西安留学生活の１ページ・あの部屋天国…☆

朝市で買ってきたアスパラ。
あまりに自然だったので買うときに気付かなかったけど、シールが……。



あたしの部屋には小さい冷蔵庫がある。
電子レンジもある。
ミキサーはジュースを作る時に使っている。中にフィルターを嵌め込められるタイプで、種と皮は大体取り除くことができる秋は葡萄（主に日本で言う巨峰）が安いので、朝市で度々買っては新鮮なグレープジュースを飲んでいた。
夏に卒業して帰国するけれど、このぶどうジュースと食用のほおずき、干していないなつめ、生の胡桃、新しい落花生……秋の味覚のために来る価値はあると思う。

横長の寮の各階西側一番奥には小部屋があり、洗濯機、物干し、給湯器と冷蔵庫がある。
階に住んでいる留学生の国籍によって、干してある洗濯物や冷蔵庫の中の「エキゾ度」が違う。
露出の少ないワンピースがずらーっ……今学期はムスリム系の女性が多いなあ、
冷蔵庫の中が臭い……なに作ってんだ、これ。

お昼にお湯を汲みに行くとたいてい誰かが「なにか」を作っている。
話しかけてみたいけど、自炊をする留学生はたいてい専門が医学とかＩＴとかで、中国語を話せない。
そしてあたしは中国語を勉強するほど英語力が衰えていっている。
一度この部屋で陽気な黒人の女の子に英語で話しかけられたけど、うまく返答できない。
「我 srudy Chinese……」
もはや「Ｉ」すら出てこなくなった。

彼女らが調理しているテーブルの真上には物干し。洗濯物がびっしり干されている。
料理している上に干すのが気にならないのか。洗濯物の下で料理するのが気にならないのか。

前にこの部屋で会ったパキスタンの男の子がかっこ良かった。
部屋番号を聞かれてあたしは英語がわからないふりをしたけど、教えておけば良かったか。