細野豪志は、小沢一郎伝授の「中国パイプ」を活かし「フジタ」社員3人を救出、「政治家の交渉術」を磨いた

2010-10-01 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
細野豪志は、小沢一郎伝授の「中国パイプ」を活かし「フジタ」社員3人を救出、「政治家の交渉術」を磨いた(抜粋)
板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」2010年09月30日
 民主党の小沢一郎元代表が営々として築いてきた「中国との太いパイプ」の偉大なる効用が威力を発揮し始めた。側近としてメキメキ実力を蓄えている細野豪志前幹事長代理が9月29日、北京入りしたその翌日(30日)、中国共産党1党独裁の北京政府の治安当局により、無断で軍事管理区域に足を踏み入れたとして拘束されていた準大手ゼネコン「フジタ」の社員4人のうち、3人の釈放を決めたのは、まさに「小沢一郎元代表の「中国との太いパイプ」効果と断言して間違いない。
(中段 略)
 さて、当の小沢一郎元代表は細野前幹事長代理のことについて、「そのことは聞いていないんだ」と言ってトボケていた。だが、あくまでも細野前幹事長代理の単独行為を装っていたけれど、中国北京政府が、小沢一郎元代表と無関係に細野前幹事長代理を受け入れ、しかも、北京空港に政府の高級車を差し向けて出迎えるといったVIP扱いして丁重に出迎え、釣魚台迎賓館に案内するわけがない。戴秉国(たい・へいこく)国務委員などの要人に会っている。
◆小沢一郎元代表は、「今度は本当に静かにしている」と宣言している手前、自らしゃしゃり出ることはできない。それでも、29日、国会内で側近議員と会った際、「心配だ。大事にならなければいいが」(読売新聞30日付け朝刊政治面」=4面)と中国船衝突事件の影響に懸念を示していたという。この言葉の意味は重く、本音では、自ら乗り出して解決に尽力したいという一種の焦りの気持ちがにじみ出ている。何しろ、建設業界、とくにゼネコン、準ゼネコンと強いつながりを持つ小沢一郎元代表である。「フジタ」との関係がどの程度のものかは定かではないけれど、ゼネコン社員の生命が危機にさらされている以上、黙って見ていることはできないはずである。
◆細野前幹事長代理は、小沢一郎代表の下で前原執行部から引き続き役員室長を務め、さらに、2009年8月の総選挙後は、党副幹事長、組織委員長、企業団体委員長に就任して以降は、小沢一郎代表の新たな側近と目されるようになった。とくに企業団体委員長として、「フジタ」との関係も蜜になり、その縁で、「フジタ」から社員4人の救出を依頼されたとも考えられる。
 そこで「細野前幹事長代理の単独行為」という形を取りながら、小沢一郎元代表は、中国北京政府との接触に向かわせたものと思われる。細野前幹事長代理は昨年12月の小沢一郎元代表ら民主党国会議員約140人を含め600人による訪中団の事務総長として、中国側との折衝に当たった。その際に、中国北京政府の要人らと親密になった経験が、今回大きく力を発揮したのは想像に難くない。当然、小沢一郎元代表が、トップクラスに向けて一声も二声もかけて、愛弟子である細野前幹事長代理を援護射撃したことであろう。
◆細野前幹事長代理にとって、外交交渉により人を救出するのは、おそらく初めての経験であったのではないか。「フジタ」社員4人のうち、3人しか救出できなかったとはいえ、弱冠39歳、当選4回にして、「政治家の交渉術」という最も重要な力量をしっかりと身につけたことのは間違いない。
 ここで国民が、政治家についてよく認識しておくべきは、「政治家は最強の交渉人」でなくてならないということである。単に若かったり、政策通であったり、弁舌さわやかであったり、あるいは、派閥の統率がうまかったり、国会対策に長けていたりするだけでは、本物の政治家とは言えないのである。それは政治家が、国家国民の生き死にという国家の枢要に深くかかわっているからである。この意味で、国民は、「クリーンでオープンだから」などという軽い気分で、菅直人首相に人気投票し、その陰で仙谷由人官房長官のような軽薄な政治家が操っている政権に高い支持率を与えるようなことはあってはならない。国を誤らせる元凶になるからである。
 小沢一郎元代表のような不細工でも味のある容貌ながら、最も実力のある政治家を丸で粗大ゴミのように見捨て、排除していたのでは、当の国民自身が不幸になる。政治家にとって、最大の実力は、「政治家の交渉術」にある。今回の中国船衝突事件が、そのことを思い知らせてくれている。最も反省すへきは、国民である。いま一度、福沢諭吉の「愚民の上に苛き政府あり」という名言をしみじみと噛みしめてみようではないか。
