夢と希望と笑いと涙の英語塾

INDECという名の東京高田馬場にある英語塾で繰り広げられる笑いと涙の物語
新入会員募集中!

今日は、世界禁煙デー、「ケムラン」で外食先を選んでみては

2018年05月31日 05時20分57秒 | 離煙ニュース: 国内編

応援します。

**********

「完全禁煙」飲食店の検索サイトを医療関係者らが始めた理由
ダイヤモンド・オンライン 2018年5月30日 福原麻希 :医療ジャーナリスト

明日(5月31日)は世界禁煙デー。今春、健康増進法改正の受動喫煙対策について、飲食店への規制は「客席100平方メートル以下では喫煙を認める」と閣議決定された。受動喫煙対策に賛同する人たちから深いため息が漏れる中、医療関係の研究者グループが「私たちは煙がない環境でおいしく食事やお酒を楽しみたい」「飲食店で働く人の健康を守りたい」と完全禁煙店を後押しする取り組みをしている。(医療ジャーナリスト 福原麻希)

全国の“ケムラン特派員”が
完全禁煙の飲食店情報を持ち寄り共有する

 完全禁煙で、おいしい飲食店を応援するサイトがある。サイトの名前は「ケムラン(煙らん)」。

 ケムランでは、実際に完全禁煙の飲食店へ足を運び、食事をした人が「おいしい!」「人に薦めたい!」と思った場合、その店を「ケムラン認定店」としてサイトに登録し、感想コメントと写真を紹介する。マップに掲載される状態になっていて、いま、200余りの飲食店が登録されている。

 サイトを主宰するのは、大阪医科大学研究支援センター准教授として勤務する伊藤ゆりさん。伊藤さんは「受動喫煙対策」や「職場の労働環境」に関心が高く、誰もが受動喫煙の害にさらされることのない社会を目指す。このアイデアに賛同した医療関係の研究者や大学教員で、大阪や東京、名古屋在住の有志が自腹で食べ飲み歩きながら、「ケムラン登録基準」をクリアした店を紹介する。

 ケムラン登録基準とは、(1)屋内全面禁煙…テラス席・外の喫煙スペースの喫煙の場合はOK。一方、店舗屋内に個室のみ、入り口のみ等のどこか一部に喫煙できるスペースがある場合は不可。(2)ランチの時間帯は喫煙不可だが、夜の時間帯は喫煙可能など、時間帯で区切る場合も不可。(3)加熱式・電子たばこも不可。(4)飲食店側にサイトへ掲載することの了承を得た、の4点。

 さらに、このサイトの特徴は、店主に「禁煙店にしたきっかけや理由」を聞いて紹介していること。特に、「開店時は喫煙可だったが、途中で禁煙にした」という店の場合は「どのように禁煙にしたか」「禁煙後の客の反応」「客足や売り上げはどう変化したか」などを丁寧に聞き取る。

 伊藤さんはサイト開設の目的をこう説明する。

「飲食店側は、禁煙にしたいと思っていても不安が残るようです。そこで、このサイトは完全禁煙店に関する情報を共有するとともに、店を紹介することで飲食店を応援していきます」。運営費用は、文部科学省科学研究費や公益財団法人大阪府成人病予防協会、成人病医学研究助成などの助成金で一部をまかなう。

 今年の世界禁煙デーの5月31日からは、活動規模を広げて、ボランティアの「ケムラン特派員」を募集することになった。全国から飲食店の情報を集める。

 どんなふうに活動しているのか。今回、伊藤さんと東京在住の運営委員で大妻女子大学家政学部(食物学科)専任講師の清原康介さんのケムラン登録活動に同行した。

全面禁煙で飲食店をオープン
理由は料理人の味覚が落ちるから

 今年度、ケムランは東京都文京区社会福祉協議会の助成金制度「Bチャレ(※)」に選ばれた。このため、いま東京は文京区で重点的に活動している。「ケムラン文京区版」をつくり、完全禁煙の店を紹介する。ケムランのサイトでも順次、文京区のケムラン認定店を紹介していく。

 この日は口コミで聞いた、文京区千駄木駅近くの「牛もつ二鷹」へ行った。完全禁煙の飲食店を探すときは、口コミや飲食店検索サイトのほか、街を歩きながら「扉に禁煙マークを貼っていないか」「店の外に灰皿がないか」等を観察するそうだ。

