忍之閻魔帳

ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)。
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「呪怨」初心者向けのベストアルバム「THE JUON」

2005年02月07日 | 作品紹介(映画・ドラマ)

■DVD:「THE JUON 呪怨」


海外で評価されると、もうそれだけで凄いと思い込む日本人は多い。
一部のファンから熱狂的な支持を受けつつも興行的には失敗した作品が、
海外で評価された途端に日本でも絶賛というやつだ。
昨年夏に公開され、公開当初は長蛇の列が出来ていた
「誰も知らない」などはその典型だろう。
(この作品の場合は公開前に海外で評価されたのだが)
あの作品が悪いわけでは決して無いが、
主演の柳楽優弥がカンヌを穫っていなければ
あれほどのロングランにもならなかったであろうし、
これほど多くの賞も受賞していなかったはずだ。

最近、同じ騒がれ方をしているように思えるのが「呪怨」である。
清水崇の手掛ける同シリーズを「学校の怪談G」内の短編作品
「4444444444」「片隅」の頃からずっと追い続けてきた私にとって、
今回のハリウッド進出は嬉しい反面、少し寂しかったりもする。
下手なサービス精神でアメリカンなホラーになっていないか不安であったが、
清水崇はハリウッドに行っても清水崇のままであった。

今回の「THE JUON」は劇場版の「1」をベースにしているので
主演のサラは奥菜恵だと思ってまず間違いない。
最初のうちは日本版との類似点や変更点ばかりが気になって
なかなか映画の中に入って行けなかったのだが、
清水監督の目指すところが見えてきたあたりから俄然面白くなった。
これは清水監督自らがセレクトした「呪怨」のベストアルバムなのだ。
よくあるではないか、アーティスト自らが選曲したベストアルバムというのが。
今回のハリウッド版には、
ビデオ版「1」「2」や劇場版の「2」に収録されていたエピソードや、
パンフレットに記載のあった裏設定など、
知っているとより楽しめる「呪怨」の小ネタを惜しげもなく詰め込んでいる。
日本版は劇場版の「1」しか観ていないというファンも、
このハリウッド版を観れば佐伯家にまつわる一連の事件を把握出来るはずだ。

伽ヤ子の恋愛をクローズアップしてみたり、
主人公が行動を共にするのが女友達から恋人に変わっていたりと、
ハリウッドらしい恋愛部分の強化はあるが、
原作のイメージを壊すことなくアレンジしてあるのも上手い。

日本版を全て観ているファンには食い足りない部分もあろうが、
これが「呪怨」のベストアルバムと思えばそれも合点がいくのではないか。
ベスト版から入ってオリジナルを聞き始めるファンも多いように、
このハリウッド版から日本版の「呪怨」に入っていくファンが増えれば良しとしよう。
今回が「呪怨」初体験という人なら恐さは保証出来る。
ちなみに、清水監督の粋なはからいにより、
日本公開版のみ恐怖シーンが追加されたディレクターズカット版らしい。
いわゆる「ボーナストラック入り」である。

最後に、ハリウッド版に素顔で出演できた藤貴子(伽ヤ子役)に
「良かったね」という言葉を贈りたい。
素顔を知らない人が大半だと思うが、実はけっこう可愛い人なのだ。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
  タイトル:THE JUON 呪怨
    配給:日本ヘラルド、クロックワークス
   公開日:2005年2月11日
    製作;サム・ライミ(「死霊のはらわた」「スパイダーマン」)
    監督:清水崇(「呪怨」「呪怨2」)
   出演者:サラ・ミッシェル・ゲラー(「スクリーム2」)他
 公式サイト:http://www.thejuon.com/flash.html
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
コメント (12)
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