残照亭の日日

残り少ない日々、自分の日常や古い話などを時々書きます。
故「藤沢周平」のファン。思い出の作品などを書いてます。

「藤沢周平」㉑~故郷はへその緒みたいなもの~

2023-10-23 | 藤沢周平作品

*敬称略 悪しからず

藤沢:・・ゴルフはやらない。文士劇とかも出たことないですね。

文士劇といいば、長部さん(長部日出雄氏)は上手いですよ。

トップクラスじゃないかと思いますよ。早稲田でなんかやったんじゃ

ないですか。セリフもなんかとてもね、東北の津軽とはとても思いない、

メリハリが効いて。

なまりは全然無し。なんかあれ、好きなんじゃないですか。

僕もそうだけど、長部さんにしても、津軽ってものから離れられない

ようですね。そう言ってましたね。

なんかこう、故郷っていうのは、へその緒みたいな物で、つながれて

いるような感じですね。

ただ、僕なんかこっち(東京)に居ると、冬なんか寒くてね、あのう、

冬なんか弱いわけなんだけどね。

田舎に帰って、11月、12月でも、一向平気ですもんね。

ウン、霰が降ろうとネ。

こっちは雪はあまり降らないけど、うん降らないですよ。

降らないけど寒いですよ。東北の冬と寒さと、また違った寒さでね。

意地が悪い寒さだね。

お正月だって、何の風情もないわけですよネ。

うちの方の田舎からは、これが月山が見えるんですよ。いまは高速道路が

走ってて、景色が悪くなったけど・・・

昔は私鉄の電車が走っていたけど、なくなりましてね、赤字で、

どうしょうもなかったみたいで、今はほら、みんな、車でしょう。

乗る人があまり居なくなったでしょう。

故郷はやっぱり懐かしいですよ」

ふるさとを書き残すためだったのか「春秋山伏記」「義民が駆ける」等々

故郷を思わせる作品も多い「海坂」ものは、代表作品の一つとなった。