長く競馬で馬券を買っている人には、それぞれの予想術があると思います。私も昔は競馬新聞を買って、調教の数字を見ながら、坂路調教の800mで50秒を切ったり、上がりを11秒台、馬なりで走ったなどという馬を見つけると、人気にかかわらず馬券を買って、当たると喜んでいましたが、レースの持ち時計や調教タイムの速い馬を狙うというのはわかりやすい理屈です。しかし、これは誰もがわかる説得的な予想術ですから、それでみんなが馬券を買ってその通りに決着したらオッズは確実に下がっているわけで、馬券を獲れたとしても高配当はのぞめませんし、たまに大波乱のレースがあれば、評論家の方々の多くもそうだと思いますが、「まさかあの馬がくるとは、まったく予想できませんでした」と一緒に脱帽するしかありません。
そこで、穴馬を見つけるためには血統なども少し勉強した方がいいと思い、詳しい人の話を聞いたり、書かかれたものを読んだり、自分で統計をつけたりなどしたこともありました。確かに、芝の中距離ではディープインパクトの産駒は強かったし、中山のダート1200ではサウスヴィグラスやキンシャサノキセキの産駒がまた来たなあと思いましたし、ノーザンダンサーのクロスには底力があるとか、それなりの「知識」を得た気はします。実際、これをもとに大きな配当を得たことも何回かありました。
しかし、宮田比呂志さんの予想術は、こうしたものとは全然異質で、最初は「ほんまかいな」と思いました。人によっては「オカルト」だと言う人もいます(私にとっては血統だって最初は十分「オカルト」でしたが)。私が最初に読んだ宮田さんの著書は、『「勝馬」統計学 史上最高配当を当てた理論』(講談社+α新書 2006年)で、その中で宮田さんはいろいろな馬券術を紹介しています。一番大きな影響を受けたのは、予想をまず枠番に特化、単純化する考え方です(馬は何頭出走しても枠番は8つまでしかありませんから、これは単純でわかりやすい話です)。馬の人気だけでなく枠番の人気順については、このブログでも、レース予想のたびに触れていますが、宮田さんは、枠番を1・4・7枠と2・5・7枠と3・6枠の3つにグループ分けし(麻雀がわかる人は、あれ、と思うかも知れません)、その日のレースによって、グループの出目に強弱があるので、強く出ているグループの枠を先読みして狙うべきだというのです。
たとえば、4日前の2月12日日曜の東京競馬の第10レースまでの3着以内に入った枠番は以下のようでした(*参考までに、左前の小さい数字は枠の人気順です)。
1着 2着 3着
1R 17 28 34
2R 54 15 15
3R 14 14 65
4R 74 35 53
5R 12 46 38
6R 18 26 63
7R 18 24 18
8R 18 26 53
9R 65 31 65
10R 43 28 77
3Rだけ3着でしたが、その他は1・2着に2・5・8枠のどれかが入り、この流れが10Rまで続いています。この日の東京11Rは共同通信杯でしたが、私は、この日の東京の枠番の流れを258枠が強い日ととらえ、加えて、枠の人気では1番人気が強く出ていると思ったので、1番人気枠だった5枠に狙いをさだめ、2番人気タスティエーラではなく、ウラ人気(5番人気)になっていたタッチウッドから入りました。同馬は結果2着に粘ってくれました。
11R 46 15 21
ちなみに、続く12Rは1・2・3着馬が13・4・9番人気で決まって大波乱となりましたが、2着に入った馬は5枠の馬でした。しかも258が枠人気で5番人気以内に収まっているケースですから(2枠=2番人気、8枠=3番人気、5枠=5番人気)、ここは経験則にしたがって最も人気のない5枠から狙えたところです。残念ながら、このレースは獲れませんでしたが、こういうのを狙って当てられるようになると本当にうれしいものです。
12R 83 55 76
日曜の東京は1Rから12Rまできれいに258枠でつながりましたので、今回ブログでとりあげることにしましたが、いつもこんなにきれいに目がそろうわけではありません。途中1回休みくらいは「(馬神さま or JRAの?)目くらまし」で当然だ、くらいに考えた方がいいのですが、この「枠番のグループ理論」、少しは予想する際の参考になるのではと思ってご紹介したところです。
週の折り返しが過ぎて、土日に出走をひかえる馬たちの追い切り情報が入ってくる頃になりました。明日は調教の様子を伝える記事や動画などをいろいろ集めてみたいと思います。今日もお読みいただきありがとうございました。週末に向けて今日もがんばりましょう。
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