2人殺害関与告白の死刑囚「殺していません 殺させました」無罪を主張 矢野治被告 初公判 2018/11/12

2018-11-12 | 死刑/重刑/生命犯

2人殺害関与告白の死刑囚「殺していません」
 2018年11月12日 11時14分
 2003年に前橋市で起きたスナック乱射事件などで死刑が確定した後、別の2人の殺害への関与が明らかになったとして、殺人罪に問われた元住吉会系暴力団組長・矢野治被告(69)の裁判員裁判の初公判が12日、東京地裁(楡井にれい英夫裁判長)で始まった。
 矢野被告は罪状認否で「殺していません」などと述べ、起訴事実を否認した。死刑囚が被告となる裁判員裁判は初めてとみられる。
 矢野被告は乱射事件などで14年に死刑が確定後、不動産業の津川静夫さん(当時60歳)と元会社社長の斎藤衛さん(同49歳)の殺害に関わったことを告白する文書を警視庁に送っていた。
 2018年11月12日 11時14分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

 ◎上記事は[読売新聞]からの転載・引用です
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別の殺人告白の死刑囚、「殺させました」と無罪を主張
2018.11.12 13:11
 死刑が確定した後、別の2件の殺人事件への関与を告白し、殺人罪に問われた指定暴力団住吉会系元会長、矢野治(おさむ)被告(69)の裁判員裁判の初公判が12日、東京地裁(楡井(にれい)英夫裁判長)で開かれた。矢野被告側はいずれの事件についても無罪を主張した。死刑囚が被告となる裁判員裁判は初めて。
 矢野被告は青と緑のトレーナー姿で入廷。楡井裁判長に起訴内容の認否を問われると、会社役員の斎藤衛さん=当時(49)=の殺害について「私は殺していません。ただし殺させました」と発言。不動産業の津川静夫さん=同(60)=については「名前すら知りません。間違いです」と述べた。
 検察側は冒頭陳述で、自ら警視庁に送った手紙や取り調べで「自分が斎藤さんの首をネクタイで締めた」「津川さんを殺害させたのは自分だ」と告白していたと指摘。弁護側は「斎藤さんの殺害は実行しておらず、津川さんが死んだことは事後的に知った」と主張した。
 矢野被告は平成15年1月に前橋市のスナックで4人が死亡した拳銃乱射事件の首謀者として殺人罪などに問われ、26年3月に死刑が確定した。その後、斎藤さんと津川さんの殺害に関与したとする文書を警視庁に送付。文書などに基づいて2人の遺体が見つかり、2人に対する殺人で改めて逮捕、起訴された。
 起訴状によると、矢野被告は8年8月、元組員ら3人=いずれも死亡=と共謀して神奈川県伊勢原市内で津川さんを殺害し、10年4月には東京都豊島区のマンションで単独で斎藤さんを殺害したとされる。
 刑法は「確定死刑囚に他の刑は執行しない」と規定。2件の殺人で有罪が確定しても新たな刑は執行されないが、20年以上前の事件がどこまで真相解明されるか注目される。

