人生エクソダス

なんてことのない日々のこもごもをつらつらと書き連ねたり連ねなかったりする。

11月29日、ついに「戦国プロヴィデンス」のサービスが終了した。

2019-11-29 21:23:18 | ゲーム

 11月29日、ついにDMM GAMES「戦国プロヴィデンス」のサービスが終了した。
 
 サービス開始当時の2016年くらいは織田信長(もとい戦国武将)の女体化というのが流行っていて、高校野球をするなどというゲームもあったようだ。開発はシズルラボというDMM GAMESの部署?レーベル?のひとつで、「ひつじ×クロニクル」「ドラゴンプロヴィデンス」というのも運営していた。1年前くらいは「恋姫×無双」「X-Overd」「ランス」とコラボし、相応のバーションのキャラクターやコラボキャラも出していたが、最期のコラボはDMM GAMES全体の施策であるスニーカー文庫コラボだった。戦国プロヴィデンスでは朝比奈みくる(涼宮ハルヒの憂鬱)杏本詩歌(ムシウタ)葛城みかん(レンタルマギカ)穂波・高瀬・アンブラー(レンタルマギカ)を客演させた。
 実際のアクティブユーザーがどれだけいたのかわからないが、戦プロの登録者数は65万くらいで、一番息の長かったドラプロが130万だというから、まあ実際遊んでなおかつ課金してくれるユーザーがどれだけいるのかという所を考えると、収入の面で畳んだ方がいいということになったのだと思う。シズルラボを畳む準備をしているのか、ドラプロは新規イベントを行わないという実質サーバー管理オンリー宣言をし存続を図ろうとしていたがサービス終了となったようだ。
 正直2017年くらいのDMM GAMES(まあ今でもそうだが)はスタートダッシュから伸びずに半年程度でサービス終了となり1年保てば良い方みたいな酷い状態で、「神姫プロジェクト」とか「対魔忍アサギ」とかが生き延びる中で他がスタートダッシュ課金のためにゲームをつくったのかというくらいの寿命の低さだった。「星のガールズオデッセイ」が1周年にしてサービス終了したのがちょっと頑張ったくらいのもんで、リブートした「ReBless」とか(今は「Re:Judgement」として再デビュー)「ガールズシンフォニー」とかが再起を図る状態だ。起死回生に成功したといえば「フラワーナイトガール」だった。当時のスマホゲーの運営がゲームの面白さより課金煽り優先という風聞の最たる”プレイヤーがじゃぶじゃぶ課金したくなるような射幸心をあおるような説明文章”という概要をそのままゲームに載せてしまうという大ちょんぼをかましてしまうものの、現在も続く人気作品にまで回復させて存命に成功させている。そこを考えれば戦プロの3年8ヶ月というのは長生きだった。
 が今年から色々行われたテコ入れを思えば、もっと早く取り組んでいれば現状が違っていたのではと思ってしまう。
 
 戦プロだけでなくDMM GAMES全体の10連ガチャ課金は直接ではなく、DMMのポイントによる支払いだ。そしてだいたい10連ガチャの金額は5000PTつまりほぼ5000円相当だ。ポイントの購入額はその時々でレートが変わるものの5000PTという大枠は変わらない。
 かつて半年で終わってしまったDMM GAMESとマーベラスのコラボとして鳴り物入りだったはずの「天歌統一ぷろじぇくと」が10連ガチャの価格設定を下げたことの補填とかでちょっと揉めたことがあったが、値段設定は難しい。はじめから課金する人は万超えくらいじゃどうこう言わないと思って9800円くらいに設定してしまうか、最初の1回しを半額にするなどして門戸を広げるか、そこは運営方針とヘビーユーザーの割合を考えながら決めないと行けない。
 戦プロのガチャの値段設定はスタンダードな5000PTだが、これは直接ポイント払いではなくガチャに使う石の購入という過程を経る。ポイントによってキャラ所持枠を広げたりすることが出来るので、完全にガチャのための課金というわけではないが使い道はほぼガチャのみとなる。
 普通のスマホゲーだと、だいたいクエストのコストとして消費するスタミナ(APとかいろいろ名称はある)とマルチバトルで消費するコスト(BPとかいろいろある)というものを設けて、時間経過によって回復するもののアイテム利用によって回復することができて、そのアイテムがイベントの段階的景品だったり課金によって得られるものだったりする。つまり、ガチャだけでなく消耗品の課金も十分に見込める。そこでプレイヤーが集まって体力の多いボスを倒してランキングを登るレイドボスイベントだったり、ひたすらスタミナを回復させながらイベントを走るものが企画されたりする。目玉商品に魅力がなければ走る人数、つまり課金アイテムの捌けが悪くなるわけだが、そこでランキングを設けたりイベントでしか手に入らないレアアイテムだったりが手に入るなら、流石に5000円払ってガチャまわすのは億劫でもアイテム購入くらいならやってもいいという微課金勢の励起につながる。
 
