北海道に百年記念塔という建造物がある。
今年、北海道と命名されて百五十年と喧伝している。
ほとんど気にもしていないが。
百年記念塔は北海道開拓使が設置されて百年を記念して札幌市に隣接する自然公園内に建てられた。
それから五十年を経た。
傷みが激しく放置できないとて有識者が検討を始めた。
修理するためには30億ほどかかるらしい。
解体するとしても4億ほどかかるとか。
報道した地元民放局。
いつも視聴している番組だ。
この週はMCが日替わりで出ている。
この報道があった時のMC。
大学で教鞭をとっている。
曰く、作る時からメンテナンスが必要、と。
五十年間ほったらかしにしてきたということだ、とも。
日常的にメンテナンスを怠らなければこの後五十年でもその景観を眺めることができるだろうと。
何事においても物を作るということはそういうことだ。
当時においては華々しく北海道開拓百年と騒いだのだろう。
で、記念になるモニュメント的なシンボルを作ろう、と誰かが言い出した。
周りも、そうだそうだと何の疑問も持たず作ってしまった。
あとは、宴の終わりだ。
確か、百年記念で100mの高さと記憶している。
日常生活の中においてすべてにそうであろう。
減価償却、という考えだ。
経営において当然の考えだ。
が、その前に廃棄してしまえというのが今のこの国の理屈になっているのでは。
厳しい財政事情を考えれば付近住民の感慨は無視して、解体だろうな。
代わりにミニチュアでも跡地に作って置けば・・・。