駆歩という歩様のもう一つの特徴なんですけど、「3拍子」が挙げられます。で、3拍子って、日本人が一番苦手とするリズムじゃないかと思います。「三々七拍子」ってありますけど、これって4拍子ですよね、結局。「チャチャチャウン、チャチャチャウン、チャチャチャチャチャチャチャウン」って感じ。多分、社交ダンスでも、日本人はワルツで苦戦するんじゃないかと。管理人はサンデーヴァイオリン弾きでもあるんですが、3拍子の曲って苦手~~です。なんかテンポの掴み方がダサイ感じ・・・・・って悩む。弾きにくくて。
ちなみに、音楽の速度記号ですけど、アレグロだのアンダンテだの。長らくありゃ何に基づいたテンポなんだろうと思ってました。アンダンテ=人の歩く速度とか言われたけど、ちゃうやん、と。馬に乗って理解したんですが、アンダンテ=馬の常歩の速度なんですよ。アレグロは、速歩。成程、西洋って馬車だの乗馬だので移動するのが普通でしたもん、そのテンポ感を使って作曲するのは当然か。モーツァルトなんか、ガンガン馬車で走り回ってたんだもの、そのテンポ感が身に沁みつくのは当然と思えます。メトロノームは、モーツァルトの後の人であるベートーヴェンの人生後半頃にやっと発明された道具で、それまでは、一定のビートを刻む一番身近なのは馬の蹄の音だったんじゃないかと。
駆歩の3拍子のリズムは「パカッツ、パカッツ」という感じ。大体駆歩を「パカパカ」とか「パッカパッカ」みたいに理解してる人が多そう(管理人はそうでした)なので、リズムに乗れないのでは?とも思っちゃうんですよ。パカという前半が蹄で地面を叩いていて、後半の1拍は馬は宙に浮いております。その感覚をつかめないと、全く馬の動きについていけなくなる。
乗り手にかかる力がかなり複雑なとこへもってきて、速度もそこそこ速い(と勘違いしやすい)ので、軽速歩まではできるじゃん、と思っていたのに、いきなりできなくなる、おまけに馬が暴れ出すし、この辺りで馬が怖くなる、または落馬する、最悪大怪我、となってしまう、のが、大方のパターンじゃないかと。駆歩の練習を始めた頃、管理人は全身筋肉痛になってましたね。
いってしまえば、この頃から乗馬は本格的な「スポーツ」に変化するんだと思います。スポーツとなると、乗り手側がある程度体をつくることも必要ですし、馬に乗るのに必要な技術とは何なのか、を考え直さないといけなくなる、筈。それを「数乗らないと上達しません」とクラブさんは言いがちですけど、必要なものが何か理解した今となっては、数乗ってお馬さんを煩わす必要は特になかったんじゃないか、と思う訳。少なくとも、クラブホースさんと駆歩の練習する=危険をしょい込む、ことと同義語だから、そんな不安を抱えながらまでやるものではない、と。
では、管理人が考える、「乗馬の技術」の本質とは?これは、「動く丸い物体の上で、宙に浮いた状態でバランスを取り続けること。しかも、腕~手でバランスをとってはいけない」に尽きる。
宙でバランスをとる、有名なのは綱渡りですけど、必ず手や長い棒等でバランスの補助をします。動物についてる「バランス補正用の器官」=しっぽなんですが(従って、管理人は犬の断尾は虐待と考えています)、しっぽがない人間は、その代わりに腕~手を使ってバランスをとる。しかし、乗馬時は、それを封印しなければなりません。だから、落馬が増えるんですよね。そもそも、空中でまっすぐの姿勢でいる、ことが至難の技。地上にいたって、「まっすぐに立つ」をできてる人なんかほぼいませんから。
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