ダニー食堂

右往左往の日々。

隣の忍者レイディーと、塩辛と昨日のカレー

2008-11-20 | お一人様歓迎
このアパートはあたしの渡米3ヶ月前にダニーが契約した物件。
その前に隣人になるであろう隣のおばあちゃまに挨拶したんですって。

そこで彼女に言われたらしいの。
「お互い意見の違いが生じる前に付き合いをしないのが一番だと思うの」って。

「そりゃもっともな話だね。都会ならともかく島の住民には似つかわない意見だけど」って言ったらダニーはもっと話してくれたわ。

「隣人の車がピッキングに遭っているのを目撃しても『知らぬ存ぜぬ』で生活してきたニューヨーク出身」らしいって。

隣人になるかもしれない初対面の人物にそこまで潔く境界線を引くその女性にあたしは好感を持ったわけ。
「それでね」ってまだダニーの話は続いたの。
「間違いなく隣の部屋に住んでるんだけど、物音1つ聞こえないんだよ」って。

そんなわけで我々は彼女を「忍者レイディー」って呼んでて、その名の浸透度っていったら最寄のスーパーで彼女と会った時にそう呼んでしまいそうな程。
実際、義理的に礼儀正しく彼女に挨拶したところで高齢の人特有の聞いてるんだか聞いてないんだか聞こえない振りしてるんだかよく把握できない状況で無理矢理、そしてそれとなく会話を終了させる微妙な引き際なのいつも。

それなのにね。

いつも通り「本日の分」を抱えて酒屋から戻ったあたしに忍者レイディーが「ちょっとちょっと」って手招きするわけ。
しかもすごく怯えてるの。

「ゴミを出したいんだけど、見慣れない男があたしたちのゴミ箱探ってるのよ。個人情報も盗まれそうだし気味が悪いわ。まだそこにいるのよ」って、ゴミ袋抱えてオロオロしてるの。

このエリアは缶や瓶類に消費税と別に僅かながら上乗せされてて、所定の場所に持って行くとリサイクルされてそのわずかな金額が戻ってくるっていうシステムで。

完全拒絶の隣のおばあちゃんに頼られた嬉しさ半分、小銭が欲しいだけの恐らく安全であろう相手への安心感半分で
「じゃ、ちょっとここで待ってて。今あたし見てくるから」って男らしく見廻りを買って出たわけ。

実際、忍者レイディーが証言するような男は近くにいなくて「大丈夫よー」って安全確保したのが昨日の話。

そして今日の日中に外で忍者レイディーと遭遇。
昨日の今日だし少しくらい世間話でも・・・って期待したあたしが馬鹿でした。


日本じゃ下手したら百均とかに置いてるレベルの塩辛だけど何か今日は贅沢してる感じ。
他人に干渉されない時間もありがたく、人恋しくもあり。
明日のダニーの帰りが楽しみ。

ダニーに怒られる

2008-11-19 | お一人様歓迎
我が家にネット環境が整ったのはわずか数週間前の話で。
それまでは図書館にPC持ってワイヤレスサービスを利用してたの。

ダニーが乗ってるのが漁船とかなら無線なんかがあったんだろうけど、そうじゃないから携帯の電波が届かない所まで行っちゃうとEメールだけが唯一の連絡手段という(スピーチ)レス夫婦だったのよ、私たち。

せつないでしょ?

でもこれからは、わざわざ図書館に出向かなくても大丈夫。夜だっておうちから連絡が取れるんだから安心だね

ところがあたしったら、この「いつでも連絡できます」環境に甘えてうっかり返信を滞らせてたのよ。

それで今朝の電話。
あたし「おー、今どこー?中日に電話くれるなんてうれすぃー」
ダニー「今なら電波入るって誰かが言ってたから慌てて外に出てきたんだよ。一体全体昨日の晩は何してたのさ?メキシカンクラスの日だったし帰りに何かあったのかってどれだけ心配したか。。。」
あたし「え?。。。。」

ならば返信催促のメールを一通くれればいいじゃないのっていう言葉をクッとこらえて

ごめんなさい ネットに夢中でした。 


ビール飲みながら反省カレー煮込んでます。

メキシカンクラス

2008-11-18 | お一人様歓迎
火曜と木曜はメキシカンクラスの日。
会話する相手がダニーか酒屋の店員くらいな生活に色を添えようと申し込んだアダルト・エジュケーション・コース。

