読書離れが進んでいるという。しかし、その一方で、読書をコンセプトにした宿泊施設「ブックホテル」が増えているのをご存じか。

 その先駆けとなるのが「BOOK AND BED TOKYO」で、池袋本店・浅草店・京都店・福岡店に続いて、今春に新宿店がオープンする。

「泊まれる本屋」をコンセプトにしたホステルで、利用客は20〜30代が中心だ。そんな流れを受け、出版関係の企業も宿泊施設運営に乗り出す。日本出版販売と自遊人は、箱根・強羅エリアにブックホテルを中心とした複合施設「箱根本箱」を夏をメドにオープン予定。宿泊すれば、客室でゆっくり読書を楽しめるほか、ブックストアやレストラン&カフェ、ショップ、コワーキングスペースなど、日帰り客でも利用できる施設を併設する。

 施設内の本は、新刊だけでなく古書や洋書を含めて約2万冊。箱根の自然と本に囲まれて、ゆったりした時間を過ごせそうだ。

■一般には出回らない良書も揃う

 大分の長湯温泉にも、ブックホテルがある。ロングステイ型プチホテル「B・B・C長湯」で、客室には書斎スペースを用意。併設される木造校舎風の図書館には、登山家・旅行作家でもある故・野口冬人氏収集の山岳図書1万3000冊が所蔵されている。

「オーナーが野口先生と知り合いで、ここを建てるときに野口先生が『図書館があったらどうか?』と提案され、本を寄贈してくださったそうです。図書館の本は、お部屋でゆっくり読んでいただけます。3、4泊の短期宿泊から数週間滞在する方まで、温泉につかりながら読書を楽しみ、自分を整えていかれるお客さまが多いですね」(広報担当者)

 せわしない日常を離れて気持ちをリセットしたいときなどによさそうだ。

 2月に開業した「ランプライトブックスホテル名古屋」は、「ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ」が手がけ、客室にはホテルおすすめの本と目に優しい照明、読書専用ソファを設置。1階にはブックカフェ「ランプライトブックスカフェ」を備えている。

「本のセレクトは、東京・丸の内KITTEの『マルノウチリーディングスタイル』を手がけるチームが担当。出版取次企業が関わっていて、旅とミステリーをテーマに、あまり一般には出回っていない良書もたくさん揃っています」(同社広報)

 ブックカフェから客室への本の持ち込みも可能になる予定。立地は名古屋駅や中心街に近く、出張中のビジネスマンにも便利。仕事の合間にひと息つくにも最適か。

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貧乏英語塾長の夢は、清潔な図書館か本屋の床でで寝袋にくるまって思う存分本を読みながら、眠ることです。

1988年から1994年にかけての貧乏英語塾長のアメリカ留学時代、大学図書館は24時間オープンだったので、そんなときは備え付けのソファーの上で本を読みながら、眠って夜明かしたりしたものです。これが何ともいえない快適さで、たまらないものでした。

さすがに図書館では酒は飲めませんでしたが、呑兵衛の貧乏英語塾長としては、ブックホテルではお酒でもちびりちびりと飲ませてもらいながら、読書に没頭させてもらえたら、そのまま死んだとしても文句はいいません(死んだら、文句はいえないってか)。

こんなホテルが日本中に増えると最高です。