大島の空の下で

伊豆大島在住の中年のおっさんのブログです.日々の出来事を綴っていきます.一部は mixiとマルチポスティングしています.

【HAM】まだ格闘中(FT-107)

2010-10-24 19:12:29 | Weblog
先週新島のレピータをメンテナンスに行った折に現地局からいただいたFT-107をレストア中です.

「QRTした某OMからのもらい物で電源投入したらモクモクケムリが出た.手に負えないので持って行って」と言われ,断ると不燃ごみになるのでサルベージしてきた物です.長年放置されていたものらしく複数の故障箇所があり楽しませてもらっています.
この機種の発売は79年8月です.固体化されていますがHF機のゼネカバ受信が当たり前となる寸前の世代にあたりWARCバンドがないところから初期タイプのようです.

前面パネルの色はグレーですが107にはホワイトバージョンがありタレントの大村崑氏(exJH3AHQ)のシャックに鎮座する姿が雑誌のグラビアに掲載されたことがあります.
発煙の原因は終段の電源ラインに接続された複数(3コ)のタンタルコンデンサがレアショートを起こしたためでした.このままで電源を投入するとDC IN端子でショート状態となるためクダンのタンタルを基盤から切り離して様子を見たところ送受信できるようになりました.

いろいろいじってみると発売時鳴り物入りだったアナログVFOの周波数を記憶するオプションメモリはないもののCWナローフィルタは実装されておりピークフィルタやノッチも動作するので電信運用にはまだ充分の性能がありそうです.
シメシメと思いながら電鍵をつないでセミブレークイン動作させると何回かの送/受信を繰り返した後に送信状態で固定してしまいます.SSBでVOX動作させても同一現象が起きます.昨晩までにDELAY回路周辺のコンデンサを交換してみましたが変化なし.このリグのVOX制御にはNANDゲート4個入りの14011というCMOS論理ICが使用されています.次はこれを交換してみたいのですが,あいにく74シリーズしか手持ちがありません.次回の上京ではアキバ詣が必須となりました.

ところでこのリグはFT-101の流れを組んでいるだけにユニット化された各基盤はマザーボードにスキマ無く垂直に挿入されており切り分けや動作時の電圧測定がやりにくいことこの上ありません.そんなニーズのためにプロ機器の場合は「引き出しパネル」というオプションがあるのですがこのリグの場合存在するとしてもメーカーや販売店のSS部門にあるだけと思われます.今回修理を手がけてみてユニット化はアマチュアが内部に手を入れて楽しむのにははなはだ都合の悪い実装方法であることを実感しました.

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5 コメント

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Unknown (FT-107SM)
2010-11-07 14:03:20
私もFT-107SM(パネル白)を最近、クリスタルテック株から中古で入手しました。動作品であるとのことでしたが、調子が悪いのです。全てのユニットを外して、部品を交換しているのですが、互換品を調べながら苦戦して作業中です。回路図はネット上にあったので入手しましたが、取扱説明書と調整要領がわかる資料が無いので困っております。当ページを見て、同じように同機をメンテナンスされている方がいることを知り、たまらなくなってコメントさせていただきました。
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コメントありがとうございました (管理人)
2010-11-09 20:49:57
Unknown (FT-107SM) 様

こん○○は.
FT-107の中でも特に白バージョンは発売当時斬新なカラーリングで当時のハムはだれでも一度はあこがれた機種ではないかと思われます.
オールトラ化リグとはいえ30年余の歳月は部品の劣化をまぬがれること叶わずアチコチに支障を抱えているようです.特にタンタルコンデンサのVCCラインへの採用はこのコンデンサが劣化したときにショートモードでお釈迦になることを知る技術者ならやるべきではなかったのではないかと愚考します.デカップリング用でしたがLOWバンドで動作させてみた限りでは,なくても発振は生じないようです.終段ユニット内のパンクしたものは取り外しましたが他にもまだついていますのでその内にまたパンクするのではないかと思います^_^;
本文にあるとおり拙シャックに入院中の107はタンタルコン破裂以外にIFユニットに故障を抱えていましたが幸いオークションで同一バージョンの該当パネルを廉価で入手できたため,交換して回復しました.レストアを楽しむという立場からすれば邪道ですがとりあえず正常動作するようになりました.交換の際マザーボードとの嵌合部分や半固定VRなどを接点洗浄したところ接触不良に対してかなり効果があったようです.なにしろどちらも30年物のユニットですので.
レストア後の試運転としてオンエアしてみたいところですが,10平米に満たない拙シャックはJST-135・TS-830Sはじめ軍用機や真空管ラジオで足の踏み場も無い状態.簡単にセッティングしてQRVとはいかない状況となっております.いつまでも手元においてあげられる広さではないですが,手放す前に一度は電波を出してあげたいと思っています.

なお,取説は英文ですが,下記のURLにあります.

http://pdf.textfiles.com/manuals/SCANNERS-S-Z/Yaesu-FT-107M%20Instruction%20Manual.pdf
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Unknown (FT-107SM)
2010-11-10 03:27:32
取扱説明書のURLの件、ありがとうございました、本当に助かりました。これで、出来上がった機体の調整まで進めることが出来ます。私のFT-107SMは10W出力のモデルですが、部品を全部互換品に替える作業を毎晩遅くまでしております。部品の交換は、ダイオード、トランジスタ、FET、ケミカルコンデンサ位ですが、タンタルコンデンサの交換ですか、アドバイスありがとうございさした。半固定ボリュームは、外してアルコールクリーニングしていたところ、劣化でカーボン部分のベークライトがまっ2つに折れてしまいました。ソリッドステート機はパーツさえあれば治せるので、このような機体しか治す自信がありません。トランジスタ規格表と互換表で調べて頑張っています、どうかまたご指導ください。当方は、浜松市在住です。
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クリーニングについて (管理人)
2010-11-10 22:32:18
レストアが成功すると良いですね.なおワタシはパーツや接点の洗浄には呉工業(株)のクイックドライクリーナーを使用しています.完全揮発性なので洗浄後ベタ付きが残らず接点復活剤のように後でホコリの付く原因とならなくてFBです..半固定VRも基盤につけたままで洗浄できます.
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励みになります。 (FT-107SM)
2010-11-11 01:20:28
お忙しい中、ご丁寧に回答下さりありがとうございます。ドライクリーナー早速使用してみます。壊れた半固定VRは横型のトリマポテンションに置き換えたところ、良好に動作しているようです。ご教示いただいたマニュアルのURLをたどってゆくと、テクニカルマニュアルの2と3があって、RXとTXがどのような系統を通ってゆくのかが明らかにされており、参考になりました。管理人様ありがとうございます。160mバンドで中波ラジオが聞けるのですが、もう少し下の周波数で、せめて1300khzから上位までで良いから受信できれば、BCLとしても利用したいのですが、水晶発信子の知識も含め、私には限界でした。管理人様のブログは楽しいですが、当ブログ上での書き込みが公になってご迷惑でしたら申し訳けございません。
info@homer.pgw.jp
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