和歌山毒物カレー事件について(佐藤優 連載2009/8/28)佐藤優 --宮崎学--安田好弘--魚住昭

2009-08-29 | 死刑/重刑/生命犯
安田)えん罪が証明された免田栄さんだって、誤った古畑鑑定によって有実とされたんですよ。そういうことをなにも学んでいない。 佐藤)それは裁判官が哲学を勉強していないからです。認識を導く関心があって、無意識のうちにそこがでてくる。鑑定に当たってこれは林真須美さんの毛髪だというのではなく、この髪の毛から何が出てくるか調べてくださいと言うべきだった。 安田)次に問題となるのは、動機が分からなくて量刑ができるのかということなんです。あの事件、犯人を本当に死刑にできるかということが問題です。裁判所は未必の故意だと認定しているわけです。未必の故意というのは、故意と過失の中間くらいの話。殺そうとは思っていない。でもこれをやると人が死ぬかもしれないなというくらいの話。殺してやろうというのと本質的に責任の重さが違います。それなのに極刑を出す。量刑のいい加減さ、これくらいやっておけば、社会は納得するだろう、世間が大騒ぎしたんだからこれくらいやっておけばいいだろうと。しかし、動機なんて考える必要ないと最高裁はわざわざ判決書に書いている。こんな判決見たことない。裁判員裁判が始まる前に手本を示したんだと思いますよ。 . . . 本文を読む