死にかけたことが有る。
一番古い記憶から順に
①3歳か4歳くらいの時、家の近くの小川に落ちて流された。
大男に助け上げられた。危なかったそうだ。かすかに覚えている。
②中学二年の時、アルバイトでやっていた新聞配達・朝刊を配り終え
いつものように貨物船の線路の真ん中を歩いていた。この線路は
滅多に列車は走ってこない。と、後ろからボーボーと激しい汽笛の音。
振り返ると機関車の正面が、目の前いっぱいに有った。
声を出す事も出来ず、ただボーっとしていた(と思う)
次の瞬間、体が浮き横に投げ出された(自分で飛んだ記憶はない)
誰かに、ポ~ンと放り投げられたような感覚だった。誰もいない。
運転士の真っ青な顔が一瞬通り過ぎた。
③一人住まいで炬燵(炭火である)に入っいたとき、知らぬ間に顔を突っ込ん
で寝たらしい。強い力で引っ張り出されて助かった。誰もいない。
④会社勤めの時、泳げない私、仲間と海水浴に行った。
車の大きなチュウブの浮き輪につかまって沖へ(流されたと思う)
一瞬手が滑って沈んだ(おぼれた)足がつかない(海水を飲んだ。
こりゃぁ死ぬな、と思ったとき、強い力で海面に押し上げられた。
夢中でバタ足でもがいているうちに浅瀬についた(波だったのかな)
⑤夜、歩行者用の横断歩道を渡っていた時、猛スピードのタクシーに
跳ね飛ばされ、タクシーを越えて宙に舞った(この時気を失っていた)
激しくコンクリートの地面に頭からたたきつけられた(痛さは感じてない)。
「死んだ」と思ったと、目撃者数人が警察に話している。
この宙を舞っていた時、誰かにそっと地面におろされた感覚が残っている。
どれも他愛のない事なのかもしれないが、どなたか力持ちに助けられた。
この年になっても、柔らかな力強さに助けられた事を、忘れないでいる。