ちばてつやの『ひねもすのたり日記』を読む。
野暮を承知であえて書くと
「ひねもす」は、「一日じゅう」。
「のたり」は、「ゆったりとしているさま」の意。
「ひねもすのたり」とつづくと与謝蕪村の
「春の海ひねもすのたりのたりかな」
という句がすぐに思い浮かぶ。
また、ちばてつや →「のたり」というと、あたりまえのように連想するのが、名作「のたり松太郎」。
一話4ページの超ショートストーリーだが、これがまた、絵といい構成といい筋立てといい、じつに味わい深い。
この妙味、なんと表現したらよいだろうと、いろんな語句をひねりだしてはみたが、やはり「味わい深い」という言葉を、それも「じつに」という副詞をあたまにつけて使うのが、いちばんしっくりとくる。
現在発行中なのは全3巻。
あっというまに読み終えたとたん、つづきが読みたくてたまらないわたしなのだ。