残照亭の日日

残り少ない日々、自分の日常や古い話などを時々書きます。
故「藤沢周平」のファン。思い出の作品などを書いてます。

藤沢周平⑯~どんな人だったのだろう~

2023-10-10 | 藤沢周平作品

藤沢周平氏の作品については、没後多くの方が書いている。

総じて誉め言葉が並ぶ。

だが、その人柄については、あまり触れられていない。

理由は簡単だ。会った事がないのだ。

例えば、「寒梅忌」のメンバーでも、教え子の方たち以外は

ほとんど会っていない。

藤沢氏について著作のある方でさえ、会った方はほとんどいないのだ。

そのなかで、「阿部達二氏」が文藝春秋特別号に、書いている。

阿部氏は、オール読物の編集長だった方。

藤沢周平氏が「遺書(遺書は全集で公開されている)」の中で、葬儀等の

相談相手に指名した人である。

*平成15年12月 発行

阿部氏は文中「~あの温厚な風貌と言動にもかかわらず藤沢周平は

狷介な人ではなかったかと私は思っている。(略)古い物の本には

『狷にはなさざる所あり』とある。(略)『死んでもやらない』という

強い拒絶の意志を示すらしい」と。

意訳すると〈意志強く、ガンコな面がある〉ということか。

そう云えば奥様のエッセィに「曲げない人だから・・」とあったのを

読んだ気がする。

藤沢は、強固な意志で苦難の時を乗り越えたという事なのだろう。