っぷ。
アダルトエジュケーションってなんか活字で表記するとエロいわね。

呼び名は「メキシカンクラス」だけど実際のところは「英会話教室」。
生徒が自分以外にメキシコ人、もしくはスペイン語を理解する生徒の集まりで常にスペイン語が飛び交ってるが故の話。

それが今日スペイン語圏外のロシア人夫婦が来たの。
新鮮だったわ。

やっぱりあれね。
肌の透明度からして違うの。
「紫外線?何それ?」っていう、お天道様を思う存分に浴びてる人にしかここ数ヶ月会っていなかったもんだから見入ちゃった。

「私たちウラジオストック出身だからここでは近所ね」って奥さんのオルガ。
どれだけスケールのでかい話してるのさ。

ダニーの留守2日目。
照り焼きチキンとキャベツで乾杯。






引きこもってました

2008-11-17 | お一人様歓迎
朝の6時前にダニーを4泊5日の航海に送り出してからというもの、シャワーも浴びず歯磨きしただけで1日パジャマで過ごしたダメなあたし。
更には昼寝までするという駄目っ振り。

買い置きすると全部飲んじゃうじゃない、あたしたち。
だからその日飲む分だけを求めて毎日、酒屋さんに通ってるの。

当然、引きこもってたらその日のビールはなく。
まだ携帯の電波が入る域にいるダニーが電話くれたの。

ダニー「今日の1人ご飯のメニューは何ですか?」
あたし「店主が不在なので本日、閉店です」
ダニー「でもビール飲んでるんでしょ?」
あたし「いいや」
ダニー「大丈夫?どこか悪いの?」

まさか外で一生懸命働く亭主に「あなたの出勤後、ずっと朝からパジャマでビール買いに外へ出るのも面倒くさくてー」とは言えないじゃない。

「なんか今日はあなた抜きで飲む気になれなくって・・」と可愛く言ってみる。

まんざら嘘でもないし。

明日は活動的な主婦に戻ります。




ビーフステーキ カリフォルニア巻き

2008-11-16 | 本日のおススメ
画像ナシであれなんだけど。

11月の半ばだって言うのに外は真夏日で「どうなっちゃってるんだー」状態。
「こりゃ海に行かなきゃ」ってことで公園でサンドウィッチ・ランチしてたけど速攻切り上げて 帰って着替えてビーチへ。
海辺にけっこう人はいるんだけど海水に入ってる人はごくわずかで嫌な予感。
予感的中、暑いのは外気だけで海水は足がしびれるほどの冷たさ。
結局、泳ぐことなく乾いたまま帰宅。

昼間のサンドウィッチがスナック程度だったので、海から帰ったらお腹ぺこぺこ。
水着のまま2人でビール片手に各々の調理開始。

お肉はダニーが担当。
お醤油と黒胡椒を揉み込んでガーリックパウダーも振って。
そして出してきたのがバーベキューセット。
嫌いなのよね、あたしコレ。
だって片づけが面倒くさいんだもの。
最後まで自分でやってくれれば文句無いけど第一、台所に使い勝手の良い立派な「ガスコンロ」っていうものがあるのに(しかも4口も)何かとダニーったらこのバーベキューセットを使いたがるの。

しーかーも、我が家はアパート住まいでバーベキューが出来る裏庭なんて無いもんだから彼が持ってるのは
「携帯用バーベキューセット」
キャンプ行くときなんかに持ってく道具なんだろうけど、ダニーはそれを使って玄関先でお肉焼くの、台所が室内にあるっちゅうのに。
もう意味わかんない。

何はともあれ、今日も一日お疲れ様でした。






7本の注射 その後の検診

2008-11-14 | 移民局より入荷しました
状態によっちゃもう1本打つって事だから、子供のときにやったツベリクリンみたいなものかしら。
当日は両腕が痛くて着替えもダニーに手伝ってもらったくらいだったけど、もう平気。

ダニーは来れないから私ひとり。
冷たいお茶と忘れちゃならない身分証明書なんかを確認して午後2時到着を目標に一人バスに乗る。
指紋採取の時にここのバス(の運転手)は当てにならないことを学習したからあたし必死。
3回乗り換えて何とか最寄のバス停で下車。
運転免許とGoogle両方無かったらきっとあたしは日本に帰ってたかも。

「あー、この建物この景色ダニーと来たとき車から見た見た」ってGoogle様の仰る道をずんずん歩く。

それにしても暑い。
日陰があればどれだけ楽か、お茶を持ってきて良かったーってずんずん歩く。

突き当たった。
Google様のナビによるとここが目的地。

うーそーだー(泣)