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極秘訪中「自分の判断」=小沢氏関与との見方も-民主・細野氏
 民主党の細野豪志前幹事長代理の極秘訪中が憶測を呼んでいる。尖閣諸島沖の衝突事件で緊迫した日中関係の改善のため、菅直人首相が派遣したとの見方が強いが、首相は「承知していない」と否定。細野氏も「自分の判断」としか説明していない。細野氏が先の民主党代表選で小沢一郎元幹事長を支持したことから、中国とのパイプが太い小沢氏の関与を指摘する向きもある。
 細野氏は29日に北京入りし、中国政府要人と会談。30日に帰国した際は、成田空港で記者団に「自分の個人的人間関係の中で行った。自分の判断で行った」と述べるにとどめ、会談相手などは明らかにしなかった。小沢氏は同日、親しい民主党衆院議員に対し、「(訪中は)全く知らん」と語った。この議員は、首相官邸を仕切る仙谷由人官房長官が訪中を仕掛けたと見ている。一方、仙谷氏は記者会見で、訪中を事前に聞いていたことを認めた上で「止めも認めもしなかった」と発言した。
 細野氏は釣魚台迎賓館に招かれており、中国政府が賓客として遇したことは確実だ。副首相級の戴秉国国務委員と会談したとの情報もある。訪中と時期を合わせて、拘束されていた「フジタ」の日本人社員3人が解放されており、一定の効果はあったとみられる。
 小沢氏に近い細野氏が「密使」役を担ったことに対して、政府・与党内の受け止めは複雑だ。事前に訪中計画の報告を受けた前原誠司外相は「『じっとしててくれ』と言っているのに」と不快感を示したという。また、菅グループのベテラン議員は「(細野氏が)首相の親書を持っていったとは考えにくい。小沢氏の親書を持っていったんじゃないか」と疑問を呈した。
 これに対し、野党側からは「イレギュラーな外交だ。本来は政務三役がやる仕事だ」(自民党中堅)と、政府と民主党との二元外交を批判する声も上がっている。(時事通信2010/09/30-20:07)
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〈来栖の独白〉
 『永田町異聞』は、首肯しうる内容だと思う。
 一方、『フジタ社員釈放で動いた細野豪志「特使」の知られざる「中国ホットライン」』(現代ビジネス ニュースの深層 2010年10月02日 歳川 隆雄)を、見てみる。そこには、小沢一郎氏の名前は一度も出てこない。細野氏が独自に判断して動いた、というように私には読めた。概要は、以下のようである。
 “細野氏は2005年12月、当時、民主党代表だった前原誠司外相の中国訪問に同行している。訪中直前に前原氏はワシントンの戦略国際問題研究所(CSIS)で講演、増額の一途を辿る中国の軍事費について重大な懸念を表明した。
 以来、「中国脅威論者」としての評価が定着した。その前原氏が、北京で会談した当時の唐家璇・国務委員(現中日友好協会名誉顧問)との間で熾烈な論争を行ったことも話題となったことがある。この会談に同席した細野氏は、これを逆手に取り、党対外連絡部対日政策実務責任者の劉洪才、実務担当の李郡氏らとのパイプを拓いたのである。
 そして今回、劉洪才大使がピョンヤンからわざわざ東京に出向き、会ったのは当時幹事長の枝野幸男現幹事長代理ではなく細野氏であった。これが中国流スタイルである。日中国交正常化交の日本側の立役者である故田中角栄、故大平正芳両元首相の例を持ち出すまでもなく、中国は「井戸を掘った人物」を大切にする。
 菅直人政権及び民主党執行部に中国との裏チャンネルがないとの指摘があるが、どうやら今後は細野氏の中国共産党中央対外連絡部(王家瑞部長)とのホットラインが機能することになりそうだ。”

 どうなのだろう。「永田町異聞」も「現代ビジネス ニュースの深層」も、結局は推測の域を出ない。ただ、いずれにしても、今回のフジタの社員拘束に関し、パイプがあって行動した、行動可能であったのは、菅・仙谷サイドではなかったということだ。中国漁船船長釈放も那覇地検がやったと言い張る以上、尖閣諸島に端を発した今回の一連の事件について、一体、政府は何をしたというのだろう。

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