大島の空の下で

伊豆大島在住の中年のおっさんのブログです.日々の出来事を綴っていきます.一部は mixiとマルチポスティングしています.

本当に理解不能なのか?

2008-07-22 22:05:25 | Weblog
川口市で15歳の長女が父親を刺殺したとされる事件のことです.悲しい事件ではあるけれど,あまりにも唐突で動機がまったく不明というのがマスコミの主要な論調のようです.先月の秋葉原の事件を上げるまでもなく動機が理解不能という殺傷事件が毎週のように起こる時代になってしまったようです.

でも,今回の「親殺し」は心理学の入門書では真っ先に出てくるテーマです.フロイトの言う「父親殺し」願望は男子のエディプスコンプレックスに特有のもののようですが,それでも学問テーマとしての思索は尽くされているのではないかと思うのです. 識者の英知を総動員して原因を探ってほしいものです.そのことにより,実際に行動に移すことは稀でも親に対して精神の均衡を保つことに苦痛を感じている子供たちに何らかの救いを与えてほしいと思います. その程度のことが実現できないのであれば心理学は単なる知的ゲームであって社会の運用ツールとしての存在意義はないに等しい…という気がしてきます.

押収した漫画やゲームのなかでは 「ひぐらしのなく頃に」が注目されているようです.今回初めて名を聞いたゲーム&漫画ですが. ワタシが知らなかっただけで多くのファンをもつオカルティックな物語なようです. 秋葉原事件ではナイフが使われたとして即座にナイフの規制が強化されましたが,今回はこのコンテンツが主要な原因として取り上げられる動きがあるようです.また,見当違いの対症療法が行われようとしている気がします.

映画版「ゲド戦記」は宮崎駿氏から苦言を受けたとはいうもののジプリ産の良質のアニメですが,王子レバンネンが心の均衡を失なった状態で衝動的に父王を殺害する場面があります.不安定な精神状態のティーンエイジャーの行動としてこのストーリーを自然に受け入れさせる力のある作品でした. 日本テレ系で放送されたのが7月11日21時. 犯行の行われたのが7月19日午前3時.  ワタシ自身はこの映画の放映日と惨劇の時間的な近さがとても気になっているのですがこの点に触れたものをまだ読んだことがありません.もちろん万一直接のきっかけであったとしてもあのシーンが規制されるいわれは一切ないと思っています.

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2 コメント

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Unknown (管理人)
2008-07-26 08:41:47
とおりすがり さん

物語のご紹介ありがとうございました.おっしゃるとおり ある一点だけを取り上げセンセーショナルに原因に結びつけるようなロジックは,論者自身の未成熟を表すものだと思います. そんな解説がもっともらしく一人歩きするようでは.この国の成熟度そのものをあらわしているのかもしれません. 
第二次世界大戦に負けた日本はアメリカの占領軍に事実上統治されていた時期があります. その司令官であるマッカーサーは当時 「日本は12歳の少年である」という言葉で成熟度を評しました. そのころから全然成長していないということなのでしょう.
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ひぐらしのなく頃に (とおりすがり)
2008-07-24 10:23:08
この作品は昨年9月に起きた父親殺害事件でも関係を取りざたされ、放映されていたアニメが途中で打ちきりになる局が出るという曰く付きの作品ですね
ただ原作を読んでいただくと関連がない事が分かると思います
作中でたしかに少女が斧で人を殺すというシーンは「罪滅ぼし編」という章であります
しかしこれは自分の身を守る為の正当防衛であり、唯一の家族である父親を守る為に行われる行動で事件とは真逆の理由なのです
しかも彼女はそれによって深く傷つき、精神を病んでいくのですが、それでも彼女は自分が愛する村の事や仲間の身を案じているという…
「少女が殺人を犯した」という一点だけをとりあげ、その背景などを切り捨ていかにも原因であるかのように報道する今のテレビのやり方は何かが違うと思います
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