表題は西出町浮ドッグ群ですが、昔はもっと有ったようですが現在では浮ドックは1.5基しか有りません。しかし今も船
の修理の町であることには変わりはありません。浮ドックの他、船の修理用の台船があります。
西出町には「高田屋嘉兵衛本店の地記念碑」と「高田屋嘉兵衛顕彰碑」(屋敷跡の入江小学校校門にあったが学校の統廃合
により竹尾稲荷神社境内に移設)がありますが造船との関係はどうだったのでしょうか。築島橋の南、中央市場の向かい側
が船大工町で江戸時代は海に面しており造船場があったと考えられます。西出町の浜は神戸の浜とともには冬の間の北前船
の引き揚げ場所としてと名前が出て来ます。北前船は3月頃に出発、各地で商売をしなが日本海沿いに北海道に行きます。逆
のコースで大坂に11月に帰ってきます。冬の間は浜に引き揚げられて養生されます。船員は故郷でお正月を祝います。
若林秀岳(天保10年1839~大正4年1915)は神戸生まれの画家で旧記や自らの記憶基づき失われた江戸末期の
兵庫・神戸の風景をたくさんの絵画で残しています。岡方倶楽部にある「武庫連山海陸古覧」のコピーには西出町の浜と
ハーバーランド(高浜岸壁)あたりの陸上に大型船が描かれています。同氏の「神戸覧古(上・下)」は神戸市立中央図書館
貴重資料デジタルアーカイブで百余枚の絵をすべて見ることが出来ます。「高浜船登し」は千石船を六台の轆轤と大勢の人
で浜に引き揚げている様子と引き揚げられ藁?で養生された多数の千石船が描かれています。浜に引き揚げられた千石船は
当時の冬の風物誌として定着していたのでしょう。「造船場」の絵は進捗状況の違う数隻の建造中の船が描き分けられてい
ます。この三枚を合わせてみると「武庫連山海陸古覧」の船は明らかに「造船場」であると思われます。
造船場の遺跡は全国的に殆ど発見されていません。江戸時代の浜辺が開発により消滅したこともありますが近代的な造船所
と異なり和船の造船場は進水させるに適した砂浜で板を組み合わせて船を造るだけのもので遺物として残るものが何もない
簡単なものでした。冬の間浜に引き揚げた船は当然修理も必要だと思いますので同じ所に造船場があるのが自然だとおもわれ
ます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/b1/0c69390bf27f86fd5646482e726dd567.jpg)
キャナルタウンウエスト7号棟2階にある管理サービスの前にある案内パネルです。展覧会の絵の定番スポットと説明が
ありますが今も時折、イーゼルを立てて写生をしている画伯がおられます。かってサンパルに市民ギャラリーが2カ所も
あって色々な団体が競って展覧会を開催していた頃はいつも浮ドックの絵を見ることが出来ました。写真右は西出町の浮ド
ックから見たキャナルタウンです。電柱の後ろがキャナルタウンウエスト7号棟です。
兵庫突堤(中央市場)から見た浮ドック群です。写真左は西出町、写真右は東出町の川崎重工神戸工場の浮ドッグとな
ります。
鹿瀬造船
一番西のドックです。実は西半分が七宮町、東半分が西出町になります。ドックは海に浮いていますが行政区画は設定さ
れています。浮ドックが1.5基の理由です。
ドッグに船があるとき。 ドックに船がないとき。
新神戸ドッグ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/2a/a3ed102c03af7c1c07ae263787ce65c5.jpg)
ドッグに船があるとき。 ドッグに船がないとき。
新大宝は兵庫県南あわじ市の大宝海運有限会社所属の総トン数435トンの貨物船です。
川崎重工神戸工場№3ドック
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/de/68c305ef5f523605676b7abbeeef1c25.jpg)
ドッグに船があるとき。 ドックに船がないとき。
川崎重工神戸工場№2ドック
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/96/ee8ecc0510a493c739415fc714608510.jpg)
潜水艦専用のドックで機密保持のため目隠しがあって、船のあるなしはわかりません。
分かっていただけると思いますが「蓬莱の豚まん」のノリでお願いします。
入渠から出渠まで
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/71/57b6a7b88a0b18c0192781db4112c556.jpg)
船が入渠したら浮ドック内の水を排水して浮き上がらせます。浮き上がると同時に高圧洗浄で清掃がはじまります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/69/8b2f141c89d59aae57203e9b838a03a0.jpg)
船体の塗り替えと整備が終わると再び浮ドック内に注水してドッグを沈めます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/72/bf47fe893f5191235583537277de32e4.jpg)
曳船を使って船を引き出します。
第八海栄丸は総トン数498トン、大阪市大正区の海洋開発興業株式会社所属の貨物兼砂利運搬船です。
西出町の浮ドッグ群は道路の防潮堤の開口部から見える程度です。一般車両や作業車の通行がありますので十分ご注意くだ
さい。又、兵庫突堤は大型トラックが多く危険です。
の修理の町であることには変わりはありません。浮ドックの他、船の修理用の台船があります。
西出町には「高田屋嘉兵衛本店の地記念碑」と「高田屋嘉兵衛顕彰碑」(屋敷跡の入江小学校校門にあったが学校の統廃合
により竹尾稲荷神社境内に移設)がありますが造船との関係はどうだったのでしょうか。築島橋の南、中央市場の向かい側
が船大工町で江戸時代は海に面しており造船場があったと考えられます。西出町の浜は神戸の浜とともには冬の間の北前船
の引き揚げ場所としてと名前が出て来ます。北前船は3月頃に出発、各地で商売をしなが日本海沿いに北海道に行きます。逆
のコースで大坂に11月に帰ってきます。冬の間は浜に引き揚げられて養生されます。船員は故郷でお正月を祝います。
若林秀岳(天保10年1839~大正4年1915)は神戸生まれの画家で旧記や自らの記憶基づき失われた江戸末期の
兵庫・神戸の風景をたくさんの絵画で残しています。岡方倶楽部にある「武庫連山海陸古覧」のコピーには西出町の浜と
ハーバーランド(高浜岸壁)あたりの陸上に大型船が描かれています。同氏の「神戸覧古(上・下)」は神戸市立中央図書館
