは十分に気をつけてお願いします。
それにしても、ベテランたちは海老蔵丈の助六代役を許したものです。格からすれば、異例も異例。海老蔵丈は最高のチャンスをもらったのですから、感動的な助六を見せてもらいたいものです。
4月は、3部ともチケットを押さえました。5月も6月もできるだけ見に行く予定です。團十郎丈と中村勘三郎丈の不在が、寂しいこけら落とし興行にならないことだけを祈っています。
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