 戦プロはここ1年レイドボスイベントをやった記憶がない。だいたいスタミナ消費によるポイントランキング走りだったり、1日2回だけ入れるイベントブースでの連続戦闘での戦闘スコア稼ぎに集約されていた。このスタミナ消費は物量攻勢ではあるものの、ある意味ユーザーの手持ちの強さはそこまで重要ではなく、イベント限定でポイント稼ぎが倍増するキャラは居るもののそのキャラでなければ勝てない敵が出るわけでもない。つまり敵を倒せなくて課金してガチャでキャラを出すというガチャ課金の見込みが薄くなる。そうすると1口5000円相当の収益見込みが減るので、必然的にイベントもガチャキャラを買わせるためのものになったりする。1日2回ブースに入るイベントだと、特にKOされたキャラを外さないとパーティを参戦できないという仕様上、キャラ性能がそのままイベント攻略の可否と出来の善し悪しに左右される。そうするとイベントで攻撃力3倍とか、他のキャラより明らかにパラメータが強いとか、優位性のあるバフ・デバフを持っているとかの、壊れに近いキャラを出してもイベント期間に合わせればそれが売れるのでそういうキャラとそのためのイベントが多くなる。

 戦プロはこの1年でキャラ育成素材の別枠化とキャラステータスの底上げというやりこみ要素の改修を行った。

 まずこの育成素材だが、今までキャラと同じ所持枠を使っていたので、早い話キャラが多ければレベル上げやパラメータ上げに使うキャラを所持できない、出来たとしても限られていた。そのため所持枠の拡大を購入する必要があったわけだが、これもガチャに使う石によって行うので、そういう意味で阿漕かもしれないがオンラインゲーム全体としては普通の仕様だ。
 「アズールレーン」がシステム上レア度上げキャラまたは同じキャラを複数持っておく必要性からキャラ所持枠を圧迫するのでこれもよく批判に上げられるが、アズレンの場合キャラ獲得にお金はかからない、いわゆる艦これ的な収益の上げ方をしているので何に付けても課金要素が潜んでくるものの、そもそも10連5000円という収益見込みがないのでそこを文句言っても仕方がない。タダで遊べるものをタダで作れないのだ。
 戦プロがキャラ所持枠にシビアにならざるをえないのは他にも理由がある。キャラクター全体の仕様としてレアリティアップの進化と神化の2種類のアップグレードが存在し、特に神化は人外キャラという敵モンスターがドロップしたものが必ず必要で、その人外キャラの”運”を指定の値に上げなければ使えない。運を上げる為には同じキャラクターで強化する必要があり、例えば閻魔大王の運3が必要な場合、素体の閻魔大王運1に強化素材として閻魔大王運1*2で強化して運を上げることになる。つまり神化させるためにキャラ枠が余計に3つ必要になる。さらに必要な人外キャラは3種類で、それも運を上げる必要があるものがほとんどなので、普通に遊んでいた場合、神化するキャラ+運3(キャラ3体)+運2(キャラ2体)+運1(キャラ1体)の7枠使うことになる。これは進化→神化の過程を経ることで減衰した結果なので、最初から神化する場合おのおの+1される(つまり10枠)。この仕様の関係でキャラ所持枠はかなり大きい値が必要だ。実際使ってしまえば大幅に空くので常に大きな枠が必要なわけではない。が戦プロには他のゲームで言う”倉庫”がなく、アクティブではないキャラ・アイテムや素材としてとっておきたいキャラ・アイテムを別枠で保存しておくシステムがない。そのためキャラ所持枠の重要性が高い。
 他にも、キャラクターの根本的な多さに原因がある。戦プロはキャラ自体600を超える大所帯の一方で属性ごとに特性(特殊ステータス。<キャラ種族>に強いとか<特定のデバフ>無効とか)が違ったりして、単純に優劣がない場合が多いのでリストラできない。それらのキャラを上述の神化するにあたり枠を大きく消費するので、どうしてもっと早く強化素材のアイテム化をしなかったのか疑問だ。また戦プロ自体新しいキャラをどんどん出してガチャを回させる運営体制だったこともあってキャラ種類はとんでもないことになった。私も結局所持枠750まで増やしたがそれでも不足した。
 別の理由として、戦プロが長く続いたことだ。キャラの所持数に関しても、3年という長い運用に対してほぼ日参でログインしてゲームプレイしている人がいることを想定すれば、当然過去のステータスが劣ったキャラやレアリティのそこまで高くないキャラでも愛着を持って所持していることが考えられ、そこまでの情愛がなかったとしても単純にプレイ時間が長いことで今まで遊んできた中で手に入れたキャラクターをそう簡単に処分できないことを思えば所持枠は消耗してしまうのも仕方がない。つまり新参だとそこまで枠を消費しなくても、それなりにプレイしていた人はそれだけキャラを持たざるを得ないので枠を消費するのだ。

