アメリカの複雑な事情を垣間見る調査結果です。
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最も健康な街と不健康な街、ともに東部の似た地域 米国
2008.11.17 Web posted at: 19:34 JST Updated - CNN/AP
米国内で「最も健康な街」と「最も不健康な街」が、米疾病対策センター(CDC)の調査で明らかになった。健康だったのはバーモント州のバーリントンで、不健康だったのはウェストバージニア州のハンティングトン。ともに東部、しかも白人が多く似た地域だが、首位と最下位という真反対の結果が出た。
「最も健康」だと評価を受けたバーリントンは、バーモント州最大の街。評価を受けた理由は、住民の92%の健康状態が「最良」もしくは「良」で、住民の運動量も多く、肥満率や糖尿病患者数なども全米最低レベルだった。
一方、同じく東部ウェストバージニア州で、ケンタッキーやオハイオと3州にまたがる都市圏を形成するハンティングトンは、「最も不健康な地域」だった。
ハンティングトンはバーリントンと同様、ドイツ系や英国系、アイルランド系の子孫が多く、白人が多数を占めている。しかし、住民の健康に対する意識は低く、運動量が少なくて肥満率が高く、喫煙率も全米で最悪の部類に入る。
それぞれを比較すると、平均年齢はバーリントンが37歳、ハンティングトンが40歳。経済的な面では、政府が「貧しい」と見なすレベルの人口はバーリントンが8%に過ぎないが、ハンティングトンは19%。また、教育面で見ると、少なくとも大学以上の学歴がある割合はバーリントンで40%近いが、ハンティングトンは15%にとどまっている。
文化的な雰囲気も大きく異なり、バーリントンではサイクリングやハイキング、スキーなど体を動かす活動が好まれており、ジョギングやウォーキングを楽しむ人々が歩道や公園などの清掃や管理を進んで手がけている。
一方ハンティングトンでは、定期的に運動する人が少ない上に、歩道が整備されておらず、車道の交通量が多いことも一因で、ジョギングやサイクリングする人は皆無。
食事の面でもバーリントンは健康的は食材を扱う店舗が多い上、低所得者層にも手が届く健康的な食材が並んでいる。しかし、ハンティングトンではファストフードを好む人々が多く、インターネットの電話帳ではピザ店数だけでも、ウェストバージニア州内にあるジムやヘルスクラブの数を上回っている。
また、喫煙率はハンティングトンでは下がりそうにない。かつて、保健当局が禁煙条例を提出したが、地元民が大反対して州最高裁で争われる事態になった。病院ですら禁煙にするのに一苦労しているという。
全米でも使用が禁止されつつあるトランス脂肪酸については、ハンティングトンではどうでもいいことのようだ。保健当局のトゥイール博士は、「この地域の人々はそういった変化とは関係なく暮らしている。自分が食べているものに関して、他人からとやかく言われたくなく、『両親や祖父母が食べてきた』という態度」と説明している。
しかし、CDCの調査報告を読んだ専門家は、住民の健康状態が悪くなっているのはハンティングトンだけではないと指摘する。南部地域ではさらに状況が悪い地域が多いが、全米規模のCDC調査では結果として見えにくいだけだと述べている。
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最も健康な街に選ばれたバーリントンは、約39000人の市民のうち92%が白人というバーモント大学のある裕福な大学町。喫煙率も低く、健康意識が高いというのもうなずけます。
われわれが「アメリカ」を想像するとき考えるのはバーリントンのような街でしょうが、実際はハンティングトンのような街の方が多いもの。
格差の目立つアメリカの複雑な事情を垣間見れる記事です。こういうことに対して、黒人大統領はどのように立ち向かうか、注目です。
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最も健康な街と不健康な街、ともに東部の似た地域 米国
2008.11.17 Web posted at: 19:34 JST Updated - CNN/AP
米国内で「最も健康な街」と「最も不健康な街」が、米疾病対策センター(CDC)の調査で明らかになった。健康だったのはバーモント州のバーリントンで、不健康だったのはウェストバージニア州のハンティングトン。ともに東部、しかも白人が多く似た地域だが、首位と最下位という真反対の結果が出た。
「最も健康」だと評価を受けたバーリントンは、バーモント州最大の街。評価を受けた理由は、住民の92%の健康状態が「最良」もしくは「良」で、住民の運動量も多く、肥満率や糖尿病患者数なども全米最低レベルだった。
一方、同じく東部ウェストバージニア州で、ケンタッキーやオハイオと3州にまたがる都市圏を形成するハンティングトンは、「最も不健康な地域」だった。
ハンティングトンはバーリントンと同様、ドイツ系や英国系、アイルランド系の子孫が多く、白人が多数を占めている。しかし、住民の健康に対する意識は低く、運動量が少なくて肥満率が高く、喫煙率も全米で最悪の部類に入る。
それぞれを比較すると、平均年齢はバーリントンが37歳、ハンティングトンが40歳。経済的な面では、政府が「貧しい」と見なすレベルの人口はバーリントンが8%に過ぎないが、ハンティングトンは19%。また、教育面で見ると、少なくとも大学以上の学歴がある割合はバーリントンで40%近いが、ハンティングトンは15%にとどまっている。
文化的な雰囲気も大きく異なり、バーリントンではサイクリングやハイキング、スキーなど体を動かす活動が好まれており、ジョギングやウォーキングを楽しむ人々が歩道や公園などの清掃や管理を進んで手がけている。
一方ハンティングトンでは、定期的に運動する人が少ない上に、歩道が整備されておらず、車道の交通量が多いことも一因で、ジョギングやサイクリングする人は皆無。
食事の面でもバーリントンは健康的は食材を扱う店舗が多い上、低所得者層にも手が届く健康的な食材が並んでいる。しかし、ハンティングトンではファストフードを好む人々が多く、インターネットの電話帳ではピザ店数だけでも、ウェストバージニア州内にあるジムやヘルスクラブの数を上回っている。
また、喫煙率はハンティングトンでは下がりそうにない。かつて、保健当局が禁煙条例を提出したが、地元民が大反対して州最高裁で争われる事態になった。病院ですら禁煙にするのに一苦労しているという。
全米でも使用が禁止されつつあるトランス脂肪酸については、ハンティングトンではどうでもいいことのようだ。保健当局のトゥイール博士は、「この地域の人々はそういった変化とは関係なく暮らしている。自分が食べているものに関して、他人からとやかく言われたくなく、『両親や祖父母が食べてきた』という態度」と説明している。
しかし、CDCの調査報告を読んだ専門家は、住民の健康状態が悪くなっているのはハンティングトンだけではないと指摘する。南部地域ではさらに状況が悪い地域が多いが、全米規模のCDC調査では結果として見えにくいだけだと述べている。
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最も健康な街に選ばれたバーリントンは、約39000人の市民のうち92%が白人というバーモント大学のある裕福な大学町。喫煙率も低く、健康意識が高いというのもうなずけます。
われわれが「アメリカ」を想像するとき考えるのはバーリントンのような街でしょうが、実際はハンティングトンのような街の方が多いもの。
格差の目立つアメリカの複雑な事情を垣間見れる記事です。こういうことに対して、黒人大統領はどのように立ち向かうか、注目です。
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