5月16日、
あいにくの雨である。
わが「モネの庭」の営業が再開され、あたらしくなった「光の庭」が一般のお客さんに披露される初日だというのに、
あいにくの雨である。
妻といっしょに庭へとおもむき、その初日を祝おうとおもっていたところに、
あいにくの雨である。
「雨も案外いいかもよ」
「じゃ行こうか」
ゆうべのうちにそう決めてはいたのだが、思いのほかしっかりと降る雨におじけづき、とりあえず今日のところは、家のなかでそのハレの日(晴れではないけれどハレの日、雨なのだけれどハレの日)を寿ぐことにした。
自らがクリエイター兼プロデューサー兼ディレクター兼ドカター兼雑用係としてつくりあげた作品が陽の目をみる。
そう、ココロのうちはハレの日にふさわしく晴れやかだ。
もとより、公園や庭などというものは、それがつくられお披露目されたときがすなわちそのスタートのようなものであって、それが本物になるかどうかは、ひとえに、その庭や公園に日々関わっていくスタッフや庭師たちの手にかかっている。
そういう意味で言えば、わたしが「つくりあげた作品」というのは的を射た表現ではない。それを百も承知二百もガッテンのうえで、あえてこれからも「つくった」「つくりあげた」と少々自慢げに吹聴するだろう。
そこはそれ、事実「つくった」人(のひとり)にはちがいないのだもの、笑ってゆるして、だ。
2020年5月16日、新「光の庭」オープン。
あいにくの雨である。
あしたこそは、足を運んでみよう。
そして、一般のお客さんにまぎれこみ歩いてみよう。
軽く胸を張り、「どんなもんだい」とココロのうちで快哉をさけびながら。