*敬称略 悪しからず
山田洋次監督の映画「隠し剣鬼の爪」(平成16年10月公開)
この映画の中で、片桐宗蔵(永瀬正敏)が、師の余呉善右衛門(田中泯)から
伝授され、狭間弥一郎(小澤征悦)を倒した剣技が、"邪剣竜尾返し"に登場
した"竜尾返し"である。"鬼の爪"はまた別の剣技である。
どちらも、こけおどしの剣法ではなく、実践に使える剣技であった。
藤沢が自ら立ち回り編み出したのだ。
山田監督は、いくつかの短編作品を料理して映画に仕上げたと云う事である。
実際、当初の題名は「雪明り」(初出 「小説現代 S51・4月号」)であった
そうだ。
添付は、小説現代 1997年(平成9年3月号) 追悼として再掲載されたもの。
「雪明り」は、藤沢周平の成就しなかった恋を思わせる作品であり、
名作の呼び声が高い。
声に出して読みたくなる美しい文章である
「雪明り」には、実際の後日譚につながる話があるのだが、それは
いつか「雪明り」を取り上げたときに記すこととしたい。