大島の空の下で

伊豆大島在住の中年のおっさんのブログです.日々の出来事を綴っていきます.一部は mixiとマルチポスティングしています.

今日読んだ本

2008-01-13 16:13:25 | Weblog
「知ることより考えること」 池田晶子

「週刊新潮」の連載コラムを取りまとめた物だそうです.
筆者は少壮にして美貌の哲学者だったようですが,ワタシは初見の方でした.腰巻には

「インターネットなんかいらない。もし本当を知りたいのなら考えることだ」

というコピーが載っています.PCを日々点けっぱなしにして生活をしているワタシとしてはかなりドキッとする言葉です.

ところで,
地元のPTA連合会の役員をやっていたころ,年間授業計画に税知識の講座を挿入したいのでPTA側の了承を得たいという趣旨で税務当局の担当者との会合がありました. 学校5日制の導入でタダでさえ授業コマ数の減少に苦慮していた学校側の事情はある程度知っていたので抵抗感をおぼえる内容でしたが,会合そのものがセレモニー化されたもので是の意思表示をせざるを得ませんでした.このとき義務教育現場で実学を教えることによくわからない違和感を強く感じたものです.

子供に株を教え込んでいる親の言によれば,「お金は生きる上で大切なのに学校では教えてくれない」 馬鹿もほどぼどにしなさいよ.生きる上で大切なのはお金ではないと教えることが教育なんでしょうが.・・・

著書を紹介するこんなクダリがラジオから流れた時,感じる物があったので,あわてて車を止め,メモを取ってその日のうちに書店に注文しました.
 
アマゾンも思い浮かびましたが,地元書店の存続も大事です.

内容は平易な言葉使いながら,時代への迎合を一切拒否したハードな思索の吐露が主体です.カバー奥付に載っているかつてモデルでもあったという美しい写真のイメージとはまったく印象の異なる内容です.

社会・大衆に対するややステレオタイプな前提が気になる箇所がありますが, あわただしく情報・知識が行きかう日常でじっくり考える習慣をすっかりなくしてしまった身には,年初の良い刺激となる本でした.

なお池田氏は昨年 2月23日,腎臓ガンのため46歳の若さで逝去とのことです.合掌

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