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特定秘密法案支持の長谷部教授、朝日の高橋記者を粉砕

2013年12月21日 07時33分22秒 | 時事放談: 国内編

このインタビューは、面白い!正論を連ねる憲法学者に、朝日の偏見体質を具現化していることで悪名高き高橋純子記者が挑むのですが、見事記者は粉砕されてしまいます。長いですが、ぜひ丁寧に読むべき記事。記録しておきましょう。

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(今こそ政治を話そう)秘密法とどう向き合う 憲法学者・長谷部恭男さん
朝日新聞 2013年12月20日05時00分

 去る11月13日、長谷部恭男東大教授は国会で自民党推薦の参考人として特定秘密保護法に賛成の意見を述べた。安倍政権が視野に入れる集団的自衛権の行使容認にも、憲法改正にも反対の立場の長谷部さんが、よりによってなぜ安倍政権に力を貸すのかと波紋が広がっている。真意を聞いた。

 ――もしかして、「御用学者」と呼ばれていませんか

 「何のことでしょうか」

 ――国会で特定秘密法に賛成の意見陳述をしたことが、この法律に反対してきた人たちに衝撃を持って受け止められています。

 「特定秘密法が必要だと考えるから意見を述べた。それだけです。安倍政権のためではありませんし、自民党の推薦だということは、審議が始まる15分前に初めて知りました」

 ――特定秘密法が必要だと考える最大の理由は何ですか。

 「国を守るための法律だからです。国を守るとは、憲法を守るということです。単に物理的に領土を守るとか、国民の生命と財産を守るということでは ありません。中国や北朝鮮と同じ政治体制でいいなら、国を守る必要はない。しかし憲法の定める自由で民主的な統治の基本秩序を守り、現在の政治体制を守る ためには、特定秘密法をつくり、特別な保護に値する秘密が外に漏れないようにしなければなりません」

 「国を守るためと称して安倍政権が視野に入れている、集団的自衛権の行使容認には大反対です。憲法改正についても、96条の憲法改正要件の緩和を含めて大反対です。ただそれと、特定秘密法は別です」

 ――秘密保持は、今ある法律を使えば十分可能ではないですか。

 「特定秘密法は むしろこれまでなかったことが不思議な法律で、あって当然のものをなぜ今つくるのかと問われても説明は難しいですね。ただあえて言うと、どこの国もそうで すが、基本的に役所は自分が持っている情報をほかの役所には出したがりません。これまでは、各役所がそれぞれ、首相に情報を上げていました。これでは到 底、国は守れません。たとえばテロリストの活動や重大犯罪から国を守るためには各役所が情報を持ち寄り、連携して効果的な対策を打たなければならない。特定秘密法ができたことで、秘密は守られるからちゃんと情報を出しなさいと言えるようにはなります」

 「法律には、特定秘密を扱う公務員や民間人は『適性評価』を受けると明記されました。家族の国籍、飲酒の節度、病歴などが調べられるのでプライバシーの侵害につながると批判されていますが、事実上、これはすでに行われています近代国家である以上、こんな機微に触れる調査を行うなら法的根拠を明確にし、調査対象者が不服申し立てできる手段も備えておくのは当然です」

     ■     ■

 ――しかしこの法律では、そもそも何が「特定秘密」に当たるかが全くわからず、秘密の範囲が際限なく広がる危険性があります。

 「何を秘密とすべきかは時代や国際環境によって変化します。事前に隅々まで確定させられないのは、私たちが生きるこの世界がそういう風にできているからで、具体的な事例ごとに、専門知識をもつ各行政機関が判断し、指定したり解除したりするしかありません」

 「今回の仕組みは、特別に保護すべき情報を金庫の中に厳重にしまって、権限のある人だけが見られるようにするというものです。なんでもかんでも金庫に入れてしまうと政府の仕事がやりにくくて仕方がない。常識的に考えて、秘密の範囲が際限なく広がることはありません

 ――それこそ常識的に考えれば、『沖縄密約』を否定し続けた政府を信用しろと言っても無理な話です。恣意(しい)的な運用が行われていないか、独立性と中立性の高い第三者機関を設けてチェックさせるべきです。

 「そうでしょうか。専門的な知見がない人に、特定秘密として指定すべきか否かの判断はできません。しかし高い第三者性を求めれば求めるほど、専門 性の低い人を呼んでこなければならない。そんな組織を作ってもあまり意味がないと思います。発想を転換して、情報を手元に持っている人がそれを外に出しや すくする仕組みを作る、そのことに力を注いだ方がいいのではないですか」

 ――どういうことでしょうか。

 「アメリカでは、諜報(ちょうほう)機関に勤める人が退職後に回想録を書くのはごく普通のことで、事前審査を経れば出版できる仕組みが整っています。例えば、アルカイダの 捜査にあたった元FBI特別捜査官が2年前に出した『The Black Banners』は全米でベストセラーになりましたが、誰を尋問しどんな情報を 得たか、『特定秘密』に相当することも含め詳細に記述されていて驚きます。著者はFBIに原稿を提出して事前審査をパスし、CIAから『不条理な削除』を求められた部分は黒塗りにして出版しましたが、CIAの要求は政府の保秘指定のガイドラインを逸脱しているので、法的手段に訴えるとしています」