※Bチャレ…文京区社会福祉協議会(地域連携ステーション「フミコム」)では、地域課題解決のための事業を募集し、その事業を実践する活動を助成している。文京区の「B」とチャレンジの「チャレ」。

「牛もつ二鷹」は千駄木駅から歩いた商店街にある、もつ料理・もつ鍋の店。店内は10坪(33平米程度)で、カウンター10席、テーブル6席。カウンター席の向かいの棚には、日本酒・焼酎・ワインが並び、深夜まで営業している。客層は6:4で女性が多い。「禁煙店だから」と入ってくる客が多いという。

 伊藤さんがケムラン活動を始めるのは料理を食べ終わり、一段落たってから。会計時のこともある。料理がおいしく、店の雰囲気もいいので「友人にお薦めしたいな」と思ったところで、店主や店員と雑談する。伊藤さんは「このお店、全面禁煙ですよね。お店がオープンしたときからですか」と切り出し、「どうして禁煙店を始めたのか」と、その理由を聞き出す。

 今回訪問した「牛もつ二鷹」の場合は、1号店の割烹店「一富士」とともに「店長が非喫煙者のため、吸わない人を大事にしたいと思って、オープン時から全面禁煙店で始めた」という。

 このほか、これまでのケムラン活動で店側は「おいしい料理にたばこの煙は不要だから」「ワインをメインに出すから」「店が狭いから」「料理人がたばこの煙で味がわからなくなるから」という理由で全面禁煙店を始めたと回答した。店主が喫煙者でも、社会の動向を意識して「これからの飲食店は禁煙店でしょう」と話していた人もいたという。

 失敗例を聞くこともある。

「店がオープンしてすぐのときは、店主も不安なので、『客から吸えないのかと言われ、帰ってしまった』等の経験が続くと、断念してしまうようです。特に、オフィス街は難しい印象ですね。でも、数ヵ月たつと落ち着くとも聞きます」と伊藤さんは話す。

途中で禁煙に移行した店の理由は
店主が体を壊したからという話も

 一方、飲食店がオープンしたときは喫煙可能で、途中から禁煙店にしたという場合は、「いつからですか」「お客さんの反応はどうですか」「客足や売り上げは変化しましたか」など、これから禁煙店にしたい飲食店が参考になるような話を聞く。

「途中で禁煙店に変えた理由」では、例えば「たばこを吸わない人が煙に対してイヤな顔をするから」「周囲に禁煙店が増えてきて、家族連れも多いから」「分煙だったが、完全禁煙に」などの話があったという。

 伊藤さんは「店は地域マーケティングをする」と言う。「いま来店しているお客さんのうち、何割が来なくなるか、新規客はどのくらい来るかを想定し、てんびんにかけています。どのお店も最初は不安で、試行錯誤するようで、『1年ぐらい、近隣の店を見て回りながら考えていた』という声も聞きました」

 店主が体を壊して、医師に“究極の選択”を迫られたこともあったという。

「ある町の中華料理店は深夜までお酒を出していました。店のおかみさんが1人で切り盛りしていたが、せきが止まらなくなり、医師から『店の営業をやめるか、店を禁煙にするか』と言われたそうです」(伊藤さん)

 店主が体調を崩したという話は、他店でも聞いたという。「お客さんにとってはその時間だけのことですが、店主や従業員にとっては、その毎日が何年も続くわけですからつらいことです」(同)

 仕事を変える、店をたたむというのは、当事者にとって、なかなか難しい。家業の場合はつぶすわけにもいかない。

 喫煙店から禁煙店にするタイミングも悩みの1つ。「今年の正月明けから」「4月1日から」「リニューアルオープンから」と区切りのいい日に踏み切ることが多いそうだ。そのとき、店側の配慮で、「常連には一言、話しておく」という。

 禁煙後の売り上げについては、「一度、売り上げが落ちたが、新規客も増えるので、結果的には変わらないようです。あるいは、客単価が上がったというお店もありました」(同)

 このほかにも禁煙に移行したことで、「焼き鳥店では、バイトの女性が髪の毛や洋服がたばこ臭くなくなり喜んでいた」「店のエアコンを掃除したら、すごくきれいで驚いた」という話も出たそうだ。

