(現役時代のサンデーサイレンス JRA-VANの記事より)
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木曜は、シリーズで敬愛する宮田比呂志さんの著書から、その馬券術を引用して勉強させてもらっています。先回から宮田さんはどうやって軸馬を決めているのかという話になっていますが、先週は【タイム】(持ち時計)でした。今日は、私もブログでたびたび言及する【バイオリズム】の話です。宮田さんによれば、その「パターン」は10を超えるようですが、今回は最も基本的な型についてだけ、解説をしてもらいます。
馬の体調は3分で変わる ――
……【バイオリズム】といっても、いわゆる体調・精神状態を表すものではありません。私には馬の体調やら気分の良し悪しはわかりません。天才・武豊騎手が「馬の体調は3分で変わる」と言ったぐらいなんですから、シロウトの私にはわかるわけがありませんわ。まあ、武豊騎手の言も、半ば冗談でしょうけど……。
私の言う【バイオリズム】とは、全成績の数字からその馬の運気の良し悪しを判断しようというものなんです。文字通り、出走してきたそれぞれの馬の「数運」がわかるんですわ。
ずいぶん前のことになりますが、全成績の数字の並びを見ていて、全体の数は整った形の良い方向に動こうとしていることに気づいたんです。
はじめは半信半疑だったんですが、それを馬券検討に取り入れてみると、的中率が飛躍的にアップしたんです。私の馬券検討における転機でしたな、これが。推理だけではつかみきれない部分に目を開かせてくれ、やがて「流れを読む=数運をつかむ」という方法論を完成させることができたんですから。
そこで、統計を取り研究を重ねて、全成績の【バイオリズム】にはいくつかのパターンがあることがわかりました。現在では11のパターンを使い分けていますが、中には有効性にムラのあるものや、むずかしいものもあるので、ここでは私が主力にしている2パターンを挙げることにします。
通常縦組みにされた全成績は、上から順に1着の総数・2着の総数・3着の総数・4着以下の総数を表しています。【3・1・2・5】とあった場合、1着3回、2着1回、3着2回、着外5回となります。
この数列を読むことで、その馬の今度のレースの運気の良し悪しがわかるんですわ。ホントに不思議ですなあ。
私たち馬券を買うほうにも、当の馬にとっても、レースで1着になることが最好運、次いでは2着、3着になることが好運なことですから、数列も「3着までの総数と着外の総数」と「1着の総数と2着以下の総数」で、運気の良し悪しを判断していきます。
①5割復帰型
【1・2・3・7】と出馬表に記された馬がいるとします。今回走って1、2、3着のどれかに入ったとすると、全成績は【2・2・3・7】【1・3・3・7】【1・2・4・7】のうちのいずれかになりますね。
1着+2着+3着の総数と着外の総数を見てください。どれも7と7にそろいます。数列は安定した形になるんですわ。こうしたパターンにある馬はおもしろいように激走してくれます。「数運」が後押しするんでしょうなあ。
1着+2着+3着の総数が全レース数の2分の1になる。例に挙げた成績では、1・2・3着の総和は7、レース数の総和は14で、ちょうど半分になりますから、私は「5割復帰型」と言ってるんですが、ちょっと仰々しいですな。3着までの総数が、着外の総数と同じになる動きと覚えておいてください。……
②対比型
【2・1・1・1】の全成績の馬の場合、今回1着になると【3・1・1・1】になります。1着総数と2着以下の総数が3:3でそろいます。このパターンにある馬も運気が良いんですな、よく好走してくれます。【2・0・1・2】でも同様に扱います。
07年11月10日、東京競馬11レース・京王杯2歳Sに出走したドリームシグナルは【1・0・1・1】の全成績。1着になれば【2・0・1・1】となり、対比型のパターン。結果は12番人気ながら2着と好走し、馬単1万4770円、3連単17万2300円の立て役者となりました。
ハイリターンを狙う私たちにはあまりありがたくないんですが、人気の馬が5割復帰型や対比型にある場合は堅い軸馬となります。3連単の場合、配当は低くても確実性が増すんです。……
(宮田比呂志『「数運」をつかむ技術』 91-96頁)
<続>
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