2020年東京五輪・パラリンピックに向け、東京都は5日、想定されるマラソンコースや主要競技会場周辺の街路樹を活用した暑さ対策を始めた。街路樹を大きく育てるために剪定(せんてい)して、観客らが涼を感じられるように日差しを遮る木陰をつくる。都によると、国内で街路樹を使ったこのような大規模な暑さ対策は初めてという。

 都は昨年、マラソンコースの候補となる皇居周辺や競技会場が集中する臨海部などの総距離44.9キロの都道などで街路樹や道路の状況を調査した。約半分の距離で約2000本の街路樹の枝葉が広がっても支障がないと判断。大きく育てつつ、木が倒れないようなバランスを保つため剪定することにした。

 この日は、五輪で重量挙げの競技会場となる東京国際フォーラム(千代田区)前の都道で実施。高所作業車を使い高さ約11メートルの街路樹の枝を切りそろえた。作業は夏と冬の年2回で、生育状況を確認しながら形を整えていく。通常の剪定は短く刈り込むが、育てるために枝葉を整える作業は珍しいという。

 20年7月24日に開幕する東京五輪は高温多湿な日本の夏になじみがない外国人を含め約780万人の観客が訪れるため、暑さ対策が大きな課題となっている。昨年7〜8月には都内で熱中症により緊急搬送された患者は2340人に上った。

 都は日射を遮り、日なたに比べ体感温度が7度程度下がるとされる緑陰の効果に注目した。東京都の担当者は「緑を増やして夏でも過ごしやすい都市へ向けたレガシー(遺産)になれば」と、緑の日傘に期待する。【村上正】

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こうしてできた大きな街路樹は、オリンピックが終わっても、都民を涼しくしてくれます。こういう対策こそ、オリンピックのレガシーというものです。

もちろん、公共屋内の全面禁煙化も、そのレガシーであってほしいのですが。