元名大生出廷、控訴審でも無罪主張 女性殺害・タリウム事件
名古屋市で知人女性を殺害し、仙台市で高校の同級生らに劇物の硫酸タリウムを飲ませたとして、殺人や殺人未遂などの罪に問われ、名古屋地裁の裁判員裁判で無期懲役判決を受けた名古屋大の元女子学生(21)=事件当時16~19歳=の控訴審初公判が24日、名古屋高裁(村山浩昭裁判長)であった。元学生の弁護側は「複雑で重い精神障害の影響で責任能力がなかった」として、一審に続き全事件で無罪を主張した。検察側は控訴棄却を求めた。
控訴審に被告の出廷義務はないが、元学生は出廷した。
3月の一審判決は、元学生に発達障害と双極性障害(そううつ病)があったことを認めたが、影響は限定的だったとして完全責任能力を認定。検察側の求刑通り無期懲役を言い渡した。
弁護側は控訴理由について、「一審判決には数々の重大な事実誤認がある」と主張。具体的には、判決が採用した検察側の精神鑑定医の証言について、「精神障害の影響を過小評価している」などと指摘。元学生のそううつ病の程度は重く、各犯行時はそう状態で自身の行動をコントロールできなかったなどと強調した。
弁護側は新たな精神鑑定医の意見書を提出し、責任能力が認められないとする主張を補強する方針を示した。元学生の被告人質問の申請も認められ、次回期日の10月27日に実施されることが決まった。
タリウム事件では「被害者の死の危険を想起することはなかった」として殺意をあらためて否認。「死んでも構わないと考えていた」と殺意を認定した一審判決に反論した。
また、元学生の処遇については「刑罰などの刑事処分は、社会からの隔離によって障害が深刻化する」と指摘し、医療観察法に基づく医療施設での専門的な治療を求めた。
一審判決によると、元学生は名大1年で19歳だった2014年12月、名古屋市昭和区の自宅アパートで、知人の森外茂子さん=当時(77)=を手おので殴ったうえ、マフラーで首を絞めて殺害。仙台市内の私立高校に通っていた12年5~7月には、同級生ら2人にタリウムを飲ませ、殺害しようとした。
(中日新聞)
◎上記事は[中日新聞]からの転載・引用です *強調(太字)は来栖
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<タリウム事件控訴審>二審も無罪主張
名古屋市で知人の高齢女性を殺害し、仙台市で同級生2人に劇物の硫酸タリウムを飲ませたとして、殺人や殺人未遂など6件の罪に問われ、名古屋地裁の裁判員裁判で無期懲役判決を受けた元名古屋大女子学生(21)=仙台市出身、事件当時未成年=の控訴審初公判が24日、名古屋高裁で開かれた。弁護側は「各犯行時は責任能力がなく、無罪だ」と主張。検察側は「完全責任能力を認めた地裁判決に事実誤認はない」と控訴の棄却を求めた。
複数の精神障害の影響をどう評価するかが焦点。一審では鑑定医3人の見解が大きく分かれており、裁判員が参加しない控訴審の判断が注目される。
弁護側は地裁判決を「数々の重大な事実誤認をし、責任能力を誤って認めた」と批判。各犯行について「発達障害と双極性障害(そううつ病)が重大な影響を与えた。人の死や焼死体、硫酸タリウムに興味が著しく集中し、行動を制御できない精神状態だった」として、心神喪失による無罪を改めて訴えた。
タリウム混入事件では一審で認定された殺意を否定し、「障害により結果を想像できなかった」と主張。処遇について「単に長期間、社会から隔離したり、障害を深刻化させたりする刑罰は無意味」とし、医療観察法による専門的治療を求めた。
弁護側は一審後の精神状態の変化や情状を立証するため被告人質問を求め、高裁は実施を認めた。10月27日の次回公判で行われる。
今年3月の地裁判決は、障害が犯行に与えた影響について「一定程度あったが限定的」と認定。「複数の重大かつ悪質な犯罪に及んでおり、罪は誠に重い」として、求刑通り無期懲役を言い渡した。
地裁判決によると、仙台市内の私立高に通っていた2012年5~7月、中学と高校の同級生男女2人に硫酸タリウムを飲ませ、殺害しようとした。14年12月、名古屋市昭和区の自宅アパートで知人の森外茂子(ともこ)さん=当時(77)=を殺害。6日後に帰省先の仙台市で青葉区の女性方に放火し、住民3人の殺害を図った。
2017年08月25日金曜日
◎上記事は[河北新報]からの転載・引用です *強調(太字)は来栖
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◇ <袴田巌さん釈放> 村山浩昭裁判長…死刑だけでなく、拘置の停止まで命じる決定 2014/3/27 ~法務・検察に動揺
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◇ 秋葉原無差別殺傷事件 加藤智大被告 判決文要旨 東京地裁 村山浩昭裁判長 2011/3/24
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◇ 美濃加茂市長 藤井浩人被告に 「破棄自判 有罪」 村山浩昭裁判長は、なぜ「自分の目と耳」を信じようとしないのか
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