かつて、農業に転身するために会社を去っていった20代後半の若者がいた。
惜別の宴で、
「ここで教わったことを、これから先に活かしていきたい」
と、おじさんを泣かせるようなあいさつをしたソイツが、15年の時を経てまたここで働いてくれるという。
「変わらんなオマエ」
「いや白髪がかなり」
思わず頭頂部に手をやったぼくは
「あるだけマシよ」
と言いかけてやめ
「また頼むわ」
頭を下げた。
別れたあとふと思い立ち
当時の写真を見返してみると
ぼくの頭頂部には既に毛がない。
「なんだオレもさほど変わってないではないか」
アタマをなでた。
惜別の宴で、
「ここで教わったことを、これから先に活かしていきたい」
と、おじさんを泣かせるようなあいさつをしたソイツが、15年の時を経てまたここで働いてくれるという。
「変わらんなオマエ」
「いや白髪がかなり」
思わず頭頂部に手をやったぼくは
「あるだけマシよ」
と言いかけてやめ
「また頼むわ」
頭を下げた。
別れたあとふと思い立ち
当時の写真を見返してみると
ぼくの頭頂部には既に毛がない。
「なんだオレもさほど変わってないではないか」
アタマをなでた。