まず、昨日の反省から。阪神JFを制したのはアスコリピチェーノでした。新潟2歳S以来のレースとなりましたが、同じく33秒台の末脚を繰り出して、この世代では実力が確かな馬であることを示しました。馬券の方は、朝のねらいで2枠のキャットファイトを推しましたが、昨日の阪神の枠連の動きを見ていると、10Rまで258枠よりも147枠の方が強勢に感じたので、キャットの軸は厳しいと考え、147枠を軸に変更することにしました。どの枠から入るか。7枠のサフィラが人気上位でしたが、前走アルテミスSでチェルヴィニアに完敗の2着だったことが気になり、無敗の4枠アスコリの方が勝ち馬にふさわしいと判断して、こちらを軸に据えることにしました。この選択は結果的に「正解」でしたが、2着に来たステレンボッシュを最初から切っていたので、残念ながら馬券の方は獲れませんでした。ステレンに騎乗したルメールさん、最後に末脚を爆発させる見事な騎乗を見せて、あわや……というシーンをつくりました。さすがですねぇ。他の騎手さんだったら入着までだったような気がします。今後は人気にかかわらずルメールさんを切るのはやめときましょう(笑)。
次の日曜は同じ阪神の舞台で2歳GⅠ朝日杯FSがあります(「2歳牡馬のGⅠ……」と書こうと思ったんですけど、牝馬の参戦があるので)。阪神JFの上位馬には、持ち時計と上がり脚の差がけっこう反映されていたと思うので、まずは主要馬の持ち時計から見てみます。
朝日フューチュリティ【2023年12月17日阪神11R】出馬表、予想 | 競馬ラボ (keibalab.jp)
朝日杯フューチュリティステークスの過去10年データ、好走馬一覧(2023年12月17日阪神11R) | 競馬ラボ (keibalab.jp)
1)持ち時計
過去10年は2018年の小雨を除き、晴・良馬場で施行されています。勝ち時計の平均は1分34秒03、上がり脚の平均は34.58秒で、阪神JFよりも若干時計が劣るのが意外な感じですが、ここも近年時計が速くなっていますので、目安としてマイル時計1分33秒台、34.0を切る上がり脚があれば「有資格者」と考えてよいのでは、と思います。以下にマイル時計上位の馬を並べてみます(〇数字は人気順)。
・シュトラウス 23/10/07東京 良 サウジRC ②3着 1分33秒7 34.3
・ジューンテイク 23/12/03中京 良 こうやまき賞①1着 1分34秒0 34.7
・クリーンエア 23/08/27新潟 良 新潟2歳S ④3着 1分34秒1 33.6
・タガノエルピーダ(牝馬)23/10/14京都 良 新馬 ②1着 1分34秒3 33.5
・ジャンタルマンタル 23/11/11京都 稍 デイリ2歳S①1着 1分34秒5 34.7
・エンヤラヴフェイス 23/08/27新潟 良 新潟2歳S ③7着 1分34秒7 33.7
・オーサムストローク 23/10/01中山 良 未勝利 ①1着 1分34秒7 35.1
・ナムラフッカー 23/11/11京都 稍 デイリ2歳S⑩3着 1分35秒0 34.5
マイル以外の他距離組については、1400mからは、
ダノンマッキンリー1分20秒7(34.0)、バンドシェル1分21秒2(34.1)、ミルテンベルク1分21秒3(34.1)、サトミノキラリ1分21秒7(33.8)など、
1800mでは、
シュトラウス1分46秒5(34.9)、エコロヴァルツ[札幌]1分48秒8(35.6)、セットアップ[札幌]1分48秒5(35.6)などです。
過去2年の3着以内馬の前走の時計も比較のために並べてみます(頭の□は着順です)。
<22年>
1⃣①ドルチェモア 22/10/08東京 良 サウジRC ②1着 1分33秒3 33.3
2⃣②ダノンタッチダウン 22/11/12阪神 良 デイリ2歳S①2着 1分33秒3 33.1