何にも無いじゃんココ。
突き当たった正面は公園になって道はないし、だだっぴろい土地の左右に無機質なデカイ建物が遠くに見えるだけ。

でも間違いなくこの周辺のハズ。
だって一昨日、来たばかりだから見覚えあるもん。
地図検索した時ちゃんと番地まで入れたのに、きっと軍の施設だからってGoogleのヤロウきちんと表記しなかったんだわ。

いったい私は右と左どちらへ行けばいいの?
「こっち側の方が何かありそうね、それにしても暑いわ」って左折した。
10分ほどして「何かありそう」の何かが巨大なスポーツジムだったことが判明。

がっかり

更に数分後、単なるディスプレイの大砲を発見。
そう、確かこれは注射の帰りにダニーと見た大砲。

この猛暑の中15分も逆へ進んでしまった(泣泣)

ゲート前に立つセキュリティのおニイちゃんを見たときどれだけホッとしたか。
「会いあたかたっよー。あんあたの顔を後30分早く見たかったねぇ」って心の中で拝みながら身分証明書を出して中へ。

時間掛けて来たのだからじっくり診てもらってもいいもんだけど、ものの3秒でチェック終了。
「え?これだけ?」って言ったらあの時いた豊満なおばちゃんが「もう1本打ってく?」だって。

小走りで退散。

炎天下の中、歩き回ったものだからすっかり体力を消耗して予定していたウィンドウショッピングもせず直帰。
っていうか見知らぬ土地で迷子になった不安の方が大きかったわ。
その日の夕食後、ダニーとテレビを見ていたところまでは記憶があるのだけど翌朝、気が付いたらちゃんとベッドで寝てた。
重くてごめんねダニー。

グリーンカレー

2008-11-14 | 本日のおススメ
日本のカレールーを使わないで作ってみたカレーがたまたま美味しかったの。
それで「そういえば!」って思い出してお台所の戸棚から出したのがこれ。

日本から持ってきた久子さんからの頂き物。
「これ辛いよ~、イッヒヒヒヒ」って言ってたっけ。


彼女の言葉通りもうね、炒めてる最中から咳きよ咳き。
「目に来るぅ」とか言ってる場合じゃないの。
粘膜そして喉の奥が刺激されて、げーほげほやりながらフライパンから顔を背けてあたし必死。

当然、換気扇パワー全開で作業してたんだけどふと思ったわけ。
「下の階のおばあちゃん大丈夫かしら?」って。

ここは全7戸だけの小さな集合住宅。
どこに付いてるか分からないけど、換気扇の出口も近くにあるはず。
こりゃ近所から苦情が来ても不思議じゃない刺激臭。

まだ十分に炒めてないけど、刺激を緩和させようと慌ててココナッツミルクと水をぶっ込んだわ。

辛いは辛いけど、お味は良かった。
でも「口が痛い」っていう辛さで私はすぐにギブ。
激辛好きダニーは満足気。
「市販のものを使わなくても作れるように今度の休みに調味料を見に行こう」とか言ってるし。

とにかく本日もお疲れ様。




1日7本

2008-11-12 | 移民局より入荷しました
どこも悪くないのにお医者さんに診て貰うなんて不甲斐ないことこの上ないんだけど。
でも、移民局からのお願いじゃ仕方ないわ。
ダニーと暮らせなくなったら嫌だもの。

「きっと健康診断程度で、やっても採血までね」
「インフルエンザの予防接種なんかお願いすればやってもらえるかもよ?」
「えー?採血と予防接種を同じ日にするなんてありえなーい。ぶったおれちゃうよ」
「そうか、ちーちゃん注射大嫌いだもんねー」
向かう車中でダニーとヘラヘラしてたわけ。

受付済ませて順番待ちしてたらダニーが書類見ながらしかめっ面。
「うーん、メディカルレコードがないちーちゃんの場合インフルエンザの予防接種は間違いないし採血は確定。大丈夫かなー。2本だよ・・・」
「まーじでー??」

個室に呼ばれて先生に「うちの旦那さんこんなこと言ってるけど、本当にインフルエンザ受けなきゃダメ?20年位前に学校でやったよ、うん間違いなくやりました」って言ったの。
先生笑いながら「そうねー、あなたの場合インフルエンザ以外にこれとあれと。。。1234・・・全部で6種類ね」

