タロット柊

考えること、感じることの記録

3日(水)節制「完璧なバランス」

2019-04-03 23:55:51 | タロット2019・4月

節制という言葉を聞くと、

何かを抑え気味に、超過しないように、慎重にする、という感じだが、

このカードはどちらかというと、

もっと自由な表現がなされている。

慎重に抑えながら、というよりも、

とてもシンプルに、軽やかに、完璧なバランスを表現しているという感じだ。

 

タロットの78枚のカードの中には、

明らかに、人知を超えることを表現しているものがいくつかあるが、

節制もその一つだ。

もちろん、普段の占いでは、人知を超えた意味合いではなく、

とても現実的な解釈をするし、たいていの場合、その方がふさわしいが、

ただ、純粋に節制を眺めると、

本当に素晴らしいカードだと、つくづくと思う。

 

節制は、ある意味で、陰陽五行ととても似ている。(節制の場合は、陰陽と4行というべきか)

世の中の構成要素、それらの性質、それらの働きの、見事な融合が表現されている。

その融合を支えているのが、ミカエルとされる天使というところが、やはり超人的。

では、われわれ人間には、この節制が示す完璧なバランスによる融合は、

一生、無理なのだろうか。

 

節制が本当に素晴らしいカードだなと思うのは、

私たちは、生来的に、誰もが完璧なバランスなのだといっているところだ。

私たちは、誰もが陰陽の交わりによって生まれ、

その後も、命ある限り、水や空気、その他のものを取り入れながら、

完璧な融合を成し遂げている。

数え切れないほどのものを、完璧なバランスで融合させることのできる私たち。

長い長い進化の過程を経て、このバランスを見出し、命をつないできた。

 

なぜ、このような、複雑でありながら、緻密な連携と融合を成し遂げる進化を遂げたのかを、

タロット的には、

何か見えない力によって、導かれているのだと、

どんなに科学が発達しようとも、決して理解できるものではないと、そのように捉えるのだと思う。

つまり、このカードのように、

自らの意志でこのように存在しているのではなく、

誰か(例えば、ミカエルとか)の手によって、完璧なバランスがとられた、尊い存在なのだと言っているのだと思う。

 

もちろん、そうなのかどうかは分からないし、

いつかは、科学的に生命の複雑さが解明されるのかもしれないが、

ここでは、それは本質ではない。

 

節制は、

この素晴らしいバランスを持った自分を、軽視してはいけない、

奇跡的なこの命の存在を、心から大切にしなければいけないと告げている。

生命は、複雑でありながら、完璧で美しい。その価値は計り知れない。

その素晴らしさを、節制は讃えているのだ。



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