 次にキャラクターの育成についてだが、有用性のあるものと疑問のあるものとでないまぜだ。
 以前から絆育成というものがあって、これはわかりやすくHP/攻撃/防御/素早さというキャラステータスの育成強化だった。その方法もキャラを選択して属性クエスト(攻撃→火、防御→水など)をクリアすることで別枠のEXPを獲得、レベルがあがることで対応するステータスを上げるというもので、これは非常にシンプルでわかりやすかった。それにも合計20までという限界があったものの、やらないよりやった方が断然強かった。
 新たに増えた鍛錬という要素は、イベントPTごとの景品としてなどで手に入る金槌を一定消費して枠を空け、そこにキャラ特性の追加とかステータスアップとかを4枠別口に設けるというものだ。これの効果が微妙で、例えば攻撃力+25とかのパラメータ上げはキャラステータスとして2500~3000の基礎ステータスに対してその増量は焼け石に水だし、<特定の境涯 姫とか軍師とか>に対して5%ダメージアップとかも、そもそも与えるダメージが5000~25000くらいなことを考えれば○割で初めて効用を実感できるものだろうという感じで、このシステム自体の必要性を感じなかった。それならまだ絆育成の上限を上げたりする方がよほどましだったと思う。
 似たようなシステムとして「グランブルーファンタジー」のLBと「Fate/Grand order」のコマンドコードがあり、どちらかと言えば戦プロのはコマンドコードに近い。コマンドコードもレア度が低ければ効果も微妙だが、それでも戦プロより数値は大きいし、ましてLBの場合2回攻撃の確率を5%上げるなど効果も目に見えて分かりやすかったり振り分けもフレキシブルだったりで育成が露骨にキャラの強さに結びつくのでやらなきゃ損とも言える。これらのシステムを参考にしたのだと思われるが、にしても効果量が微妙だったり枠が4つしかなかったりなので、これのためにイベント頑張ろうとはなりにくかったと思う。そもそもHPが9000で敵通常攻撃でダメージ1500前後、スキルで半分飛ぶことを考えると、数%強くなったからと言ってなんだというのか。