「な、なんですと?」

更には「今日3本、次回3本っていう形とってもいいわよ。あなたの場合それのが良いかも」

「何の罰ゲームなのー?第一あたしが何したっちゅうのよ。聞いてないよ。ねぇ何とかしてよー」ダニーに泣き付いたわ。

逃げ回っても取り押さえられて結局はやられるってことを盲腸の手術で学んでるから、もう自分の中では腹をくくる覚悟が出来てたの。
それでも呼吸は乱れてくるし、ダニーが先生と色々細かい話をしてるのをぽー
っと聞いてたわけ。
で、思い出したのが2週間前のユニシアの姉さんの話。

彼女のお姉さん、めでたく出産したんだけどその時のエピソード。
分娩室に主治医と見習いしかいなかったんですって。
その見習いったら、新生児のへその緒を切断せずに引っこ抜こうとしたっていうじゃない。
立ち会って撮影してたご主人が慌てて止めて事なきを得たっていうからもう驚き。
「しっかり撮れてて、それを見ちゃったものだから自分の時が不安で不安で」って出産を3月に控えたユニシアは相当ビビッてたわ。
だから是非とも病院名と医師名を併記の上でYoutubeにアップしてくれってお願いしといたわ。
被害は事前にくい止めないとね。
誰かもアメリカの医療は高いだけで腐ってるって言ってたし。

それで今回の1度に6本の予防接種、失礼なのは百も承知で聞いたわよ先生に。
「あのー、ひとつ確認したいんだけど。誰が注射してくれるの?あなた?注射には自信ある?経験はどれくらい?まさかインターンじゃないわよね?ベテランの方にお願いしたいんだけど」って。

そしたらドアの影から爆笑する声が聞こえて、初めてそこにもう一人いる事に気がついたの。
太ったおばちゃんが「大丈夫よー、この人の腕はいいから。私が保証する」って力強く言ってくれたから何か安心して「OK、じゃお願いします。6本まとめてやっちゃってください」って事に。

ベッドに横になってダニーに手を握られ励まされ、太ったおばちゃんに呼吸を整えられ体を押えられ、先生が「もう少し、あと少し、良い子ね、ほら頑張って、もうちょっと」ってまるで出産シーン。

夢なら覚めてほしかった。
マジ辛かったっす。


その後、別の建物に行くよう指示があって行くとどうやらそこは血液検査の場所らしい。
当然さっきの6本の中に採血が含まれてるって100%信じ込んでるから「あら、もう血液検査の結果が出るのね」って考えてたのは私だけで。

あたし:「え?注射はもう終わりってさっき言ったじゃない?騙したわね!」
ダニー:「注射は終わりさ。これは採血。液体を入れるのと出すのとは大きな違い」
あたし:「針は針じゃー。アホかー!」
6本打った後なだけに若干、腹も据わってきてそれほどジタバタせずに済んだけどもうたくさん。

ダニー「今晩はちーちゃんの好きなメキシカンに行こう!」
あたし「結構です」
ダニー「帰りにお買い物していこう」
あたし「結構です」

当ってごめんね。




ハロウィン

2008-11-01 | もう1品
そもそもハロウィンなんてWal-Martの経営戦略だと思ってる私たち。
まぁ子供のいる家庭ならアレだけど、ダニーとあたしにとっちゃ遠い親戚の命日くらいに無関係。

でもメキシカンクラスでマリオンに聞かれたの。
「その日ご主人おうちにいるの?」って。
ダニーが仕事で留守がちなのを知ってる彼女は気に掛けてくれたみたい。

「私は毎年お菓子を入れた器を玄関先に置いておくの。そうするとお菓子だけ持って行って誰もドアをノックしたりしないわ。」って。

あー、そうか。
旦那不在時の晩に容易にドアを開けちゃ危ないわって話ね。

おうちに帰って早速ダニーと相談。
結局私たちもマリオンと同じ戦法に。

ハロウィン用に袋詰めされたお菓子のバッグを買ってきて、大きな入れ物にガッツリそれを詰め込んでメモも貼って玄関先へ。
Happy Halloween!!
ご自由にお取りください。
そして速やかにお引き取り願います。
決してドアをノックしないように。



「ちょっとこのメッセージは子供にはきついんじゃないの?」って言いながらも翌朝帰宅したダニーはそれ見て爆笑。

違うわよ、保護者へのメッセージよ。
結局は1人も来なかった感じ。
お菓子も減ってなかったし。

ハロウィンが終って次はクリスマス。
Wal-Martの戦略はまだまだ続く。