このマンガについて多くを語ろうというつもりはありません。
ちょっとだけ昔話をしたいだけです。
子供の頃からマンガを読んでいました。
幼稚園の頃
風邪で寝込んでいたときに
母親がサンデーとマガジンを買ってきてくれたんです。
それからマンガを読み始めました。
その当時のお気に入りは
「仮面ライダー」「アゲイン」「天才バカボン」と永井豪のマンガでした。
ところがその当時の記憶に、
人間の大きさくらいのゴキブリが
刀を背負っていて
少年と一緒に家の中へ入ってくる場面が
鮮明に残っていました。
家の中から見たその姿は
シルエットでもあり暗いため
はっきりとした顔かたちは思い出せませんが、
丸い巨大な頭の形がはっきりと記憶に残っていました。
このマンガが何であるのか、
高校くらいからずっと知りたかったのです。
しかし、当時は調べる方法なんて何もありませんでした。
それから10年ほどして
梅田にまんだらけができると
古い少年サンデーが並んでいたので、
その表紙を見て調べたのですが、
何のマンガかわかりませんでした。
そのまままた10年ほど経ったんですが、
何の拍子かふとこの記憶が蘇り、
インターネットという最新技術で検索を掛けることにしたのでした。
これが2008年のことです。
とはいえ、インターネットでは検索するには
何かのキーワードが必要になります。
何が適当でしょう?
「サンデー(なぜかサンデーだということだけ覚えていた)+ゴキブリ」
無理でしょうね。
「サンデー+昭和4●年」
これではね・・・。
そうこうしているうちに、
少年サンデーの作品一覧が載っているサイトが見つかりました。
そこで、
昭和4□年から4◇年まで順に検索して確認していったのです。
(□と◇は、歳がばれるので伏せておきます)
昭和4□年の作品は、何があって、
昭和4△年の作品は、何があって、
・・・・・
・・・・・
・・・・・
昭和4◇年の作品は、何があって・・・
という具合に見ていって気づきました。
「旅立て!ひらりん」山上たつひこ
そういえば、あの暗い絵柄は
山上たつひこかもしれない・・・。
「がきデカ」で有名な山上たつひこですが、
絵はそれほど洗練されておらず、
書き込みの多い、グロテスク(失礼)な絵柄です。
検索で出てきた他のマンガ家の絵は、
シンプルで見やすいものが圧倒的に多かったのです。
そこで、検索しました。
「旅立て!ひらりん」
ヒットしました、いくつかのサイトで。
解説がありました。
そして、コミックスの絵も見つかりました。
これだ、これに違いない!
ちょうどYahoo!オークションに
朝日ソノラマの単行本が出品されていたので、
それを落札して手に入れました。
私の記憶は正しくはありませんでした。
正確には、ゴキブリではなく、お釜の化け物だったのです。
ただ、その黒光りした丸い巨大な頭のシルエットは
間違いなく私の記憶通りでした。
このマンガが私は好きだったんです。
全然ストーリーなんて覚えてませんでした。
正直、後半は何がなんだかわからないマンガです。
出来は、前半90点、後半40点という程度でしょうか。
でも、懐かしさが私に還ってきました。
インターネットが普及したおかげで
ひとつ悔いを残さずに死ねるというところです。

☆旅立て!ひらりん(全1巻)/山上たつひこ/サンコミックス
山上たつひこ選集13にも収録/アクションコミックス(双葉社)
△お勧め年代:・・・・・・・・・
山上たつひこ選集13にも収録/アクションコミックス(双葉社)
△お勧め年代:・・・・・・・・・