何だかよく分からないうちに自民党の総裁選がスタートするのだとか。しかも立候補を表明している人はいまのところ現小泉内閣の閣僚ばかり。それでいて、現内閣の方針と違ったことを主張していたりもしています。どうなっているのでしょう。まずは、朝日の記事で状況を整理してみると――
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谷垣氏が立候補表明、麻生氏も意向表明 自民総裁選 (朝日新聞) - goo ニュース
2006年 7月27日 (木) 22:45
谷垣財務相は27日、自民党本部で記者会見し、9月20日の党総裁選への立候補を正式に表明した。靖国神社参拝問題を中心に小泉首相のアジア外交を批判、消費税率の引き上げ問題とともに小泉路線を引き継ぐ安倍官房長官との対立軸を鮮明にした。一方、麻生外相も同日、8月20日ごろに立候補を正式に表明する考えを記者団に示したが、靖国問題の争点化には慎重な姿勢を示した。
立候補を正式表明したのは、有力候補では谷垣氏が初めて。麻生氏の立候補も確実になったことで、不出馬を決めた福田康夫元官房長官に代わる「非安倍」勢力による統一候補擁立はさらに困難になるとみられ、安倍氏の優位は動かない情勢だ。ただ、谷垣氏が靖国参拝と消費税の両方の問題で姿勢を明確にしたことで、政策論争は活発化しそうだ。
谷垣氏は会見に先立つ谷垣派臨時総会で「5年間の小泉政治を総括し、引き継ぐべきものは引き継ぎ、改めるべきものは改める」と語った。会見では、中国や韓国との首脳交流が冷え込んでいる現状を「異常な関係」と指摘。「原因のひとつが靖国参拝問題であることは否定できない。このままでは日本の国益を損なう」と語った。首相になった場合は参拝しない考えも示し、首脳同士で直接意見を交わす「アジアホットライン」の構築を提唱した。
谷垣氏の発言について小泉首相は同日、官邸で記者団に「中国、韓国はひとつの問題で意見が違うから首脳会談は行わない(と言っている)。靖国参拝を批判する人はそれがいいと思っているんですか。おかしいですね」と批判した。
谷垣氏は会見でこのほか、小泉政治への懸念として「地方の疲弊」を挙げて「改革の目標が弱肉強食の冷たい社会であってはならない」と指摘。財政再建に関して「2010年代半ばまでのできるだけ早い時期に、少なくとも10%の消費税を実現していくことが必要と考えている」と語った。
麻生外相は同日、訪問先のクアラルンプールで記者団に「靖国が片づけば日中間の問題がなくなるかと言えば、ガス田など問題は残る」として小泉首相や安倍氏に近い持論を強調。消費税については「2010年初頭というのはそうなのかもしれないが、どのくらい上げればいいのかはちょっと問題かなあという感じはする」と語った。
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この谷垣財務相の発言は問題です。現閣僚が内閣の方針に反したことをはっきり口にしているのですから。内閣を出てから言うのなら分からんじゃありませんが。
ところが、そのことを批判している声があまり聞こえてきません。そこで、あれこれ調べていたら、小沢一郎民主党代表が同じ批判をしてくれていました。
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民主・小沢代表「谷垣氏は閣僚辞任が筋」 (産経新聞)
民主党の小沢一郎代表は27日、秋田市内で記者会見し、自民党総裁選に出馬表明した谷垣禎一財務相が小泉純一郎首相の改革路線や外交姿勢と一線を画す考えを示したことについて「内閣不一致の話になりかねない大事な問題で、違ったことを主張するなら閣僚を辞めた方が筋が通る」と述べた。
8月末に総裁選に出馬表明予定の安倍晋三官房長官が小沢氏の地元、岩手県で全国行脚をスタートさせたことに関しては「いいのではないか。僕のところを一番に狙ったことで(メディアの)皆さんが関心を持つ。岩手県民は賢明な判断をしてくれると思う」と語った。
(07/27 20:14)
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小沢代表の言うとおりです。確かに、自民党総裁選には、20名の推薦人さえ集められれば、どなたでも立候補できるのでしょう。だからといって、現内閣の閣僚が、現内閣とまったく異なることを主張して戦うというのは許されることではありません。
小泉内閣の任期は、曲がりなりにもまだ2ヶ月はあり、その間に重要な外交問題が持ち上がったときに、谷垣財務相は内閣の一員として統一した行動が取れるのでありましょうか。
筋を通せる一本気な政治家というのが、財務相のイメージでした。それなのに、今回の行動はそのイメージを悪化させるものです。
自民党内における将来のパワー・バランスにおいて優位に立つために、落ちても構わないから総裁選に出る。そして、存在感をなくさないために、現閣僚としてのネームバリューを最大限利用する。こういう戦略が見え見えなのです。
ともあれ、財務相が現在のまま立候補すれば、閣内不一致として、中国・南北朝鮮から日本の政治が軽く見られてしまいます。現閣僚として靖国参拝を争点にする愚をしっかりと把握してもらわねば困るのです。
