人生エクソダス

なんてことのない日々のこもごもをつらつらと書き連ねたり連ねなかったりする。

楽しかったやる夫スレを思い出す 24 やる夫のワイルドアームズ2ndイグニッション

2021-02-28 01:41:46 | やる夫スレ

 タイトルにもあるとおり、やる夫がPSゲーム「ワイルドアームズ 2ndイグニッション」の主人公、アシュレー役をやっているやる夫スレである。
 スレ主の独自のこだわりとして、やる夫の一人称が慣例的な”やる夫”でなく”オイラ”になっている。なおアシュレーの一人称は”僕”。

 2009年当初は一般的なやる夫スレ同様の紙芝居だった。つまり動的なキャラの動きというより、武器+キャラ あるいは キャラ+エフェクト での表現だった。しかしスレ主が矩形処理によるAAエディタを使った独自のAAを多数作成するようになり、一気に漫画のようなダイナミックな構図を自在に操れるようになり見た目の派手さが抜群に上がった。
 やる夫がサンライズパースで地面に剣を突き立てているAAや、やる夫が巨大な剣で敵?を一刀両断しているAAはこのスレ主が作ったものである。

 ARMS創始者であるアーヴィング・フォルド・ヴァレリアを阿部高和なところはまだしも、妹のルクレツィアを道下にするという狂った配役を除けば「ローゼンメイデン」や「らき☆すた」から登用される当時のスタンダードな配役であり、例外的にリルカを「みなみけ」の夏菜にしたことを除けば手堅い登用である。

 割とオリジナル展開もあるが、本筋から逸れないような場面での挿入なのでメイン進行に障ることにはなっておらず、却って”この場面の時、別の場所ではこうだった”というシナリオの奥行きを加える結果になっていて、58話というボリュームも食べきれる程度の大盛りのような感触なので、懐かしさをモチベーションにして読めば休日はあっという間になくなるだろう。


楽しかったやる夫スレを思い出す 23 やる夫とかがみは世界を探す

2021-02-23 02:09:58 | やる夫スレ

 連載期間は2018/2~2020/6という2年に渡る長期連載であり、>>1がこれまた筆まめに投稿していたため、総エピソード119にもなる長編作品でもある。

 雪の降りしきる村で魔物たちからの用心棒として働いていた、柊かがみ、柊つかさ姉妹。たまたまやってきた傭兵であるやる夫と共に魔物退治をしていたが、図らずも強大な氷の竜と死闘を繰り広げることになる。かがみとやる夫の決死の機転で竜を撃退するが、そこから彼女たちの出自を知ることになったやる夫は彼女たちを自分の所属するギルドに連れて行こうと提案する。

 というのが第1章である。
 らき☆すた勢は異世界転生してきた存在であり、そういう転生ものさながら特殊技能を備えていた。かがみの魔法の才能、つかさの料理の才能、…それらを活かし生活してく中で元の世界に戻る方法を探る。しかし…
 となる意外性と、世界を揺るがした災害が重要なファクターであり、今またその災害とその根本原因になった力を求める人間の国家のパワーゲームという、重厚なダークファンタジーを堪能できる。
 蒼星石は不憫。

 連載していた「普通のやる夫板」はありがたいことにフォントがブラウザ依存ではないので、どのブラウザで読んでもいちいちMSPゴシックにフォントを変えなくてもいい、とてもありがたい板である。


楽しかったやる夫スレを思い出す 22 やる夫は仮面の夢を見るそうです

2021-02-23 01:51:29 | やる夫スレ

 「ペルソナ」シリーズの世界観を踏襲したやる夫連載作品。「ジップでくれ」、悪役として使われる麻呂(一条三位)が主人公たちの保護者ポジとして登場したことは当時としては珍しかった。というのもこの連載があったのが2009年~2010年という、やる夫スレの全盛期であり一世代前くらいの過去の話だからだ。

 当時を思い返して読むにもまとめブログの記事はない
 事の顛末はやる夫wikiに書いてある
 なんでそんなことをしてしまったのかと忸怩たる思いを感じるし、こういう行いに関して擁護はできない。が幸いにもやる夫板の過去スレは覗ける。0~2時のアクセス制限時間外ならなんのブラウザでも読めるので、やる夫+ペルソナの題材のオリジナルストーリーがどんなものか琴線に触れるなら読んでみてもいいだろう。

 実際のところほじくり返すべきではないのかもしれないが、こんなエントリーをすること自体私の懐古心ゆえであり、瑕疵がなかったとしても更新が途絶えた挙句サービス終了するブログも多く、そうした時代の流れのなかでかつて楽しかった思い出すらなかったことになるのは偲びない。だからこそである。


  1. https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/otaku/12973/1253336174/
  2. https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/otaku/12973/1264944272/
  3. https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/otaku/12973/1278166787/
  4. https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/otaku/12973/1280503667/
  5. https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/otaku/12973/1283084153/