3⃣③レイベリング 22/11/26東京 良 新馬 ②1着 1分35秒4 33.1
<21年>
1⃣③ドウデュース 21/10/23東京 良 アイビーS ②1着 1分49秒3 34.0
2⃣①セリフォス 21/11/13阪神 良 デイリ2歳S①1着 1分35秒1 33.4
3⃣④ダノンスコーピオン 21/10/30阪神 良 萩S ②1着 1分48秒5 33.5
過去の上位馬との持ち時計の比較からは、今年のメンバーの時計、特に上がり脚はやや物足りない感じがします。シュトラウスが実績でリードしているものの、時計的に抜けている印象はありませんし、札幌2歳Sを逃げ切り勝ちしたセットアップを評価するなら、札幌で同様の時計で勝っているエコロヴァルツも同じレベルと見なければなりません。あとはダノンマッキンリーあたりになるでしょうが、こうなると阪神JFが抽選漏れになって、牝馬で参戦してくるタガノエルピーダも、意外に好勝負をするような気がしてきます。他馬にもつけいる隙は十分ありそうです。
以下、過去10年の3着以内の馬たちから傾向を探ってみます。
2)前走(ステップ)※( )内は今回の該当馬、〇数字は人気順
〇デイリー杯2歳S 7頭 (ジャンタルマンタル①1着 エンヤラヴフェイス⑧2着 ナムラフッカー⑩3着
クリーンエア⑥8着)
〇サウジアラビアRC 6頭 (※該当なし)
〇京王杯2歳S 4頭 (バンドシェル⑦4着 ミルテンベルク②5着 アスクワンタイム③10着)
〇ベゴニア賞 2頭 (オーサムストローク②1着)
〇新馬 2頭 (タガノエルピーダ②1着)
〇未勝利 2頭 (タイキヴァンクール①1着 タガノデュード②1着)
3)血統
ここも多様ですが、ノーザンダンサー系だけは押さえておいた方がよさそうです。
〇父ノーザンダンサー系
・セットアップ(父デクラレーションオブウォー=ノーザンダンサーの曾孫)
・バンドシェル(父バンドワゴン=ノーザンダンサーの玄孫)
〇母父ノーザンダンサー系
・オーサムストローク(母父Frankel=ノーザンダンサーの曾孫)
・タイキヴァンクール(母父キングヘイロー=ノーザンダンサーの曾孫)
・ダノンマッキンリー(母父Holy Roman Emperor=ノーザンダンサーの曾孫)
4)JRAホームページのデータ分析
JRAのホームページのデータ分析で強調されているポイントは以下のとおりです。
①マイル重賞からの転戦馬が中心
②前走で負けた馬は割引き
③キャリア5戦以上は圏外:4戦に妙味
データ分析:朝日杯フューチュリティステークス 今週の注目レース JRA
これは阪神JFよりもさらに混戦のような気がします。さしあたって、重賞を勝ってきたシュトラウス、ジャンタルマンタル、セットアップらから軸馬を選ぶのが無難だと思いますが、時計的には牝馬で参戦予定のタガノエルピーダも十分好勝負可能でしょう。例年上位人気の馬が強いレースですが、今年はレベル的に一頭くらい人気薄が突っ込んできても驚けないと思います。今のところ中心馬はジャンタルマンタルを考えていますが、エコロヴァルツとセットアップが先行してペースが上がれば、タガノエルピーダの末脚が炸裂するかもしれません。騎乗予定の団野くんの腕に期待するのもありだと思います。あとは重賞経験馬たちですが、中では、前走京王杯2歳Sを③人気10着だったアスクワンタイムが今回人気を下げるようなら、血統からも巻き返しの期待ができるのでは、と思います。前走は+14㌔で太かったですし、スタートでやや出負けした格好でしたので、鞍上・岩田望に戻って一変した走りを見せるかも知れません。
ということで、本日もお読みいただきありがとうございました。有馬まであと2週となりました。このレースをしっかり当てて、グランプリに向かいたいものです。今日も一日がんばっていきましょう。