中国国防費「7~8%増」 16年予算、10%割れ6年ぶり
日本経済新聞 2016/3/4 13:42
【北京=永井央紀】中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の傅瑩報道官は4日、北京の人民大会堂で記者会見し、5日に開幕する全人代へ提出される2016年予算案の国防費の前年実績比伸び率が「7~8%の間」になると明らかにした。伸び率が2桁を下回るのは10年以来6年ぶり。景気減速を考慮したとみられるが、国防費は米国に次ぐ世界2位の水準を維持するもようだ。
具体的な予算額と伸び率は5日に公表される。15年予算を基に計算すると過去最高の9500億元(16兆6000億円)程度になる。日本の16年度予算案の防衛関係費(約5兆円)の3倍以上になる。国防費は1989年以降、リーマン・ショックの影響で経済が冷え込んだ10年を除いて2桁の伸びが続いていた。
南シナ海の領有権や軍事拠点化をめぐる米国との対立などを念頭に、海空軍やミサイル部隊の強化を進めるとみられる。「勝てる軍」の構築に向けて習近平国家主席が進める大規模軍改革に関連する予算も積まれるもようだ。中国の国防費は15年予算では前の年実績比10.1%増の8868億9800万元だった。
中国の国防費は中央政府分と地方政府分に分かれるが、ほとんどは中央政府分が占める。傅瑩氏が明らかにした数字も中央政府分とみられる。
過去の全人代では開幕前日の報道官記者会見で予算案の国防費を公表する慣例があった。13年以降、開幕前に明らかにするのは不適切だとして具体的な数字を示さなくなった。
◎上記事は[日本経済新聞]からの転載・引用です
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
中国国防予算、17兆円 米(63兆円)の約4分の1 日本(4兆9800億円)の約3.4倍 世界2位の規模中国国防予算、米に次ぐ世界2位の規模 15年「約10%増」 日本経済新聞 2015/3/4 22:47 【北京=島田学】中国の2015年の国防予算は引き続き米国に次ぐ世界2位とな...