楽しかったやる夫スレを思い出す 21 やる夫は悪魔と添い遂げるようです

2021-02-23 00:09:38 | やる夫スレ

 ある日やる夫、やらない夫、できる夫の元に「悪魔召喚プログラム」なる謎のアプリが送り付けられる。面白半分に起動したところ、それは本物で、本物の悪魔が召喚されてしまった。彼女たちは魅力的な女性であり、プログラムを通して主従関係が成り立つことで、やる夫たちはそれまで経験のなかった可愛い女の子との生活を楽しもうとした。だが彼女たちは悪魔であり、やがて…

 という導入から始まり、古くから秘密裡に存在する悪魔と人間とのかかわりにふれるやる夫たち、そして10万年前から続く因縁と巨大な存在、歴史を超えた闘争、神話の戦争が繰り広げられることになる。

 下敷きは「真・女神転生」シリーズだが「ソウルハッカーズ」「ストレンジジャーニー」の要素も加わったメガテンミックスである。
 各々やる夫がザ・ヒーロー、やらない夫がロウ・ヒーロー、できる夫がカオス・ヒーローという区分けも女神転生の主要人物の立ち位置を踏襲したものである。本来のゲームでは主人公の選択によって分別されるそれらも、登場人物に各々のパートを割り当てることで主張の食い合わせもできるというところがやる夫スレならではの醍醐味と言える。

 こういうマルチ主人公のやる夫スレでは往々にしてやる夫がクズでやらない夫とできる夫が主人公ムーブを展開するものだが、この作品では殊更やらない夫の艱難辛苦っぷりとできる夫の巻き込まれ体質が際立って、やる夫より彼らを主題にしたエピソードの方がまともな王道展開だったりする。
 やる夫ですか?彼は土壇場でヒロインと罵り合いプロレスという恥部公開実況されてました。流れ弾が海とやよい(アイドルマスター)にも飛んできましたが。

 ヒロインに湯音(異国迷路のクロワーゼ)を割り当てるのもレアケースだが、彼女も悪魔ゆえ妖精をとっつかまえて食ったり、脳みそ食べたいなどキャラを崩したギャグも随所に盛り込まれている。
 やる夫の先輩として出てくるサマナーに龍咲海(魔法騎士レイアース)が割り当てられているが、これもやる夫スレでは珍しく、そもそも登場人物も多いことから人間関係だけでもカオスの様相を呈しているのもこの作品の面白さだろう。

 断続的な連載なので第一話が2012なのに対して最終話(120話)は2020年と足掛け8年の超長期連載であり、120話という長さも驚異的である。しかし長さが怠いかというとそんなことはなく、ギャグ、シリアスのバランスと超展開が楽しめるので読み始めれば時間が経つのはあっという間だろう。


楽しかったやる夫スレを思い出す 20 美琴は「視える」人になってしまったようです

2021-01-30 04:27:06 | やる夫スレ

 なおやる夫は出ない模様。

 普通の中学生の御坂美琴は最近彼女ができたという幼馴染の上条当麻とじゃれあいつつ青春を送る生活を送っていた。近所に越してきた新婚夫婦の伊藤誠・言葉を眺めて、いつか自分もそういう相手と結婚するんだろうかとぼんやり考えるくらいには平穏な生活だった。
 事態が急変するのは、そんな伊藤誠が交通事故で死亡してから。
 憔悴しきった言葉に同情するもどうしようもないという状況の中、夜中に死んだはずの誠が外を歩いているのを見てしまう。美琴は直感的にこの世ならざる存在であることを理解してしまうが、だからといって急に霊感少女になってしまってもどうにもならない。だが誠の幽霊とも言うべき存在が徘徊している状況は危ないのか危なくないのか、と介入を深めコンタクトを試みる美琴だが、誠の亡霊はすでに正気を失っており美琴の魂を喰おうと襲い掛かる。
 しかしそれは斬撃によって止められた。そこに現れる交番勤務の婦警のキル子。実は彼女はこの世ならざる存在を対処し、あるいは撃退する一族の出身だった。美琴に自分の正体を見られ知られてしまったため、キル子は誠にとどめを刺せなかった。美琴はこの世ならざる存在から特異な存在として見られており、彼女の霊的エネルギーに惹かれることも、誠が美琴に襲い掛かろうとする理由だった。あくまで処分しようとするキル子。しかし美琴は――

 という、霊感超能力少女となってしまった美琴と、この世ならざる存在たちとの交流や戦いが描かれた伝奇作品だ。作者は民俗学の知悉があり、それを下敷きにしたモチーフの登場人物、もしくはアイテムの描写に長けており、そういうバックボーンがしっかりしたファンタジー作品としての読みごたえは申し分ない。やる夫スレヒロイン板で現在も不定期連載している。