谷垣さん、がっかりです。
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谷垣氏が立候補表明、麻生氏も意向表明 自民総裁選 (朝日新聞) - goo ニュース
2006年 7月27日 (木) 22:45
谷垣財務相は27日、自民党本部で記者会見し、9月20日の党総裁選への立候補を正式に表明した。靖国神社参拝問題を中心に小泉首相のアジア外交を批判、消費税率の引き上げ問題とともに小泉路線を引き継ぐ安倍官房長官との対立軸を鮮明にした。一方、麻生外相も同日、8月20日ごろに立候補を正式に表明する考えを記者団に示したが、靖国問題の争点化には慎重な姿勢を示した。
立候補を正式表明したのは、有力候補では谷垣氏が初めて。麻生氏の立候補も確実になったことで、不出馬を決めた福田康夫元官房長官に代わる「非安倍」勢力による統一候補擁立はさらに困難になるとみられ、安倍氏の優位は動かない情勢だ。ただ、谷垣氏が靖国参拝と消費税の両方の問題で姿勢を明確にしたことで、政策論争は活発化しそうだ。
谷垣氏は会見に先立つ谷垣派臨時総会で「5年間の小泉政治を総括し、引き継ぐべきものは引き継ぎ、改めるべきものは改める」と語った。会見では、中国や韓国との首脳交流が冷え込んでいる現状を「異常な関係」と指摘。「原因のひとつが靖国参拝問題であることは否定できない。このままでは日本の国益を損なう」と語った。首相になった場合は参拝しない考えも示し、首脳同士で直接意見を交わす「アジアホットライン」の構築を提唱した。
谷垣氏の発言について小泉首相は同日、官邸で記者団に「中国、韓国はひとつの問題で意見が違うから首脳会談は行わない(と言っている)。靖国参拝を批判する人はそれがいいと思っているんですか。おかしいですね」と批判した。
谷垣氏は会見でこのほか、小泉政治への懸念として「地方の疲弊」を挙げて「改革の目標が弱肉強食の冷たい社会であってはならない」と指摘。財政再建に関して「2010年代半ばまでのできるだけ早い時期に、少なくとも10%の消費税を実現していくことが必要と考えている」と語った。
麻生外相は同日、訪問先のクアラルンプールで記者団に「靖国が片づけば日中間の問題がなくなるかと言えば、ガス田など問題は残る」として小泉首相や安倍氏に近い持論を強調。消費税については「2010年初頭というのはそうなのかもしれないが、どのくらい上げればいいのかはちょっと問題かなあという感じはする」と語った。
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この谷垣財務相の発言は問題です。現閣僚が内閣の方針に反したことをはっきり口にしているのですから。内閣を出てから言うのなら分からんじゃありませんが。
ところが、そのことを批判している声があまり聞こえてきません。そこで、あれこれ調べていたら、小沢一郎民主党代表が同じ批判をしてくれていました。
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民主・小沢代表「谷垣氏は閣僚辞任が筋」 (産経新聞)
民主党の小沢一郎代表は27日、秋田市内で記者会見し、自民党総裁選に出馬表明した谷垣禎一財務相が小泉純一郎首相の改革路線や外交姿勢と一線を画す考えを示したことについて「内閣不一致の話になりかねない大事な問題で、違ったことを主張するなら閣僚を辞めた方が筋が通る」と述べた。
8月末に総裁選に出馬表明予定の安倍晋三官房長官が小沢氏の地元、岩手県で全国行脚をスタートさせたことに関しては「いいのではないか。僕のところを一番に狙ったことで(メディアの)皆さんが関心を持つ。岩手県民は賢明な判断をしてくれると思う」と語った。
(07/27 20:14)
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小沢代表の言うとおりです。確かに、自民党総裁選には、20名の推薦人さえ集められれば、どなたでも立候補できるのでしょう。だからといって、現内閣の閣僚が、現内閣とまったく異なることを主張して戦うというのは許されることではありません。
小泉内閣の任期は、曲がりなりにもまだ2ヶ月はあり、その間に重要な外交問題が持ち上がったときに、谷垣財務相は内閣の一員として統一した行動が取れるのでありましょうか。
筋を通せる一本気な政治家というのが、財務相のイメージでした。それなのに、今回の行動はそのイメージを悪化させるものです。
自民党内における将来のパワー・バランスにおいて優位に立つために、落ちても構わないから総裁選に出る。そして、存在感をなくさないために、現閣僚としてのネームバリューを最大限利用する。こういう戦略が見え見えなのです。
ともあれ、財務相が現在のまま立候補すれば、閣内不一致として、中国・南北朝鮮から日本の政治が軽く見られてしまいます。現閣僚として靖国参拝を争点にする愚をしっかりと把握してもらわねば困るのです。
谷垣さん、がっかりです。
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