 一方戦プロの戦闘システムは割とシンプルで取っつきやすい。
 キャラ属性である火→水→風→火…と光←→闇という弱点の強弱関係はとてもシンプルだ。光と闇が相互弱点なので敵ボスとダメージレースで負けることは当たり前という意味でつらいものがあったが、それもリーダーバフの存在によってある程度緩和できた。リーダーバフというのはこのキャラを一人目にしておくことで火属性攻撃力50%アップとか光キャラに対して闇ダメージ55%カットとかだ。この光と闇の弱点攻撃に対してダメージ55%カットというのが強力で、擬似的に攻撃力を2倍にするのと等しかったため、このリーダーであることが光と闇パーティに対してとても重要だった。またフレンド登録することで、フレンドのリーダーバフを受けられることになり、これによりダメージカットの面でまず負けない状況を作りだすことができた。
 そして編成もこのキャラの組み合わせだけなので、他のゲームの様に武器を装備したり召喚獣を装備したりする手間がかからない。が逆説的にこれが戦プロの収益を狭めたようなもので、例えばグラブルだと特定の武器をガチャで手に入れることでキャラを獲得出来るが、基本ガチャで落ちるのは武器と召喚獣だ。これらをキャラ編成と別に編成し組み合わせることでキャラクターステータスを確定する。つまりキャラ編成+武器編成+召喚獣編成によってパーティを編成する。当然目玉になる武器や召喚獣を目的にしたガチャをイベントできるので、キャラのステータスを一方的に優劣しなくても召喚石の強さや武器の強さ(1つあたりの強さはそこまで有意に影響しない)で強さやバフ・デバフが変わるので、場合によってはイベント攻略の難易度に大きな影響を及ぼしたりする。FGOにもキャラの他に概念礼装という装備によってキャラ特性とステータスアップの要素があり、つまるところキャラだけで編成が終わることはない。
 では武器ガチャとキャラガチャに変えれば良いかというとそこまで単純でもなく、「ReBless」は武器とキャラでガチャが別だったが、それはつまり10連ガチャが2種類あることを意味し、5000円*2の10000円の課金を求めるのと等しい。もちろんどちらか一方で良いが、武器がそこまで優位性になるかというとそこまででもなく、またデバフの凍結がとにかく凶悪だったり、物理属性と魔法属性で攻撃力とダメージが分かれていることで、片方に対してダメージ1とかいうのが当たり前に出てきていた。つまりリブレスはそもそもデバッグの時点でこれやばない?と言われておかしくないゲームデザインだった。さすがにここまでのものではなくても、武器とキャラでガチャを変える、また編成を別枠にするということは、つまりそれだけ組み合わせのバリエーションは増える一方で、検証しなければいけない要素や、そもそもバランス調整をどうするかという問題を新たに抱えることになる。
 戦プロはキャラだけの編成でよかった。武器や召喚石の編成が欲しいとは言わない。がそのキャラ育成において課金要素がなかったので、新しいキャラを手に入れることにしか課金する部分が無かったのは勿体なかった。ガチャ獲得したキャラには相応のHシーンが18禁版ではあるし、また絆育成でも段階的にエピソードの挿入がキャラ毎にあった。そして一方では微妙だなと思うキャラの別バージョンではええやん!となることもあり、つまり特定のキャラを使いたいという要素はあったので、キャラ自体にもっと愛着を注げるようにキャップアウトの要素が充実していればイベントも単にイベントキャラ獲得だけでなく育成素材の入手とかで走れる人も増やせたのではないかと思う。

 何より評価されていたシナリオが、こと課金要素において直接的な貢献に及んでいないのが残念だった。
 この戦プロの主人公であるお兄様はギャルゲー主人公としても珍しく立ち絵とセリフがある。そしてぐうたらで巻き込まれ体質という割と導入に困らない設定なので、それこそ日本中の戦姫に仕官とか連れ添いとかができた。煩悩たっぷりだがヒロインのために知恵をしぼってなんとか望みを叶えようとする場面も多く、雑談掲示板とかでも意外と好かれる珍しい存在だった。


 まあ全ては今更だ。結局29日は寝落ちして気がついたらサービス終了になっていた。
 色々言ったけど神化天海のフレンドと自分のリーダーバフを使って大嶽丸と30分にわたる死闘を繰り広げたのも面白い発見だったし、攻撃力を極限まで鍛えた足利義昭による700%ダメージの破壊力は松永久秀の自爆に及ばないものの超ダメージで楽しかった。梟雄と言われる斉藤道三・松永久秀・宇喜多直家とかが寝室ではやたらしおらしくだだ甘だったのも扇情的でよかった。御三家のキャラもよかった。特になんだかんだ主人公の劣情を受け入れてくれる信長はそりゃあキャラ投票の人気も出るよなと思う。顕如とかも。上杉憲政とかに見せた意外とオフェンシブなところもよかった。
 惜しいと思うし、十分満足とも思う。が色々含めて楽しかった。

