JS1XQX・サイタマMS118

アマチュア無線・市民無線(CB)・特定小電力無線(特小)、デジタルコミュニティー無線(LCR)

考察

2019年09月19日 | 日記

昔やった勉強のおさらいで考察してみます。

 

【電波の見通し距離と送受信アンテナ高の計算】

 サンプルデータとして、今回のQSOデータで検証してみます。

   鳥海山 ~ 北奥千丈岳  

4,121×(√ H1+√ H2) 

√=ルートです。

H1=(鳥海山の標高+アンテナ高)=2229m+1m=2230m

H2=(北奥千丈岳の標高+アンテナ高)=2601m+1m=2602m

 

(こちらのリンクで数値を入れると計算してくれます。)

http://www.jh4vaj.com/archives/5238

計算結果:404.82Km

カシミール測定距離:378Km

机上計算では、上記の2点間距離が404Kmまで離れても交信が可能、

つまり378Kmであれば、電波の見通し距離内と言うことになります。

これが2点間の距離が405Kmを超えていることになれば、他に何らかの

影響を及ぼしている要因が存在することになります。

CBの場合、特に影響を及ぼしていると思われるのが対流圏伝搬です。

上空の10~15Kmにある対流圏で、日の出前後の暖かい空気と冷たい空気が

急激に入れ替わる際に屈折現象が起こり、電波が遠方まで伝わります。

日の出前後に電波の見通し距離以上のQSOが出来る場合は、この影響を受けていると

推測されます。

日の出前後はQSO可能だが、それ以降はQSO出来なくなるのも特徴の一つかと思います。

CBに近い周波数の28MHzでのエピソードを一つ。

以前、ALL JAコンテストの28MHzで参加した時、同部門で3連覇した28MHzの猛者から

アドバイスを貰ったのは、”朝方、東ビームにすべし” と言う事でした。

東ビーム?にしてマルチなんか取れる訳ないだろうと思いましたが、実践すると北海道のマルチが

面白いようにとれる。

これ、日の出方向にビームを向けて、対流圏伝搬でマルチを取る方法なんですね。

これを知らないと、本当の見通し距離と突発的なEスポ頼みしかなくなります。

 

<ALL JA コンテスト 2011年、2012年>

https://www.jarl.org/Japanese/1_Tanoshimo/1-1_Contest/all_ja/2011/entry.html#X28

https://www.jarl.org/Japanese/1_Tanoshimo/1-1_Contest/all_ja/2012/entry.html#X28

 

【方パスについて】

片パス:相手からの電波は到来するが、こちらからの電波は届かない。(1way)

アマチュア無線の世界では出力やアンテナの違い、つまり設備差によって起こる可能性は良くあることですが、

これだけでは説明のつかない電波伝搬上の特性として起こる場合があります。

周波数は違いますが、アマチュア無線の世界でも報告されています。

やはりこれも大気による影響を受けている可能性が大きく、飛来する電波は大気の影響で屈折等により飛来するが

こちらからの電波は屈折圏内に電波が乗らずに飛んで行かないのではないかと思います。

特に、停滞前線(温暖前線と寒冷前線が交わる部分)が絡む場合などに、方パス現象が現れるような気がします。

 

今年の秋の一斉オンエアデイ 天気図で考察。

(2019年9月15日)

 

太平洋側に停滞前線が少しかっている。

これが影響したのだろうか。

 

(2010年7月24日)

 全国的に高気圧に覆われている。

午前中の大気の状態は安定していると思われる。