会社員のころ、転勤やスリッパ移動(同じビル内での移動)を合わせて
12回ほど移動した。
スリッパ移動はまだしも、転勤になると、荷物が邪魔。思い切った処分が必要。
おまけに移動した先の社宅に、先住民が使った机だのテーブルだのが
「お使い下さい」と置かれていたりする。中には年代物も・・・
お互い様なので、次に入居した者が、使わなければ処分する暗黙のルールだった。
だから出来るだけ荷物は増やさない。
多少の不便も慣れれば、どうという事はなかった。
赴任先の観光地でついつい買ってしまう小物・・、キーホルダー、手形だの
湯呑、焼き物、木彫り、結局は次の転勤時困ることになるのだが・・・
問題は「本」、20代のころから「文藝春秋」と「中央公論」を毎月読んでいた。
実家の物置に送り付けていたのだが、ある時その物置が老朽化でダメになった。
泣く泣く処分してもらった。三島由紀夫の自決写真が生々しい「週刊〇〇」
田中金脈の文藝春秋、山本周五郎全集(赤い函本)「月刊・海」など。
捨てるに惜しく段ボールに入れたまま、持って歩いた本も有る。
仕事関連の書籍はもちろんだが、
「中央公論・日本の歴史全巻」「小学館・国語大辞典全巻」「飛ぶが如く全巻」
そして、「藤沢周平の初出誌・単行本・文庫本・関連本のすべて」
惜しいのは、藤沢周平の初出誌(月刊〇〇、波、週刊〇〇)の大半が、いつの間にか
失われてしまった事。
本自体に大した価値はないが、私にとっては宝物である。
こうして、藤沢周平氏のことをブログに纏めて置こうとすると、
「あ~、あの初出誌あったのに、惜しいな~」と思い出したりするのだ。
文庫本のあらかたは捨ててしまった。
友人が「古本屋に持っていけば、昼飯代にはなるぞ」と云われた。
数年のうちに、今あるこれらの書物も処分しなければならない。
私にとっての宝物は、もうすぐゴミの山か~・・ちょと寂しい