 飲食店側からケムランサイトに「禁煙で店を始めるかどうか悩んでいる」と相談のメールが来ることもあった。

 このような雑談を通して、ケムラン認定条件を4点ともクリアしていた場合、伊藤さんらはケムラン活動を説明し、「サイトに登録してもいいか」、店側の承諾を得る。サイト登録時は、簡単な店の推薦文を書き、店の内観や外観、料理の写真をスマホで撮っておき掲載する。

 ケムランに登録する活動は参加者が楽しんだ記録を共有する面もあるので、飲食費は自腹で支払ってもらう。「味がイマイチ」「店員の態度がよくない」等を感じたら、ケムラン認定せずサイトに登録しない。店からも掲載料を取らず、話を聞いたことによる謝礼の支払いもない。

日本は店主が個人で経営努力
世界の流れとの大きな乖離

 伊藤さんがケムランの活動を始めたきっかけは、備忘録代わりに気に入った禁煙の店をフェイスブックで紹介し始めたことだった。周囲が投稿に「いいね!」をクリックしたり、シェアをしたりしているうちに、趣味が高じてサイトを開設するまでになった。

 伊藤さんは「酒飲みで食べ歩くことが好き。食事をするときはタバコの煙のない店で、おいしさを味わいたいと強く思うタイプなので、禁煙店を応援したいと思いました」と言う。

 伊藤さんがたばこに高い関心を持つのは、仕事で公衆衛生分野の研究をしているからだ。がんになった患者が病院を通して国に登録するデータから、がん対策に必要な統計データを作成する。

 この日、一緒にケムランの活動をしていた清原さんは父親が49歳のとき、肺がんで亡くなったことをきっかけに喫煙をやめたそうだ。父親はヘビースモーカーだったという。その影響もあり、仕事でたばこ関連の研究にも取り組んだ。清原さんはこう指摘する。

「アメリカでは州ごとに禁煙条例が定められ、罰則規定(ニューヨーク州の場合、個人は最高100ドル、小売店は200~400ドルの罰金)もあります。ニューヨーク州は規制導入後、飲食店への売り上げの影響はないというデータが出ていますが、地域全体が同一規制にかかっていることも影響あるでしょう。日本では飲食店の店主が個人で努力しなければならないというところに問題があるように感じます」

 すでに、全国の自治体によっては受動喫煙防止条例が制定されている。東京都も受動喫煙から人を守る観点で「従業員のいる飲食店では原則、屋内禁煙(罰則付き)」を提案した。

 このように、全面禁煙店が地域に広がり根付くためには、やはり「義務化」が大きなきっかけになることだろう。でも、法制定を待っているだけでなく、ケムランのような市民参加型の「いま、できることをする」活動が時代の流れをつくり、政策を後押ししていく。

**********

ケムラン公式サイト:https://quemlin.com/

いいですねえ。政治家に自分の生命と健康を任せられない日本では、受動喫煙被害を防ぐには個人の努力しかありません。その意味で、ケムランは大いに助かります。

しかも、面白いのは、単に全面禁煙の飲食店を紹介するのではなくて、「ミシュラン」のごとく、ケムラン特派員が料理の美味しさとサービスのよさを認めないと載せないという点です。ゆえに、完全禁煙店はもっとあるのに、その中からーー特派員の主観ではありますがーー選りすぐった店しか紹介していません。これには賛否もあるでしょうが、ひとつの飲食店ガイドとして十分に参考になります。

外食をほとんどしない貧乏英語塾長でも、たまには外食したくなる時があります。そんなときには、ケムランを参考に、行く店を決めることにします。特に、両親の墓参りに大阪に行くことが1年に1度あるので、そのときには使わせてもらいます。

伊藤先生、ケムラン特派員のみなさん、そして完全禁煙飲食店の経営者のみなさん、がんばってください。こうして助かる人間が現にいるのですから。


コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« フランスの喫煙率が低下して... | トップ | 地方議会は煙まみれ、32都道... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ドナルド)
2018-06-14 07:46:38
アメリカはオピオイド乱用で非常事態宣言が出されております。

トヨタに役員待遇で日本に来た米国人女性が、やはり日本では麻薬扱いの鎮痛剤を持ち込み拘束されました。
返信する

コメントを投稿

離煙ニュース: 国内編」カテゴリの最新記事