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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死刑囚が自ら告白した新たな殺人を否認、強まる「延命目的」 真相解明は不透明
2018.11.12 20:35
 死刑が確定した後、別の2件の殺人事件への関与を告白し、殺人罪に問われた指定暴力団住吉会系元会長、矢野治(おさむ)被告(69)の裁判員裁判の初公判で、矢野被告はいずれも無罪を主張した。12日、死刑囚が被告となった初の裁判員裁判は、自ら告白した新たな殺人を否認する異例の展開で始まった。遺族らは真相解明に期待を寄せるが、被告が無罪主張したことで、告白に端を発した今回の裁判自体が「死刑執行の先延ばし目的」との見方が強まった。共犯とされる元組員らも既に死亡しており、20年以上前の事件の詳細がどこまで明らかになるかは不透明だ。
 「現住所は東京拘置所ですね」「間違いありません」-。東京地裁で開かれた初公判で、矢野治被告は冒頭、楡井(にれい)英夫裁判長からの人定質問に淡々と回答した。青色と緑色のトレーナー姿。通常事件より多くの刑務官を配置した法廷で起訴内容を問われ、「間違いです」と強く否定した。
 矢野被告は、会社役員の斎藤衛さん=当時(49)=の殺害について「私は殺していません。ただし殺させました」と発言。不動産業の津川静夫さん=同(60)=殺害については「名前すら知りません。間違いです」と述べた。
 検察側は冒頭陳述で、斎藤さん殺害の動機を「矢野被告が貸した金の返済をめぐって斎藤さんが被告の言葉を聞き入れなかった」、津川さんについては「行方不明に見せかけ、津川さんの土地の利権を得ようとした」と指摘。矢野被告の指示で2人の遺体を遺棄した人物を重要証人と位置づけ、その証人尋問や矢野被告が事件を告白した手紙などから有罪立証する方針だ。
 だが、いずれも20年以上前の事件。遺体は発見されたが斎藤さんの死因は不詳で、津川さん殺害の共犯とされる元組員3人は既に死亡している。証人や矢野被告からどこまで証言を引き出せるかが鍵となる。
 仮に1審で有罪になっても、最高裁まで争えば刑の確定まで3年程度かかる可能性もある。甲南大法科大学院の園田寿(ひさし)教授(刑事法)は「全ての犯罪を吐露して刑の執行に臨もうとする死刑囚は珍しくないが、それならなぜ無罪を主張したのか。延命目的の告白といわれても仕方がない」と指摘する。
 初公判では「弟が誰に殺されたのか真実が知りたい」とする斎藤さんの姉の調書が朗読された。調書は「犯人から反省の弁を聞きたいし、それを弟に伝えるのが姉としてできる最後のことだ」と続いた。
 園田教授は「確定死刑囚が被告のため、有罪となっても処遇に影響はないが、本当に殺人という犯罪があったのか、共犯はいたのかどうか。公判には真相を明らかにする社会的な意義がある」と話した。

   ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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死刑囚 矢野治被告(確定後に2件殺害告白)…無罪主張の方針 2018/11/12 東京地裁初公判
◇ 確定死刑囚の矢野治容疑者を殺人罪(斎藤衛さん殺害)で起訴 東京地検 2017/05/01
19年前の斎藤衛さん殺人容疑で、矢野治確定死刑囚(「檻に3日間監禁、殺した」と告白)を逮捕へ 警視庁
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◇ 永田町の黒幕を埋めた矢野治死刑囚の告白(10)警視庁が捜索を始めた死体遺棄場所『週刊新潮』2016/3/17号
永田町の黒幕を埋めた矢野治死刑囚の告白(9)カタギ「津川静夫」さん殺害の背景 『週刊新潮』2016/3/10号
永田町の黒幕を埋めた矢野治死刑囚の告白(8)10億円利権でカタギを手に掛けた 『週刊新潮』2016/3/10号
永田町の黒幕を埋めた矢野治死刑囚の告白(7) 遺族証言と一致 実行犯・秘密の暴露『週刊新潮』2016/3/3号
永田町の黒幕を埋めた矢野治死刑囚の告白(6)「斎藤衛」とは別の、もう一つの殺人『週刊新潮』2016/3/3号
永田町の黒幕「リュー一世(斉藤衛)」を埋めた矢野治死刑囚の告白(5)『週刊新潮』2016/3/3号
矢野治死刑囚の告白 (3)(4)結城実氏「リュー一世(斉藤衛)を遺棄した経緯」週刊新潮2016/2/25号
永田町の黒幕「リュー一世(斉藤衛)」を埋めた矢野治死刑囚の告白(1)(2) 週刊新潮2016/2/25号
「他の人物も殺害した」前橋スナック乱射事件の矢野治死刑囚が警視庁に文書提出 平成26/9/7付
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