【カザニ(ロシア)=北谷圭】水泳の世界選手権第4日は27日、ロシアのカザニで行われ、シンクロナイズドスイミングのチーム・テクニカルルーティン(TR)決勝で、日本(乾、三井、箱山、丸茂、中牧、中村、小俣、吉田)が92・4133点で銅メダルを獲得した。

 26日のデュエット・TRの銅に続くメダルで、チーム種目では2007年大会以来のメダル獲得となった。優勝はロシア、2位は中国。非五輪種目のソロ・フリールーティン(FR)予選は、乾友紀子(井村シンクロク)が5位で決勝に進んだ。オープンウォーター男子10キロで、平井康翔やすなり(朝日ネット)は11位、宮本陽輔(自衛隊)は35位だった。

デュエット追い風、鮮やか逆転の銅 シンクロチームTR
朝日新聞 2015年7月28日05時05分

 チームTR予選では4位だった日本。井村ヘッドコーチは「逆転という大仕事をしなければならない」と、選手たちに気合を入れて送り出した。表彰台に上ることだけを狙った決勝。鮮やかな演技で予選3位のウクライナを上回り、日本として今大会二つ目の銅メダルを手にした。

 追い風が吹くなかで挑んだ試合だった。前日のデュエットTRで、乾と三井が世界選手権のシンクロ日本勢として4大会ぶりのメダルを獲得したばかり。三井は「この流れをつかんで、メダルを狙いたい」。チームのみんなが待ち焦がれていたメダルに、選手たちの士気は高まっていた。

 シンクロは全部で8日間。最近の低迷でジャッジ(審判)の目が厳しくなっていた日本も、大会を通じて結果を残し続けられれば、評価を大きく引き上げて来年のリオデジャネイロ五輪を迎えることができる

 「今回のジャッジは、日本の技術は高いねと思い始めている。でも、信用まではいかない」と井村コーチは話していたが、着実に、その地位を高めている。(清水寿之)

世界水泳:日本、チームTR「銅」…シンクロ
毎日新聞 2015年07月28日 00時53分(最終更新 07月28日 02時54分)

 【カザン(ロシア)芳賀竜也】水泳の世界選手権第4日は27日、当地で行われ、シンクロナイズドスイミングのチーム・テクニカルルーティン(TR)決勝は、日本(箱山、乾、丸茂、三井、中牧、中村、小俣、吉田)が92.4133点で銅メダルを獲得した。日本のメダルはデュエットTRに続き今大会2個目。ロシアが95.7457点で優勝し、2位は中国だった。

 ◇デュエットの「銅」で勢い

 日本シンクロの勢いが止まらない。前日にデュエットTRで、日本シンクロとして8年ぶりの世界選手権メダルとなる銅メダルを獲得すると、チームTRも銅メダルに輝いた。チームの核としてデュエットも担った乾と三井の自信が、全体に波及した形だ。

 25日の予選ではウクライナに0.2204点及ばず4位にとどまった。だが26日は、デュエットで完成度の高い演技を披露し、チームより2人多い10人で演じるフリーコンビネーションの予選でも3位。乾と三井の2人にとどまらない日本の充実ぶりを示した。

 シンクロでは種目ごとに審判が入れ替わり、採点は独立している。だが、他の種目の評価も審判の心証に影響し得るのが採点競技だ。徐々に日本の存在感を高めてきたことが、チームのメダルにもつながった

 「どれだけメダルを取りたいか。その気持ちが適当になった人から負けていく」と井村ヘッドコーチ。その国力が最も反映されると言われるチームでもメダルを現実にしたことで、日本シンクロは復活への確信を深めた。【芳賀竜也】

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井村ヘッドコーチの練習はものすごく厳しくて、ついていけないと代表を辞退した選手もいたとか。でも、世界で戦うためには、このくらい厳しい指導者がいないと駄目なのです。

辞退した選手は、本当にそれでよかったと思っているのでしょうか。このままだと、来年のオリンピックは銀メダル、東京オリンピックでは金メダルということさえ考えられるのですが。

それにしても、世界2位の中国と3位の日本を短期間で育て上げた井村ヘッドコーチ、その手腕の鮮やかさには、指導者の端くれとして、頭が上がりません。目標にさせていただきます。脱帽、平伏。