*敬称略 悪しからず
藤沢:・・ゴルフはやらない。文士劇とかも出たことないですね。
文士劇といいば、長部さん(長部日出雄氏)は上手いですよ。
トップクラスじゃないかと思いますよ。早稲田でなんかやったんじゃ
ないですか。セリフもなんかとてもね、東北の津軽とはとても思いない、
メリハリが効いて。
なまりは全然無し。なんかあれ、好きなんじゃないですか。
僕もそうだけど、長部さんにしても、津軽ってものから離れられない
ようですね。そう言ってましたね。
なんかこう、故郷っていうのは、へその緒みたいな物で、つながれて
いるような感じですね。
ただ、僕なんかこっち(東京)に居ると、冬なんか寒くてね、あのう、
冬なんか弱いわけなんだけどね。
田舎に帰って、11月、12月でも、一向平気ですもんね。
ウン、霰が降ろうとネ。
こっちは雪はあまり降らないけど、うん降らないですよ。
降らないけど寒いですよ。東北の冬と寒さと、また違った寒さでね。
意地が悪い寒さだね。
お正月だって、何の風情もないわけですよネ。
うちの方の田舎からは、これが月山が見えるんですよ。いまは高速道路が
走ってて、景色が悪くなったけど・・・
昔は私鉄の電車が走っていたけど、なくなりましてね、赤字で、
どうしょうもなかったみたいで、今はほら、みんな、車でしょう。
乗る人があまり居なくなったでしょう。
故郷はやっぱり懐かしいですよ」
ふるさとを書き残すためだったのか「春秋山伏記」「義民が駆ける」等々
故郷を思わせる作品も多い「海坂」ものは、代表作品の一つとなった。