【衝撃事件の核心】「殺害男性が夢に出る」 窃盗容疑の男が明らかにしたドラム缶死体遺棄事件

2009-10-12 | 死刑/重刑/生命犯

〈産経ニュース2009.10.12 18:00〉
 「実は人を殺して遺体を海に捨てました。被害者が夢に出てくるんです」-。福井県の小浜湾でドラム缶に入った男性の遺体が見つかった事件。その犯行が明らかになったのは、車の窃盗容疑で逮捕された遊び仲間の配管工、中島充昭容疑者(26)=大阪府泉南市信達市場=ら男2人が、勾留期限間近の9月中旬、思い詰めた様子で取調官に漏らした告白からだった。遺体が海底から浮かび上がってこないようドラム缶を念入りに細工する周到さの半面、犯行後は良心の呵責(かしゃく)にさいなまれていたらしい。
 中島容疑者と無職の米次(こめつぐ)公(あきら)容疑者(27)=大阪府泉佐野市長滝=ら3人は泉佐野市内で軽乗用車を盗んだとして、8月下旬から9月下旬にかけて窃盗容疑で逮捕された。
 勾留期限が近づき、「最後に何か言うことはないか」と問いかける取調官。中島容疑者は遊び仲間だった相良雄一さん=当時(19)、大阪府和泉市鶴山台=の殺害を突然打ち明けた。この話を捜査員から差し向けられた米次容疑者も、「そうなんです」とうなずいたという。
 被害者が夢に出てきてよく眠れなかったという2人。ともにせきを切ったかのように犯行の一部始終を話し始めた。
 4月26日、大阪府泉南市内の駐車場に相良さんを呼び出し、集団で殴るけるなど激しく暴行。相良さんが意識を失ったため、米次容疑者宅に運び込んだが、病院にも連れていかず、3日間放置して死亡させた。
 このため、4月29日には遺体の処理方法を互いに相談。ドラム缶に入れて福井県の海に捨てることに決め、その日のうちに、中島容疑者がドラム缶を勤務先から調達。この日深夜、車2台に分乗して福井県おおい町へ向かった。
 ドラム缶には念入りに細工が施された。
 人目のつかない同町内の雑木林で、遺体のひざを折り曲げてドラム缶に押し込んだうえ、つっかえ棒数本を横に差し、ふたを針金で固定して遺体を封印。ドラム缶の側面には中の空気を逃すための穴を数カ所開け、重しの石や土嚢(どのう)も詰め込んだうえ、小浜湾に架かる「青戸の大橋」(全長743メートル)から、ドラム缶を海に投げ捨てた。
「お仕置きで殴った」
 大阪、福井両府県警の合同捜査本部は9月25日に殺人と死体遺棄容疑で大橋付近の海域の捜索に着手し、今月5日にドラム缶を発見、引き揚げた。
 ドラム缶の遺体はほぼ白骨化した状態。司法解剖した結果、死因は不明だが、20歳前後の男性と判明した。
 相良さんの家族は今年5月、和泉署に家出人捜索願を届け出ていた。死亡推定時期は4月で、相良さんが行方不明になった時期とほぼ重なる。身元特定には至らなかったため、捜査本部はDNA型鑑定を行うことにしているが、ドラム缶の特徴なども供述と一致しており、捜査本部は遺体は相良さんとほぼ断定した。
 暴行した理由について中島容疑者は「貸したバイクやゲーム機を返さないので、お仕置きのつもりで殴った」と供述したという。
 中島、米次両容疑者は一連の経緯を洗いざらい話し終えると、取調官に感謝の言葉を言い、ほっとした表情を浮かべたという。
少女3人も関与
 遺体が見つかったため捜査本部は今月6日、死体遺棄容疑で、中島、米次ら3容疑者を逮捕。さらにいずれも17歳で、府立高校3年の少女2人と無職少女も逮捕した。
 このうち、無職少女は「意識を失った相良さんを病院に運ばなかったのは、警察にばれるのがいやだったから。殺人犯として捕まりたくなかったので遺体を捨てた」と容疑を認めた。
 これに対し、女子生徒2人は「遺体を運んだ車では眠っていたのでよくわからない」と一部否認しているものの、捜査本部は2人は相良さんが集団で暴行された際、現場で立ち会っていたとみている。
 女子生徒2人が通う府立高校の校長によると、相良さんが集団暴行された4月26日は健康診断が午前中にあり、2人とも出席。逮捕前日の今月5日は高校で体育祭があったが、2人は元気に走っていたという。
--------------------------


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。