 さようなら戦プロ。さようなら我が嫁達。

↑の女の子は五郎八姫。CV小鳥居夕花という割と肝いりで、こんな https://twitter.com/senpro_staff/status/945595067716182016 キャンペーンもしたりしていた。


オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 完結

2019-11-26 01:52:50 | レビュー ドラマ・映画

 NETFLIXの動画において、映画はインディースというか、すぐれた映像技術による微妙な脚本という満足できたり出来なかったりするコンテンツが種類としては多い。がこれはPrimeVideoでも同じようなものなので、ここはネトフリオリジナル作品という新しいアウトプットによって、これまでテレビの放送枠を勝ち取らないと仕事がない状態でも新しい選択として仕事創出の機会が得られた事を喜ぶべきなのかもしれない。

 「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」はNETFLIXのドラマのなかでもかなり肝いりで、シーズン6まである長編大作だ。パイパーというアル中気味の女性がある日刑務所に収監され、そこでの生活を経て自分や周囲が変わっていく過程がまず描かれている。同じように収監されている女性受刑者は窃盗や不法入国など、ろくでもない輩から唐突に転落人生を辿ってしまった存在まで多岐にわたり、また精神異常者のような奇矯な存在も同じように収監されているというカオスな世界の中で、受刑者同士のマウンティングによるボスの存在や、そこでの闇商売、同盟と対立という濁流のような大きな力の中で、ひとりひとりが釈放の目を見たり、別の収容所をたらいまわされたり、不慮の事故によって死亡したり、子供と引き離されたり死別したり…という人生の流転のなかで、まともに生きることの難しさと、まともでなくても生きられるという強さを、キャラクターの心情に沿って描かれている。

 パイパーを主軸に見れば、収監されたあと、婚約者と別れ→同じ受刑者のアレックスと愛人関係になり→下着の密売をするもボスにはなれず→後に釈放されるが仕事をすぐ馘になり→父親の働き先と兄の下宿先で鬱屈した生活を送る…という、刑務所暮らしからは脱出できたものの、元通りの生活に戻れず苦悶するところが描かれる。パイパーだけでなく、刑務所から出られたものの失ったものの多さによって人生が変質してしまった人間の姿が色々考えさせられると同時に、元々犯罪に親しい環境の中で生きれば、何のブレーキもなく犯罪行為に手を染めてしまい、家族もろとも逮捕されたりするというこもごもが映し出されている。

 シーズン6で完結とはしたものの何か明確に終わったわけではなく、これからもそうした続きの話があるが、まずはここまで、という感じの終わり方だった。どう考えても全員の顛末まで描くことはしつこいし、かといって打ち切りのように尺足らずでも唐突感があるわけでもないエンディングだった。「ブレイキング・バッド」のようにアア、終わった…という最終回ではなかったが、希望があるかは分からないがそれでも絶望ばかりでもないので生きていくという思いを感じさせてくれたと思う。


楽しかったやる夫スレを思い出す 9 この世界には、なにかが足りないようです

2019-11-26 01:39:47 | やる夫スレ

 主人公のやる夫はモナー王国の軍人で、通常1体しか持つことが出来ない「ドール」という女性型の戦闘人形を3体持つ異質な輜重隊長。輜重隊という軍功を上げることに直結しない役職の為、エリート意識を持つ他の兵隊に侮蔑的な扱いを受けるが、アカデミーを次席で卒業するエリートであり、またドールを3体持つきっかけも造兵廠の責任者を謀略にはめたことで横流しされたものという権謀術数に長けた”怪物”だ。

 ある日、ただの戦闘人形であるドールたちに自我が芽生えるという事態に見舞われる。それ自体は驚きを持って迎え入れられたものの、それと同時に異人軍という未知の機械化軍隊による侵攻が行われ、やる夫たちモナー王国は窮地に陥る。異人軍とは何者なのか、ドールになぜ自我が芽生えたのか、そして、どうしてこの世界には女性がいないのか…。ドール達との絆と愛情、そして別離というドラマティックな展開と、世界の仕組みという秘匿された真実の追究というSF的要素が絡み合った面白さは格別。

