忍之閻魔帳

ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)。
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「あずみ2」は平成の「スケバン刑事2」だ

2005年02月21日 | 作品紹介(映画・ドラマ)

■DVD:「あずみ2」


小山ゆうの「あずみ」が映画化されると聞いた時は、
はっきり言って喜びよりも不安の方が大きかった。
主人公・あずみの背負う使命の重さや、
刺客として生きる中で時折見せる微妙な感情の「揺れ」を
果たして実写(上戸彩)で出せるのだろうかと。

出来上がった映画は、北村龍平の腕前披露と言うか、
ストーリーよりもアクション重視に仕上げられていた。
美女丸を演じたオダギリジョーに救われている部分も大きいが、
コミック原作の映画化としては及第だろう。
少なくとも、日本中の映画ファンが揺れに揺れた
「デビルマン」よりは1000倍マシだったように思う。

さて、2年振りに届けられた続編だが、
これは「スケバン刑事2 少女鉄仮面伝説」である。
と言っても、
あずみの武器が刀からヨーヨーに代わったわけではない。
一人称が「オレ」から「わて」になったわけでもない。
原作に対する制作者からの愛情表現が似ているのだ。
「スケバン刑事」の原作者である和田慎二は、
斉藤由貴が麻宮サキを演じたドラマ版「1」の出来が
かなり不満だったと文庫本の巻末に書いている。
一応原作通りのストーリーをなぞってはいるが、それだけだと。
しかし、主人公が学生刑事であり、武器がヨーヨーである、
という2点のみを必須条件に提示して
後は好き勝手にどうぞと任せた「2」は
和田本人も熱狂するほどのお気に入りだったらしい。
そこに居る麻宮サキは、顔に妙な鉄仮面はつけているし、
怪しげな土佐弁を使ってはいるが、間違いなく麻宮サキであったと。

同じことが本作にも言える。
監督を務めた金子修介は、
「女の子を可愛く撮るのが好き」と公言しているだけあり、
あずみの心の内にスポットを当て、ストーリーの流れの中で
あずみの心情がどう変化しているかにウエイトを置いている。
このアプローチを小山ゆうがどう思うのかは分からないが、
80年代に量産されたアイドル+戦隊モノのドラマや映画を
いくつも観て来た私にとっては、
何とも懐かしい香りの漂う映画であった。

アイドル映画に欠かせないほのかなラブストーリーも、
戦隊モノに欠かせない演出過多な悪役も、
必要な要素は一揃え入っている。
前作ほどアクションシーンでの見せ場はないが、
「バイオハザード」や「LOVERS」をチープにしたような
演出もチラホラと見えるので、元ネタ探しをするのも一興だ。
ただ、洋画から持ってくるのであれば、
栗山千明の武器はゴーゴーボールにして欲しかった。

今回の見所は「キルビルvol.1」で怪演を見せた栗山千明と、
ビジンダーかダイアナンAかと見まごう衣装に身を包み、
「極妻」ばりの啖呵を切る高島礼子だろう。
思い返してみれば、印象に残ったのは全て女性、
さすがは金子監督である。

安っぽいのは確かなので、その辺は覚悟しておくように。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
  タイトル:あずみ2 Death or Love
    配給:東宝
   公開日:2005年3月12日
    監督:金子修介(「平成ガメラシリーズ」)
   出演者:上戸彩、栗山千明、小栗旬、高島礼子他
 公式サイト:http://www.azumi2.jp/index.html
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
コメント (20)
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