40歳まで「趣味は?」と聞かれると、「特になくて、無趣味が趣味で」と
答えるのが常だった。
その頃の読書は仕事関係を除けば「藤沢周平」の作品だけと云う有様。
趣味読書とは、とても言えない。
だが、他部門や他社との交流会へ出席、懇親会なども多くなり、無趣味と
答えるのは、気取ってるのか・・みたいな感じになって来た。
「将棋」か「囲碁」を覚えようと決め、「藤沢周平は囲碁好き」を思い出し
「5年で5段」を目指した。
身近に指導者もいないし、碁会所の存在も知らなかった。
「囲碁入門書」と「囲碁年鑑」を購入し、毎日プロの打ち碁(棋譜)を並べた。
新聞社主催の大会に飛び込み参加。2年間は全敗。
3年目に入ると、同棋力には負けなくなった。
3年目の後半、大会で初段を取得。それから4年後5段に昇格した。
以来5段のままだが「趣味は囲碁です」と答えている。
一度でいいから「初段の藤沢周平と一局打って負かす」のが夢だった。
ただ一度機会があったのに、心残りの夢である。