 自分が東方プロジェクトというものを名前しか知らなかった頃に読んでいたので、登場するナズーリンが一番最初に見た東方キャラだった。にしても2009年投稿か…


楽しかったやる夫スレを思い出す 8 やる夫は魔女を倒すようです

2019-11-26 01:29:24 | やる夫スレ

 スコールをやる夫にするという冒険的な試みと、ゼル→銀時やセルフィ→真紅など意外性のあるキャストによってギスついたFF8の展開を面白おかしい珍道中に変えている。リノア→ルイズはだいぶちまくなったが性格的にはむしろ適役とも言える。話の展開は原作通り進んでいくものの、ファイガで無双する真紅やリア充じゃない伊藤誠など笑い要素がところどころ刺さってくるのでカオスな面白さがあって楽しい。中でもルイズのGF(ガーディアン・フォース(召喚獣))のブラザーズが流石兄弟で、ルイズが崖から落ちそうになっている時に兄者がセーラームーンのコスプレをして応援している間にルイズが落ちるなどの一風変わったGFとのやりとりが楽しかった。

 このスレにおいては思い出を語るしかできない。唯一まとめられていたヌーそくが閉鎖したことで元スレでしか作品閲覧できなかったが、聖戦の系譜のようにパー速などでの連載ではなくやる夫板(RC)という2014年に閉鎖した板によっての連載だった為、サルベージもできず幻の作品となってしまったことはとても残念だ。


楽しかったやる夫スレを思い出す 7 やる夫イフェが聖戦を戦い抜くようです

2019-11-26 00:55:16 | やる夫スレ

ファイヤーエムブレム 聖戦の系譜」を題材にしたAA創作。聖戦の系譜は第1章のシグルドを主人公として話が進んでいくが非業の死を遂げてしまう。第2章で逆賊とされてしまったシグルドたちシアルフィ騎士の残党が叛逆し、世界を裏で壟断しようとする闇の勢力と戦っていく。…というのが本筋なので、第1章と第2章の間で親子として出てくるキャラクターとそのまま続投するキャラクターに分かれる。この親子、つまりカップリングによる子世代のステータスの厳選がこのゲームの醍醐味の一つとなり、純粋に強さを求めたり役割論理を追求したりネタに走ったりしくじったりできるのが、1997年というレトロゲームにして現在でも新鮮みを持って遊べる要素でもある。

 このスレにおいては主人公は第1章で別の場所にいた為にシグルド達の粛正から逃れたやる夫(オイフェ)。第1章→第2章でキャラクターデザインが変わり、フィン(谷口→クーフーリン)など第1章の俤を残しつつ成熟したような物やシャナン(藍川ヒロム(P2!)→ロイ・マスタング)など大幅に雰囲気が変わったキャラがいる一方、やる夫はやる夫のままだったりする。

 このスレはやる夫作品にしては珍しく、原作準拠の名前が使われる。普通だったらフローラの役割の翠星石は翠星石と言われて原作キャラの名前が出ることはないが、このスレでは、例えばアルヴィス(夜神月)だがアルヴィスと言われ続けるし、アゼル(碇シンジ)の子のデルムッド(渚カヲル)など親子世代含めて元ネタの名前が表に出ることはやる夫以外一切無い。

 そうして原作ゲームのキャラクタースキル(大盾とか祈りとか怒りとか)を上手くヴィジュアル化して表現し、宿敵であるロプトウスたち闇の勢力との戦いを迫力ある物にしている。またこのゲームだと武器種類によって三すくみのような強弱関係があるのだが、強いはずの斧属性が全然強さがないなど割を食っていて、そのせいで斧使いのキャラクター自体が設定に対して侮られているが、これもヴィジュアル化された戦闘によって、例えばゲームにはない地面を崩すことによって足場を壊し斧で叩き潰すなどの演出によって、原作では残念とも言える斧使いの強化や、消化試合と言われる十二神将との戦いも緊迫感のあるものとなっている。

 そうしたバトル演出の妙と配役の面白さ、そして原作にある因縁との戦いと決着によって得られるカタルシスは何物にも代えられない。