▼DVD「りりィに会いたい」それでも埋まらない寂しさを抱いて
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2016年に亡くなった、歌手であり女優のりりィのライブ映像集が没後6年を経て発売。
女優として「半沢直樹」「リップヴァンウィンクルの花嫁」「湯を沸かすほどの熱い愛」など
数多くのドラマや映画で名バイプレーヤーとして活躍した彼女なので
知らない方も多いかも知れないが、デビューはシンガーソングライターで、
晩年まで音楽活動を並行して続けていた。
1999年からはギターの齊藤洋士とのユニット「りりィ+洋士」を結成し、
病気発覚によりライブを中止せざるを得なくなるまで二人三脚で活動を続けた。
本作は撮影監督の高間賢治がりりィのライブを鑑賞して惚れ込み、
本人の許可を得た上で各地で撮影したライブ映像をDVD化にあたり編集したもの。
使用された映像素材は、2013年から2015年までに開催された全4公演。
全て自費を投じて撮影・保存されいたとのこと。
定番の「私は泣いています」「オレンジ村から春へ」「ジュン」など全14曲が収録されている。
シンガーソングライター・りりィとして初のライブ作品でもあり、
同時に遺作にもなってしまったことは残念だが、
この映像が世に出たことを鑑賞後の今は素直に感謝したい。
YouTubeに上がっている動画だけでは埋まらない喪失感の処方箋として
DVDを購入したはずが、ライブの中のりりィが穏やかな笑顔で歌い、
円熟味を増す歌声が素晴らしければ素晴らしいほど
この歌声や笑顔がもう見られないのだという気持ちが強くなり、
ラストの「オレンジ村から春へ」が終わった途端に結局また寂しくなった。
きっと私は、寂しくなってはDVDを手に取り、会いたくなっては再生しを繰り返すのだと思う。
今でも毎年誕生日には写真を添えて祝福し、「りりィを忘れないで」と呟き続けている
齊藤洋士氏のX(Twitter)には、波乱万丈の人生を送った
偉大な女性シンガー兼女優に愛された、やんちゃで温かな人柄が溢れている。
ひとりの人間として晩年を誰と過ごすか、音楽人としての後半を誰と奏でるのか、
りりィにとってそのどちらも満たしたのは世界でただひとり齊藤氏だけだったろうし
今も活躍する同世代のミュージシャンでも、これほど親密な関係を構築できている人はちょっと思いつかない。
現代には機材さえ揃っていればひとりで生み出せる音楽も多いが
私はやはり、血の通った人間同士が奏でてこそ生まれる「りりィ+洋士」のような音楽により惹かれる。
りりィの歌に何度か触れたことのある方なら、是非とも手に取っていただきたい。
DVD「りりィに会いたい」は現在発売中。
●2016年11月13日「りりィが逝った」執筆者:寺本幸司
●りりィさん急死…4月から肺がん闘病 義娘・ドリカム吉田ら看取る
【2024年2月追記】
2024年2月16日公開■邦画:りりィ 私は泣いています
DVD発売から1年半、ライブ映像に所縁の著名人のコメント映像や
パートナーであった齋藤洋士が最愛の人を失った喪失感から立ち上がる姿を収録した
ドキュメンタリー映画「りりィ 私は泣いています」が公開。
コメントを寄せたのは研ナオコ、豊川悦司、高橋和也、根岸季衣、山崎ハコ、岩井俊二、寺本幸司、JUON。
ほ、本当にご本人さんでしょうか(笑)
今朝、コメント欄を見て驚きました。
こちらこそありがとうございます。
私はりりィさんもですが斎藤さんのお声がすごく好きで、
りりィさんのハスキーな声との相性も抜群で
また関西に来ることがあればライブに行きたいと思いながら
叶わないままりりィさんが亡くなってしまったんです。
私のようないちファンですらそうなのですから
斎藤さんの心痛は如何許りかと思います。
関西方面にライブでお越しの際はぜひ伺おうと思っております。
まだ連日酷暑が続いておりますので、どうかお身体には気をつけて。
ありがとうございました。