ひょっこり現れた、
あれは・・・道祖神というものではないだろうか。
20センチぐらいの小さいおじいさん。
思わず笑ってしまう。
神さま、というのは、
ある役割をもったものだと思っている。
人が、生きていくため、納得するため、希望をもつため、
いろいろな理由のために、
目に見えるもの、見えないものに関わらず、
何らかの役割を持たせ、信仰の対象にしたものだと思っている。
だから、ひょっこり現れた小さいおじいさんを、
道祖神じゃないのかな、と思ったのは、
四つ辻に立っていたから。
”どうぞ、行く道中、来る道中の安全を守ってください”という
人々の祈りの対象としてつくりだされた一つの形だと、
私がそう認識しているからだ。
面白いことに、
ある家の廊下の曲がり角に立っていた。
そこだけ明るい光がさして、
過去と現在が交錯していた。
ふと、小さな花がいけてあるのに気づく。
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その家の方に、
詰まったような空間を探してほしいとお伝えする。
思い当たるなら、
その場所に、何か、小さな花を、少しの間でいいので飾ってください、とも。
翌朝。
まだ明けきらない、夜と朝が混じり合った夢うつつのような時間に、
道祖神らしき、小さいおじいさんが現れる。
「済んだから」と言うと、ふっと消えていった。
ちょっとおどけたふうに体をゆらしながら、嬉しそうだった。
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目を覚ます。
夢だったのかな。
数時間後、その方から連絡をいただく。
昨日、思い当たる場所に、白玉椿をいけました、と。
何が「済んだ」のかは分からないけれど、
まあ、良かったのだろう。
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実際、あれが何なのか、夢なのか、本当のことなんて何も分からないし、
本当なんてないのかもしれない。
そこは考えても仕方ないので、想像で止めておく。
ともあれ、
その方は前を向き、物事は動き始めた。
それでいいのだ。
白玉椿は、きっと美しいだろう。
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