▼ロメロからの遺言。映画「ランド・オブ・ザ・デッド」
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ジョージ・A・ロメロ。
1940年生まれの65歳。
彼が「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」を手掛けたのが1968年。
「ゾンビ」の完成はそれからさらに10年後の1978年である。
1985年の「死霊のえじき」でゾンビシリーズは完結となるのだが、
20年が経過した2005年に、何故ロメロは再びゾンビ映画を手掛けようと思ったのだろう。
リメイク作である「ドーン・オブ・ザ・デッド」の出来の悪さに
業を煮やしたのだろうか、などなど、色々と考えつつ観たのだが・・・
観終わってみて、これはロメロの遺言なのではないかと思った。
「ゾンビ」の公開後、実に様々な形で発展していったホラー映画というジャンルや
「ゾンビ」に強く影響を受けたと思われる「バイオハザード」を始めとする数々のコンピューターゲーム。
そこで描かれているゾンビは、皆「ゾンビ」を手本にし、「ゾンビ」を超えるつもりで
制作されたのだろうとは思うが、「ゾンビ」の何を超えようとしていたのかに関して
大事な点を見落としていたような気がする。
乱暴に括ってしまえば、後続の「ゾンビ」関連作品は、ゾンビの残虐性を高めただけの作品ばかりなのだ。
正統な後継者であるはずの「ドーン・オブ・ザ・デッド」までもが同じ轍を踏んだ時点で
ロメロは立ち上がる決意をしたのかも知れない。
「これではイカン」と。
映画「ランド・オブ・ザ・デッド」は、ゾンビという異形の生き物で注意を引いておきながら、
実は人間の醜さを皮肉ってみせるというロメロ節が健在の、メッセージ性の強い内容になっている。
1978年の「ゾンビ」では、食欲に従って行動しているだけの野生動物に近かったゾンビ達が
本作では確実に進化を遂げている。
それは突然変異的な劇的な進化ではなく、赤子がはいはいから立ち上がり、
片言の単語を発するに至る程度のささやかな進化ではあるのだが、
ひとつ学習する度に、ゾンビはどんどん人間に近づいていくのだ。
「武器を持つこと」や「空腹を満たす以外にも命を奪うこと」を知っていくゾンビ達と、
そのゾンビ達の上をいこうとする人間達とのコントラストは「これぞロメロ!」と思わせる見事な構成になっている。
ただ残念なのは、時代設定がいつなのか今ひとつはっきりしないことだ。
「ゾンビ」で人間達が立て籠っていたデパートにあたる超高層ビルや
ミサイル搭載車などを見る限り、現代か近未来あたりかとも思えるのだが、
「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」の設定は公開年と同じ1968年である。
あれから40年間、このような状況がずっと続いていたとは考えにくい。
完全な続編として制作されているなら、時代設定はいつ、とはっきりさせて欲しかった。
とはいえ、「28日後」や「ドーン・オブ・ザ・デッド」などの
ゾンビ物に不満を抱いていたファンであれば充分楽しめる内容になっている。
正直「ゾンビ」のインパクトは超えていないが、それでもこれだけ強いメッセージを持った作品を
還暦を超えて送り出してきたロメロのパワフルさには脱帽だ。
ホラー映画ファンなら必見の1本であろう。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
タイトル:ランド・オブ・ザ・デッド
配給:UIP
公開日:2005年8月27日
監督:ジョージ・A・ロメロ
出演:サイモン・ベイカー、デニス・ホッパー、他
公式サイト:http://www.lotd-movie.jp/top.html
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
読んでいてとても興味がわいたので
見に行く予\定にしてるんですが、
紹介されているシリーズ作品はどれも見たことがありません。
見てたらもっと楽しめますかね?
良かったら教えて下さい。
実は、去年も同じ賭けを「ドーン・オブ・ザデッド」でしたのですが、見事に負けました。w
その前の年は「バイオハザードⅡ」さらにその前は「バイオハザード」・・・ってゾンビものしか見てないな、俺。
いや、他ももちろん見るんですが、3枚しかないカードのうち、必ず1枚をゾンビで切るってのが我ながら不思議です。w
ところで、「ハウス・オブ・ザデッド」見た方。
いかがでした~?
感想聞かせて~
(根っからゾンビ好きw)
ホラー映画として見れば下の下の下です。全く怖くない。
(まあ近年のゾンビ映画は総じて怖く無いんですが…)
アクション映画としてならまあ見れなくも無いです。もちろんB級以下ですが。
見てる我々が怖くない上に、中の人間たちも怖がらないのが最悪。
「ロメロの映画みたいに~」とか言う知識があるくせに
頭狙わない、かまれた仲間を放置する。
さらに武器を手にしたとたんに全員マトリックス風大活躍。
どこからそんな自信がわくのか解らないけど
「ここは私に任せて!」なんて
まるでジャンプのマンガのような展開。
でも自分が一番イヤだったのはたまに突然ゲーム画面を見せる演出。興ざめ。
でもまあ、ゾンビ好きなら話の種に見ておいてもいいかも。もちろんレンタルで。
「ランド~」早く見たいなぁ。でも字幕嫌いな自分はDVD待ち。
長々とすいません。
今度はゾンビが知能を持っている。
とは言え、ロメロ監督が立ち上がっただけに期待は出来ます。
ホラー映画は大好きなので見逃せないですね♪
ランド~でゾンビ映画に初めて触れる人は
ゴブリンの音楽って言っても分からないんだろうな~
ロメロのゾンビは全部音楽が違いますから、「死霊のはらわた」からの人だってゴブリン知らないかもです。
>ゾンビ初心者殿
ううむ、私としては「ゾンビ」だけでも
見ておくことをお勧めする。
「死霊のえじき」はどちらでも良い。
「ドーン・オブ・ザ・デッド」は
「ゾンビ」と本作を見た後に見れば
何が足りないのかが良く分かると思う。
>まんもす殿
うむ、初代「ゾンビ」は傑作だな。
>穂高殿
「死霊のえじき」を劇場でとはなかなか。
私は横溝正史シリーズが死ぬほど嫌いだったのだが
結果的にほとんど劇場で観た。泣きながら。
>三つ子殿
ううむ、私の中ではやはり初代「ゾンビ」か、
「死霊のはらわた」が思い入れが強い。
世代的には「死霊のはらわた」がど真ん中なのだが。
ちなみに、正確にはゾンビ映画とは言えないのだが、
最近公開になった「キャビンフィーバー」という映画は
かなりクラシカルなテイストのホラーなので
「ゾンビ」系がお好きな方にもお勧めだ。
「ゾンビ手帖」http://www.rr.iij4u.or.jp/~django/
こちらはかなり詳しいので参考にされては如何か。
>りす殿
ううむ、「ハウス・オブ・ザ・デッド」は
ゲームは楽しいのだが、映画ははっきり言って駄目だと思う。
>NC殿
私はゲーム画面を挿入する意図が全くわからなかった。
いくらゲーム原作でもあれはやってはいかんと思うのだが。
>ひでぽん殿
私は知識を持っているゾンビというのもアリだと思った。
人が化け物になり、化け物が人になっていく、という
進化の交錯こそが本作の醍醐味ではないか。
「ゾンビ」至上主義者にはどうか分からないが、
「ゾンビ」愛好家レベルであれば充分楽しめると思う。
でもこれ見て『あ、見たいかも』と思ってしまった自分デスw