100歳を過ぎても現役の医師である日野原先生が読売新聞に連載しているコラム「日野原重明の100歳からの人生」に喫煙の害が取り上げてあります。記録しておきましょう。
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煙草によって生じる病気
2012年4月19日
日本は2008年(平成20年)の喫煙率は21%と年々減少しているものの、アメリカに比べると、喫煙者は男女共に多い。男子の喫煙は年々低下するといわれるが、まだ40%の男子が喫煙し、60歳以上になると減少してくる現状である。
ホテルや飲食店では、喫煙者と禁煙者とは部屋や階数を別にしているところが多い。
米国では飛行機も電車も完全に禁煙であるが、日本ではJRについて言うと、2007年にはJR東日本では列車内の全面禁煙化が進んだ。2009年からは段階的に駅構内の全面禁煙化を進め、プラットホームでの喫煙コーナーを撤去している。2011年から新幹線「のぞみ」「ひかり」の自由席も全席禁煙となり、一部、寝台車などに「喫煙席」が残るのみである。
これに対して、日本では、日本禁煙学会が2006年に発足し、それとは別に日本禁煙科学学会も同年の2006年に誕生している。
喫煙者の死亡率…肺がん4.5倍、喉頭がん32.5倍、口腔・咽頭がん3.0倍
非喫煙者と比べた喫煙者の死亡率では、肺がんが4.5倍、喉頭がんが32.5倍、口腔・咽頭がんが3.0倍に多いことは、この方面の先達者の平山雄博士の旧国立がんセンターの疫学研究により明らかにされている。
私が民間での禁煙運動を始めたのは、今から35年も前の1977年である。私は1973年に財団法人ライフプランニングセンターを創設し、「健康は自分で守る、そのためのノウハウは財団で提供する」ことにして、減塩食ならびに自己血圧測定による高血圧や脳卒中の予防、食事と運動療法による糖尿病の予防、禁煙と高コレステロール食を制限しての心筋梗塞の予防運動を始めた。
喫煙者の禁煙方法としては、禁煙を始めた元ヘビースモーカーを禁煙決心グループに招いて、体験を語らせ、数人のグループで禁煙を実行させ、1週間日誌をつけさせ、その間の体調の変化を記載させる。この1週間の期間は私は電話により指導した。
リラックスした環境での禁煙、実行しやすい
その間に感じたことは、忙しい仕事、特に年度変わりの前の会社や役所勤め、多忙な原稿書きの仕事の最中などでは、禁煙に成功することは少なく、1週間の休暇を家族と共に取って環境をリラックスさせる機会が一番禁煙を実行しやすい。
私は、禁煙には当人の動機付けが一番大切であり、そのためには喫煙による害のデータを十分に与えることが必要だと思った。
若者の禁煙には、国家が煙草1箱(20本)の購買価格を上げるのが手っ取り早い。
煙草1箱(20本)の価格は2002年当時、ノルウェーでは948円、英国794円、米国539円、フランスは346円、それに対して日本では273円であった。現在でも、日本では主要な煙草の価格は400円台である。
「煙草1箱を1000円に」と言うことを早くも2008年に提唱されたのは、日本財団会長の笹川陽平氏であったが、日本では財務省の管轄にあって、役所は煙草栽培農家の失業を恐れて、煙草生産者を保護する実情にある。
老人に増加の慢性閉塞性肺疾患、喫煙者に非常に多い
ここで私は老人の間に慢性閉塞性肺疾患(COPD)が増加していることを特に指摘したい。この病気は喫煙者に非常に多いことから、早く禁煙させないと、年をとってのこの病気は呼吸不全を招き、患者は非常に苦しんで死ぬことは2012.1.26付けのヨミドクターに書いた通りである。
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たばこと縁を切る離煙生活に入って、8年以上。本当によかったと思う毎日です。と同時に、どうしてあんなものを四半世紀も吸っていたのかと自己嫌悪になり、いまでもたばこを吸っているひとたちの気持ちが知れません。
日野原先生がおっしゃるとおり、喫煙は百害あって一利なし。離煙してからのほうが、やせましたし、集中力も高まりました。ストレスもずいぶん減ったと思います。
本当に離煙してよかったとつくづく思います。
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