貴重資料デジタルアーカイブで百余枚の絵をすべて見ることが出来ます。「高浜船登し」は千石船を六台の轆轤と大勢の人
で浜に引き揚げている様子と引き揚げられ藁?で養生された多数の千石船が描かれています。浜に引き揚げられた千石船は
当時の冬の風物誌として定着していたのでしょう。「造船場」の絵は進捗状況の違う数隻の建造中の船が描き分けられてい
ます。この三枚を合わせてみると「武庫連山海陸古覧」の船は明らかに「造船場」であると思われます。
造船場の遺跡は全国的に殆ど発見されていません。江戸時代の浜辺が開発により消滅したこともありますが近代的な造船所
と異なり和船の造船場は進水させるに適した砂浜で板を組み合わせて船を造るだけのもので遺物として残るものが何もない
簡単なものでした。冬の間浜に引き揚げた船は当然修理も必要だと思いますので同じ所に造船場があるのが自然だとおもわれ
ます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/3b/4bd1e38c19aaf450db88832811a8b517.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/b1/0c69390bf27f86fd5646482e726dd567.jpg)
キャナルタウンウエスト7号棟2階にある管理サービスの前にある案内パネルです。展覧会の絵の定番スポットと説明が
ありますが今も時折、イーゼルを立てて写生をしている画伯がおられます。かってサンパルに市民ギャラリーが2カ所も
あって色々な団体が競って展覧会を開催していた頃はいつも浮ドックの絵を見ることが出来ました。写真右は西出町の浮ド
ックから見たキャナルタウンです。電柱の後ろがキャナルタウンウエスト7号棟です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/88/26e272ca883aa4ba9df0d087bc168d74.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/24/c4df6a8c7f114915d5ef549ad648d550.jpg)
兵庫突堤(中央市場)から見た浮ドック群です。写真左は西出町、写真右は東出町の川崎重工神戸工場の浮ドッグとな
ります。
鹿瀬造船
一番西のドックです。実は西半分が七宮町、東半分が西出町になります。ドックは海に浮いていますが行政区画は設定さ
れています。浮ドックが1.5基の理由です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/94/bd094a773b9719260f7d19d1a61b35ca.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/31/0295bb8cb91b474f17e72b4e0f8a5351.jpg)
ドッグに船があるとき。 ドックに船がないとき。
新神戸ドッグ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/f0/b31b82429c3e7ca390f3b70215b5eca6.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/2a/a3ed102c03af7c1c07ae263787ce65c5.jpg)
ドッグに船があるとき。 ドッグに船がないとき。
新大宝は兵庫県南あわじ市の大宝海運有限会社所属の総トン数435トンの貨物船です。
川崎重工神戸工場№3ドック
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/7c/44b73f1b841c9fdc03e3b19d35592089.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/de/68c305ef5f523605676b7abbeeef1c25.jpg)
ドッグに船があるとき。 ドックに船がないとき。
川崎重工神戸工場№2ドック
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/8f/2e0fca6b0097e128b26c6b9036ad0dcd.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/96/ee8ecc0510a493c739415fc714608510.jpg)
潜水艦専用のドックで機密保持のため目隠しがあって、船のあるなしはわかりません。
分かっていただけると思いますが「蓬莱の豚まん」のノリでお願いします。
入渠から出渠まで
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/f6/05ef8c5483e1875d438bffb040340818.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/71/57b6a7b88a0b18c0192781db4112c556.jpg)
船が入渠したら浮ドック内の水を排水して浮き上がらせます。浮き上がると同時に高圧洗浄で清掃がはじまります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/61/a6a5a8aab9e1f31ad0aac922a2a798d8.jpg)
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船体の塗り替えと整備が終わると再び浮ドック内に注水してドッグを沈めます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/96/26b8ffc4aed7fc54dcce7a8089fd8913.jpg)
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曳船を使って船を引き出します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/58/5a514fbe9f1596912a568205bf4e4c12.jpg)
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第八海栄丸は総トン数498トン、大阪市大正区の海洋開発興業株式会社所属の貨物兼砂利運搬船です。
西出町の浮ドッグ群は道路の防潮堤の開口部から見える程度です。一般車両や作業車の通行がありますので十分ご注意くだ
さい。又、兵庫突堤は大型トラックが多く危険です。