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主夫の徒然なるままに

「離婚」、そして「ステップファミリー」

 幼児の虐待が毎日のようにTVのニュースで報じられている。3歳児の孫を見ているとそのニュース自体を直視することができなくなる。なぜ、あんなに可愛い赤ちゃんや幼児、子供を虐待してしまうのか。不思議である。

 「ステップファミリー」子どもから見た離婚・再婚 (角川新書) 野沢 慎司  (著), 菊地 真理 (著)を読んでみた。

 20代の頃、アメリカに少し滞在して、アメリカ人の離婚率が50%、2人に一人が離婚する社会を見て大変驚いた記憶がある。ウーマンリブや女性の自立などがアメリカの新しい時代の風が吹いていて、女性の強さに驚愕したものである。その頃の日本は、まだ、高度経済成長の最終場面で、父が働き、専業主婦の母が子育てに専念していた。核家族が一般化、「ふつうの家族」が定着した時代である。離婚率も非常に少ない時代であった。家族の崩壊する「岸辺のアルバム」というドラマが新しい時代と古い時代の交錯を表現していた。現在、日本の離婚は、3組に一組と言う時代となった。「結婚し、子供を産み、離婚し、再婚する」という経験をもつ女性(家族)が非常に多くなってきた。その離婚により、女性の貧困化に拍車をかけるている事実も表面化している。子供を連れて再婚し、新しい家族を作るカップルが非常に多く、その家族を「ステップファミリー」と言う。この「ステップファミリー」という言葉、呼び方は重要である。今まで「子ずれ再婚家族」と表現されるときのイメージが、再婚後の「ふつうの家族」をめざす「ふつうでない家族」というイメージがあり、「父は父らしく、母は母らしく、子はしっかりと育てられなければならない」という呪縛にとらわれしまう。育ての親(継父、継母)が、血のつながった親であろうとするところに無理な子育て、無理な家族像をめざしてしまう困難さがあり、そのことが虐待や家族崩壊を引き起こしている可能性がある。子にとって三番目の親がいることを、育ての親が受け入れ、多様な関係で、子の成長を見守るネットワーク型家族、ネットワークファミリーを新たな家族としてのとらえる必要がある。ネットワーク家族は、「ふつうの家族」ではない、しかし、劣った家族でもない。従来の固定観念にとらわれない、ポジティブな意味を加える新しい家族の形として今からの日本に必要ではないだろうかと筆者は主張する。
 離婚し、再婚した家族のなかで子の虐待がおきているわけではない。しかし、多くの女性(男性)がステップファミリーを生きる時代に、新しい家族の形を無理のない型にはめるようなことのない家族を築いてほしいものである。

 むかし(1995)、「フランス家族事情: 男と女と子どもの風景 (岩波新書) 新書」を読んでフランスでは6人のおじいちゃん・おばあちゃんがいる家族がふつうに存在しているということに驚愕した記憶がある。そんな社会があるのかと思ったが、2020年代の日本も同じような道を進んでいるようだ。
 この本では、「非婚化、シングル化、片親化、人工生殖、複合家族と様々な角度からフランスの家族事情を紹介するが、全編を一貫して貫いているのは、社会とは、自由とは、家族とは、個とは何か、母親とは、父親とは何かという、人間の存在基盤に関わる問いである。」と主張する。日本も新しい家族への転換を図らなければならない。

 と勢いよく主張しても、「ステップファミリー」の本で紹介された映画「幼な子われらに生まれて」をアマゾンプライムでみた。少し、暗くなった。




<主夫の作る夕食>
牛肉と野菜のバター炒め、あさりの酒蒸し。いいできです(笑)


<思い出の一枚>
カンボジア、キリングフィールド

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