 「日本もそのような審査をパスすれば出版できる仕組みを作ればいいんです。そうしないと、本当に60年経っても情報が外に出てこなくなりますよ。例えば映倫(映像倫理委員会)は、外部有識者と映画出身者で構成される委員が、社会通念と 映画倫理規程に従って自主的に規制を行っています。それにならって、メディア各社で組織を作り、出していい情報かどうか政府と協議するルートを持つ。審査 を経て世に出たものの中に特定秘密が含まれていたとしても、審査を通ったことが故意の漏洩(ろうえい)ではないことを担保するので、罰せられる可能性もな くなります」

 「特定秘密法が できたことで、秘密を知りたいという人々の欲求が高まり、市場ができる。そこを狙って回想録を出そうという人や、内部情報を入手して報じようとするメディ アや記者が増える。政府に情報を出せ出せと要求するよりも、彼らがすでに持っている情報を外に出せるルートを作った方がはるかに実際的です。政府が『黒塗 りにしろ』と不当な要求をしてきたら、法的手段に訴えればいい。特定秘密法には抵触していないと。手元に情報を持っているからこそ、勝負できるのです」

     ■     ■

 ――そうでしょうか。特定秘密を漏らせば厳罰が科されるのだから、社会の萎縮はどんどん進むでしょう。長谷部さんと違って、多くの人は世間の空気を読みますから。

 「すみませんね、空気も読まないで。そう。だからメディアが今、空気を作るべきなんです。萎縮する必要はないという空気を。それなのに『漏らせば厳罰』ばかり言ってむしろ萎縮ムードをあおっています

 「制度の外側からいくら心配しても心配な状況は変わりません。変えるためには内側に踏み込んで、情報を外に出せるルートを作るよう政府と交渉しないと。安倍政権支持率が下がっている今が好機です。法律には反対だ、廃止しろとだけ言い続けていたら交渉できませんよ。ルートさえできれば情報はどんどん外に出てくるのですから。清廉潔白な朝日新聞さんは嫌かもしれませんが、清廉なだけでは勝負になりません

 ――どんなに嫌みを言われても、特定秘密法集団的自衛権憲法改正をパッケージで見ると安倍政権に懸念を抱くのは当然でしょう。

 「確かに安倍政権は危ないことをやろうとしているようには見えます。しかし特定秘密法で日本が戦前に戻るというのは非常におかしな議論です。今にも戦争が起きると言わんばかりの報道で人々をおびえさせるのはそろそろやめて、次のステージに移った方がいいと思います」

     ■     ■

 ――自民党推薦の参考人として賛成意見を述べたことは結果的に「危ないことをやろうとしている」安倍政権に手を貸したことになります。

 「安倍政権が次のスケジュールに移るという意味なら確かにそうかもしれません。しかし、そもそも安倍政権をつくったのは有権者であり、民主党政権を徹底的に批判して『決められる政治』を希求した朝日新聞をはじめとするメディアです。誰が決めるかが大事なのに、メディアはそれを等閑視した」

 「私は安倍政権に 決めて欲しいとは思っていませんでした。私たちは最初から理想の民主主義社会に生きているわけではない。あれもダメこれもダメではなく、自分ができること をまずやり、少しでもいい社会をつくっていくしかないのではないですか。有権者もメディアも『誰か』に責任転嫁し過ぎです

 ――苛立(いらだ)っていらっしゃるんですね、日本政治や社会は無責任だと。

 「別に苛立っていませんよ。とても平和で大変結構と思っています

     *

 はせべやすお 56年生まれ。東京大学教授。憲法96条改正に反対する「96条の会」発起人。著書に「憲法の円環」「憲法のimagination」など。

 ■取材を終えて

 「ゼロか100かしかないんですか」。長谷部さんに問い返された。敗北感にさいなまれ、「敵/味方」の分断線を引いては自陣営に引きこもる。その 積み重ねは結局、異論を封じ、社会を一色に染めたがっている「向こう」を利するだけなのではないか。線を越えて緩やかにつながり「次の一手」を探す。それ が最も有効な抵抗のはずだ。(高橋純子)

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長谷部教授の圧勝です。それにしても、この記者の偏向ぶりにはウンザリです。特に、最後の「取材を終えて」の部分には、唖然とします。

あれだけ特定秘密法案に反対している新聞記者が、ちょっと長谷部教授に説教されると、「線を越えて緩やかにつながり「次の一手」を探す」といいだすのですから、訳がわかりません。

つまりは、これまで完全反対していたのは、ほとんど理論的裏づけもなくやっていたということで、やっぱり恐ろしいメディアです、朝日新聞は。

それにしても、長谷部教授の落ち着きぶりは、さすが法律家です。どんなに高橋記者から偏見に満ちた意地悪な誘導質問があっても、鷹揚に構えて本質を衝いています。見事です。最後の落ち着きぶりは、最高です。

この記事を読むと、朝日や毎日に誘導されて危ないと思い込んでいるだけで、本当の国益を考えていない国民が多いのかもしれないと思ってしまいました。気をつけないと、先の大東亜戦争の開戦を煽った朝日新聞に、またもやとんでもない目に遭わされるかもしれません。


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