メジャー挑戦か国内プロか、進路が注目されている花巻東の菊池雄星投手

2009-09-30 | 相撲・野球・・・など

日本球界に勝ち目は? 菊池にメジャー5億5000万円
(夕刊フジ - 09月29日 17:04)
 メジャー挑戦か国内プロか、進路が注目されている花巻東の菊池雄星投手(18)。米国では新人の契約金が1500万ドル(約14億8000万円)にまで跳ね上がっており、菊池の契約金も400-600万ドル(約3億6000-5億5000万円)とも噂されている。国内プロ野球では、出来高込み1億5000万円が上限。人気も金も渋くなっている日本球界に、20年に1人の逸材を引き留める力はあるか。
【日本での最終戦?“代打”で終える】
 菊池が進路を決めるXデーに向けてのカウントダウンが、いよいよ最終段階に入った。花巻東は29日に新潟市で行われた新潟国体の高校野球準決勝で、都城商に2-3で敗退。菊池は登板はせず、9回2死二塁と一打同点の場面で代打で登場して遊直に倒れ、最後の打者に。高校生活最終戦を終えた。
 「最後なので投げたいと思っていた。これまで期待に応えられず、申し訳ない気持ちもあるが悔いはない」
 同僚と涙で握手をかわしたあとは、笑みを浮かべて取材に応えた菊池。夏の甲子園で痛めた背筋も快方へ向かっており、前日28日の2回戦、中京大中京戦では、9回の1イニングだけの登板ながら3者連続三振の快投。MAX153キロにネット裏に並んだ国内全12球団、メジャー8球団(ドジャース、カブス、ジャイアンツほか)計日米20球団のスカウトに鮮烈な印象を改めて植え付けた。
 阪神の中尾孝義スカウトは「大リーグになんか行かせない。絶対に日本にいてほしい」と言えば、インディアンスのデーブ・デフレイタス日本担当スカウトは「あれだけの投手が大リーグを志望するのであれば、会いに行くのがわれわれの仕事」とメジャー挑戦を表明した場合、岩手に挨拶に行く姿勢。スタンドでも日米の激しい綱引きが繰り広げられた。
 この日は進路について話さなかったが、菊池はすでに「夢は大リーグ」と明言。メジャー志向が強いことは確かだ。
 「言葉や食事、18歳という年齢など不安材料はあるのは事実だが、活躍できれば収入面では大リーグの方がはるかに有利。円高傾向が続いていることもあり、無視できないはず。日本球界が1億5000万円の申し合わせを守ってくれていればの話ですけど」と米球団スカウトは言う。
 米国のドラフトルーキーの契約は青天井だ。年俸5億5000万円の阪神・金本ら日本プロ野球の最高年俸のベテラン選手の契約と同じレベルにまで到達し、裏金工作で選手を釣るまでもないほどになっている。
 今年、ドラフト史上最高の契約でナショナルズに入団したのが、ステファン・ストラスバーグ投手。サンディエゴ州立大で103マイル(166キロ)の速球で活躍し、敏腕代理人スコット・ボラス氏が契約交渉を担当。4年総額1510万ドル(約14億9000万円)で契約した。1億5000万円が上限の日本の10倍だ。菊池の評価はここまで高くないにしても、メジャーなら日本の2-3倍の400万ドル(3億6000万円)の複数年契約が妥当と見られている。
 「レッドソックスの田沢純一投手はメジャー契約で、3年総額400万ドル(約3億7000万円)。実力的には田沢以上の評価を受けていることから、高校生ルーキーであるとしてもそれ以上の金額になる可能性はある。田沢の場合は6億円を提示した球団すらあるといわれている」と某スカウトは話す。
 ちなみに昨季の米ドラフト1巡目の高卒左腕投手の金額はどの程度か。ロッキーズと契約したタイラー・マツェック投手(カリフォルニア州キャピストラノ・バレー高)は、94マイル(151キロ)の速球を武器にしており、ちょうど菊池と同レベル。契約金390万ドル(3億6000万円)で契約している。
 大リーグへ昇格すれば、さらに収入差は開くばかり。視察に訪れた米国人代理人が言う。「もし迷いがあるようならば、国内でプレーするべきだ。なぜなら、菊池投手と同じレベルの新人は米国には何人かいる。ただ大志があるなら、実力のある彼が日本の球団に入る理由はあまりない」。
 10月29日のドラフト会議まで、ちょうど1カ月。金か、夢か、現実路線か。近日中にも、菊池が進路を表明する。(米沢秀明)

 ■一番の思い出は仲間と過ごしたこと
 --高校での野球を終えて
 「すばらしい監督と仲間と出会い、すばらしい3年間を送った。感謝したい」
 --きょうの登板は
 「最後なので投げたいと思っていた。9回に投げる場面がくれば行く準備はしていた。しかし、最後の打席に入ることができた。いろんなことを思い出しながらの打席だった。これまで期待に応えられず申し訳ない気持ちもあるが悔いはない」
 --一番の思い出は
 「勝ち負けよりも、寮生活や練習を仲間と過ごしたこと」
 --進路は
 「国体に集中してきたので、今は何も考えていない。監督と両親と相談して決めたい。遊びたい気持ちもあるが、なかなかそうはいかないだろう。明日から切り替えて、また練習したい」
 --将来について
 「まだ直球も変化球も通用するレベルでない。これから違うユニホームを着ることもあると思うが、花巻東の1番を背負ったことを忘れない。結果も大事だが、人の心に何か残せるような愛される選手になりたい」


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。